ブレイズの独白〜寝れない〜
アリスが寝落ちしてどれ程、経っただろうか。試しにアリスの手を解放してみたのが良くなかった。
可愛い。やばい。アリスの猫舌を初めて見た時の百倍可愛い。アリスなんで両手握るんだよ。動けなくなるんだが?
アリスが俺のもう片方の手を握っていた。本当は剥がしたい。でも、俺の顎の下に綺麗に収まってるし、両手は握られてるから離せないし、離さない。
よって、すごく可愛いが溢れている。同年代の騎士団員に聞くと、そんなことされると「可愛い」と口から出てしまうらしい。
分かっている。無理だろ。こちら15才。アリスも同い年。しかもライトブロンドの髪に紫の目。しかも158センチで童顔。
可愛い。
こんな可愛い生命体にふわふわの握力で!にぎにぎされて耐えれる男がいればきっとソイツは不能か片思いを12年続けている俺くらいのものだろう。
そして数分後、アリスの手の位置が少し動いたから「おっ!起きるか!?」と期待したが、全く期待通りにはならないもんだ。
まさかの「にゃ〜」とふわふわ声で言いながら、さらにギュッとをにぎにぎである。おかしいだろ!!やめろよ。
無意識だからとはいえ許せるものと怒るべきものがある。さて、どう叱ろうか。無意識ならコントロールできないから仕方ないし、可愛いし、実は嬉しい。
10代の若さ舐めんな。とか思ってたのが良くなかったんだろう。アリスが俺の胸あたりに鼻をこすりつけていた。安心するのだろうか。
おい!!やめろ。何でそんな猫みたいな事を?猫舌だからか?しかも「コリコリ、カリフラワー」とか言っていた。寝言は寝て言えとジジイは言うが。
アリス!!!!!!
寝言で「カリフラワー」からのソレはヤメろ。アリス、お前それはダメだろ。これからアリスのことを『魔王猫』とでも呼んでやろうか。
流石にコレはダメだろ。早く起きてくれ。アリスの耳に「熱いコーヒー入ったぞ」とつぶやく。
「にゅん♡ふーふー、して」
違う、そうじゃない。起きろよ。そうかぁ。まあ、そうなるのかぁ。
ならば!!こうしてやろう。
「モナカ、食べたいだろ?」と耳元に囁いてみた。
「ぅにゅん♡モナカ、もちもちー。にゅー」と寝たまま俺の胸にほっぺを付けて楽しんでいる。心音が安心するのか?いつもは蹴り飛ばしてくる癖に。今日は甘えたいのか。
でも、俺の胸板はモナカじゃない。しかも、擦り付けてる、お前のほっぺは大福だろうが!!
もう、打つ手無しか?と思った時、ふと閃いた。コイツ、こちょこちょ弱いんだよね。特に脇。ただ、握られてるから無理なんだよなぁ。
そんな時に「ふ、ふふ、……こそばい、ぶれいずー」と寝言を言って身をよじらせながらやっと目覚めてくれた。さて、早急に俺の上から下ろそう。
「お前、どこに手があるか知ってるか?」
「……もちもち大福……。しあわせぇ……」
もうダメだな。そう思った時にやっと目が覚めたのか、
「えっ?ダメだよ、ブレイズ!」と焦っているが、何を思ったんだ?
手を握った、お前のせいだろ!アリス。
特に何も問題はないはずだ。ただ、幼馴染として扱うには可愛すぎた。この子は俺が守る。
「それはどこのどいつの話かな?アリス」
「あはは、どこのドイツ、フランス」
ダメだぁ~。インフェルノのクソジジイと同じ寝起き癖だぁ。お前の父親はそんなにギャグ言わないのに何でウチの爺さんに似るんだよ。
もしかして転生してきたのか?まぁ、何でもいいけど。
とりあえず、お説経だな。
アリスをベッドに座らせ、「越えようとしたのはお前だ、アリス!!両手握った上で楽しみやがって。危ないだろ?」とお説経する。
アリスはポカーンとしたあと、事の重大さに気付いたようで「ごめんね。ち、違うの、大福が空とんでて。手のひらに乗って来たの」と言い訳をする。
とりあえず、あと2時間ぐらい特注モナカをお預けにしよう。
アリスめ!!!




