思春期と恋と痛い胸
パパに対して誓いを立てるブレイズに「えっ?もう、結婚とか……ソウイウコトとか……考えてるのかな」と思ってしまう。
「アリス、お前はもう生えたのか?」
ブレイズらしくもない変な話題だなと思う。明らかに、ソレの話だよね?確かに月のアレは来たけど、生えないし、ぺったんなんだよなぁ。
「えっと……その!……ソウイウ、エッチなのは、……まだ」と返す。物凄く恥ずかしい。ブレイズは、もう生えているのかな?生えてるよね。男の子らしい低音に……その……とっても大きな……アレ。
「そうか。お前は知りたかったりするのか?」
普段なら絶対ソンナ話題しないブレイズなのに、「えっと……その……。私も!!思春期!!!だよ。知りたいし、……その…本当は…!」と言いながらも声は震える。
「俺は、もう大人になったらしい。無理すんなよ。帰ってきてからソワソワしてるの知ってるぞ」
なんでバレてるの?ほんとはモナカの後にその、ソレもしてみようとしたんだよ?でも、怖くてソラに聞くのも悪い気がして。
アルフィーネに聞いたことはあるけど、「そんなもんじゃないの?あたしも生えてる」と物凄くリアルな事を言われてしまった。
アルフィーネだって私より胸大きいじゃない。ズルい。私も大人になりたい。ブレイズみたいに余裕もないし、本当は不安で、ブレイズがどこかに行ってしまいそうで。ソラとブレイズが結ばれる未来を考えると胸が痛くて。
そう脳内で会話してると「……すまん。余計な事を言ったかもな。だが、幸せでいてくれよ。幼馴染だろ?」とブレイズが心配してきた。
その心配が嬉しいようなブレイズが逃げていく言い訳にも聞こえて、胸が痛い。どうしよう。痛いから、半分投げよう。
「余計じゃない。……その…一緒に居て。遠くに行かないで。私のブレイズがいい。ブレイズも1人で致してるの?この疑問っておかしいのかな?」
小さくなっていく私の声に被せるように「おかしいもんか!!それでおかしいなら、俺が味方になってやる。俺だってお前見てると余裕がなくなるんだよ。何度だって抱き締めたかった。抱きたい!!と何度思ったと思ってんだ?」とブレイズがまくし立てる。
そんなにかっこいい声でそんなに長い事を話さないでよ。ドキドキがうるさいから。こんなに小さな胸のまだ未熟な私でも隣に立っていいの?
幼馴染と恋人の境目ってどこなの?誰か教えてよ。
わからなくなったから、部屋にブレイズを招き、囓ったモナカの半分をブレイズに渡そうとする。アルフィーネに聞いたもん。幼馴染なら間接キスなんかしないって。
「お前、それはどういう意味かわかってるか?」
「えっと……、キス……はオッケー的な意味かな?」
ブレイズの目がいつもより炎に満たされている気がする。えっと……どういうやつだっけ?男の子だったらソウイウコトまで行くのかな?
「分かった。貰うぞ。絶対わかってないから俺が答えを教えてやる。絶対、それを俺以外にするな。酷い目にあうから。誤解させるなら俺だけにしとけ」
ブレイズは、一度息を整えると「ずっと好きだからな。お前を。出会ったころからずっと」と珍しく照れたような表情をしている。
私は「私も今わかった。多分、……いや、きっと大好きだよ。どんな時でもそばに居てね。私が死んだ後も生きてる間も、いつまでも」と声も足も震えながら言う。
このうるさい心臓ってなんなの?
食べてくれた意味がわかって赤くなる。あれ?なんか眠たい。なんで?
なんで手を握ってるの?そんなことされたら寝ちゃうよ?わからなくなって、ブレイズの胸板の上に乗って握られてない手をブレイズの股に置く。
あったかい。………おやすみ。




