部屋で寛いでたのに!!
お部屋でモナカ食べながら寛いでいると、ドアからノック音が聞こえた。
「アリス、いるか?」とのブレイズの声が聞こえたから慌てて「まっふぇ」とモナカで口一杯のまま話すと、「喉詰まらすぞ。飲み込んでからで良いからな」と言われた。
優しい。それにしても何のようだろうか。ドアを開けると、「おう、アリス。帰ってからまだ魔王様に会ってないんだろ?行くぞ」と手を引っ張って連れて行かれた。
部屋から出た後、まだ手を繋いでたから「えっと……出てきたよ?……まだ…繋ぐ?」と聞くと「嫌か?嫌なら離すぞ」と返され、私は小声で「嫌じゃない……むしろ……嬉しい…かも……」と俯くしかなかった。
ブレイズはそんな私を見て、「珍しいな。その反応」と何故か嬉しそうだった。なんでこんなに胸がうるさいの?胸の装甲が薄いからかな?それともブレイズの胸筋が凄いせいかな。
これって……いつか…ソウイウコトをする日が来るってことなのかな?……キス………とか、ソウイウ……ね。
さっきからうるさいから止めてしまおうかな。ドキドキで心臓は止まりそうなんだけど。ドキドキしすぎて疲れるから、聖剣バンノーチョーリーを繋いでいない右手で握りしめる。
なんだか景色さえも変に眩くて目が眩みそうなほど、眩しかった。先代の魔王がおじいちゃんに当たるから、今のこの世襲制の魔王制度だと、私が魔王になる。その時、ブレイズは横にいてくれるのかな?
代々、魔王の側近は光属性の四天王が就く役職になっている。これは勇者が光属性の武器を持つため、その光を無効化し、対等に渡り合える光属性が就く役職らしい。
そんな事を考えてたら、「アリス、黙ってるけど、どうした?いつももっと喋るだろ?」とドキドキの張本人であるブレイズに茶化された。
「喋れる……もん。なんか……ちょっと…恥ずかしいだけで」
「あ、アリス。なぜ…!ブレイズと!!手を!!!繋いで!!!!いたんだ!!!!?」と動揺しすぎてるのが、元闇の四天王ダークロード。つまり、私の父上である。
「えっと……」
「わけがありまして……」
2人の声がぴたりと揃ってしまってそれがまた少し恥ずかしくて、嬉しい……ような。とりあえず、「ただいま」っていうだけだから。そう思うのに、恥ずかしくて声が出ない。
そんな私を見てブレイズが「えっと、昨日、アリスが帰って来たんですよ。模擬戦してめちゃくちゃ強かったですよ」と口火を切る。
「そうか、そうか。ウチの娘に手を出すとは見上げた根性よ、のう!!ブレイズ!!!!」
明らかにブチギレなんだけど。しかも絶対模擬戦違う方だと思ってるよね?漢がイワユル剣を鞘に収めるサム寝具を思い浮かべてるよね。
ブレイズは父上の言葉に怯まず、「ええ、根性は鍛えてます。娘さんのアリスを僕にください。というより、いつもと変わらずアリス様運搬職を奪わないでください」と返す。
スキル『料理』をバカにされて泣いていた幼馴染が大きく見えた。
パパは根負けしたように「これからもよろしく頼む。だが、その………一線はまだ超えるなよ?その、しかるべき時が来るまでは、間接キスまでは許すから、な。娘を俺から奪うのはもう少し待ってくれ」と歯切れが悪い。
「年取った時の小便みたいだ」と前世のクソ親父あたりが言いそうだ。そう言えば、前世の会社で「年寄りの小便みたいな話し方すんな、何があった?」と強い語気で言われたことを思い出した。
でも、パパって純情だなぁ。
ブレイズは「はい。これからも、アリス様をお守りします」とパパとは対照的なほど歯切れがいい。若さってええなぁ。




