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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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510、王都一の仕立て屋ケイザ・ウエスト

シャツを仕立てに行くことにした。と言っても布はない。収穫したままのケイダスコットンとスピーマコットンがあるだけなんだよね。まぁそのあたりは仕立て屋に相談すればどうにでもなるらしい。


というわけで伯母さんおすすめの仕立て屋『テイルコータ』にやって来た。第二城壁内西部の一等地に店を構える有名店らしい。


「いらっしゃいませ。初めてのご来店で……まっ、魔王様!?」


若い女性店員さんにいきなり気づかれた。やはりチンピラどもとは大違いらしい。


「どーも、魔王でーす。ゼマティスの奥様からここを紹介されたもんでさ。シャツを仕立ててもらいたいんだよね。」


「まぁー! 魔王様のシャツを! し、少々お待ちください! 親方! 親方ぁぁーー!」


大声をあげて奥に引っ込んでいった。有名店にしては親しみやすいね。


「どうもどうもこれはこれは魔王様。よくぞお越しくださいました。店主のケイザ・ウエストでございます」


ん? その名前はもしかして……


「親方はもしかしてウエストコートを生んだ職人さんですか?」


「いやはやいつの間にやら大仰な名前になってしまいましたが魔王様にまでご愛用されて光栄の至りでございますよ」


マジかよ……ウエストコートの生みの親がウエストってことぐらいは知ってたけど、まさかここで会えるとは……

そうなるとシャツだけでなく新しいウエストコートもここでお願いするべきか?


「で、注文なんですがシャツと下着なんですよ。ケイダスコットンでシャツを、スピーマコットンでパンツを。素材はこれです。」


袋にたっぷり入ったコットンたち。かなりあるけど、果たして何着仕立てることができるだろうか。


「なん、ですと? ケイダスコットンが!? お、おお、これがケイダスコットンの原材料なのですか! 恥ずかしながら初めて見たもので。で、こちらがスピーマコットン? こちらは名前すら初めてですよ。いやはや仕上がりが楽しみですよ。さて、そうなりますと……まずは糸紡(いとつむ)ぎをしてからとなりますので、かなりお時間を頂戴することになると思いますが……」


「ええ、構いませんよ。それからスピーマコットンですが半分はこのアレクの下着に使う予定なんです。だからシャルナールに渡してやってください。」


ローランド王国の下着事情は現代日本並みだからな。私は行ったことなどないが王都一の下着店といえば『シャルナール』だからな。アレクに相応しい下着を作ってくれることだろう。


「かしこまりました。マダム・ガブリエルとは懇意にさせていただいておりますので問題なく行えるかと存じます」


アレクから聞いたことがある。シャルナールの創業者ガブリエル・ボンソワール。私と同じく前世の記憶があるそうじゃん? 会ってみたい気もするが、今さらねぇ……同じ地球からの転生者とも限らないし。縁があったら、程度でいいだろう。


「お願いします。では前金でいくらか払っておいた方がいいですか?」


「そうですね……これだけの大仕事ですから……白金貨で一枚いただけると、その、非常に助かりますが……」


言いにくそうに言うなぁ。これだけの最高級品なんだから高いのは分かってるって。仕立てるだけならもっと安いんだろうけどさ。なんせコットンが収穫した時のままだからね。南の大陸で布にまで仕上げた方が人件費がクソ安い気もするけど、こっちで仕上げた方が品質が良さそうなんだもん。だから気にしないぜ?


「じゃあこれでお願いします。じっくり取り組んでください。」


「は、ははぁ! 全力でやらせていただきます! はっ、そうだ! 魔王様、提案がございます。」


「何でしょう?」


「魔王様ほどの方ですから今着られているシャツにも様々な魔法効果があるかと存じます。もちろん私どもも同様のことは可能です。で、ですよ。そもそも魔法効果ですが通常は服が仕上がる時に付与するのが一般的ではございますが、時には裁断前に素材全てにまとめて付与しておく場合もございます」


うん。知ってる。サウザンドミヅチで装備一式を作った時は裁断前にごっそり付与してもらったからね。


「そこで提案というのがですね。糸紡ぎの段階で魔法効果を付与してみてはどうかということです」


「ほう、それは面白そうですね。それってどんないい事があるんですか?」


「通常の場合魔法効果は一年もすれば弱まります。後者の場合でも三年は持たないでしょう。しかし、このやり方だと十年以上持ちます。おまけに魔法効果もぐっと強くなりまして快適性・安全性ともに段違いとなります」


ほーぅ。いいじゃんいいじゃん。


「では悪い面は?」


「はい。やはり納期ですね。早くても一年は見ていただければ。そして費用もざっと三倍はかかるかと……」


そのくらいなら全然問題ないね。


「ではそれでお願いします。あぁそうだ。これも渡しておきますので付与する職人さんに渡してあげてください。」


魔力庫どーん。大物の魔石をたっぷりプレゼント。こんな時にケチらず使うのがいい装備を手に入れるコツなんだよね。さすがにアースドラゴンの魔石は出さないけど。


「なっ……こ、こんなに……」


「相性とかあるでしょうから使わなかったら使わなかったでいいです。任せますよ。」


「はっ、ははぁー! お任せください! きっちりと仕上げてみせますので!


「頼みますね。では次の注文いきますよ。」


「へっ? 次? ですか?」


ふふふ。もう二つ三つあるんだぜ。手が回るかな?

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― 新着の感想 ―
アクションシーンを書くのが上手そうな名前( ˘ω˘ )
本当に手が回るかな?
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