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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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323、一日の終わりに

建物内に入ると、至る所に血の跡が見える……くっそ……何が人質だ! いい加減な仕事してんじゃねぇよ!

それでも死体が見つからないのはいい事なのだろうか……いや、あの女が一人殺したってことは、他の三人も絶対殺してるだろ。

くっそ、どこに、おっ? カムイから伝言(つてごと)的なやつが伝わってきた。今さらだが、これってテレパシーなんだろうか。近くにいないと伝わってこないんだけどさ。そうかい、地下かい。


どこから降りるんだ? ここの地下室って行ったことないからなぁ。倉庫でもあるんだろうか? こっちかな。


なーんだ。普通に階段があるじゃん。


ここだな。ドアが開けっぱなしになってる。


「てめえ! 何モンだあ!」


お前こそ誰だよ。地下室に入ったらいきなり叫びやがってさぁ。カムイったら制圧してないのかよ。あっ、なーるほどね。お前にしては珍しく安全策を取ろうとしたわけだね。なんせ……


「動くんじゃねえ! こいつらがどうなってもいいってのか!」


椅子に縛りつけられた女の子が二人。縛られて転がされてるのが六人ぐらいか?

両手とも女の子二人の首にナイフ当てちゃってまぁ。いつもなら問答無用で狙撃(スナイプ)しちゃうんだけど、あいつが後ろに吹っ飛んだら女の子達の首が切れてしまいそうなんだよなぁ。頭を抱え込むようにしてナイフ当ててるからさぁ。


「別に気にしないけどな。それよりお前さっさと逃げないとやばいぞ? さっき誰かが騎士団に通報しに行ったからな。」


アレクなんだけどね。


「てっ、てめえええ!」


「もちろん俺じゃないぞ? で、どうする? 逃げるってんなら見逃してやるが?」


「そんな手に乗るわけねえだろ! ハッタリかまして調子ん乗ってんじゃねえぞ!」


別に調子には乗ってないんだけどなぁ。せっかくだから安全に行きたかっただけだよ。でも、こいつにその気がないならだめだね。

こうして話してる間に考えがまとまったし。


カムイ、同時にやるぜ。お前はあいつの左肘な。俺は右肘をやるから。合図は金貨の音でいこうか。


「ガウガウ」


「まあ落ち着けよ。これやるからさ。」


「ああん!?」


金貨を弾く。あいつに向かって。ほーら、つい見てしまうだろう?

金貨が床に落ち、妙なる音を奏でた瞬間……


狙撃スナイプ

「ガウァ」


ほぼ同時に奴の両肘が壊れた。カムイに噛み砕かれた左肘も、ライフル弾が貫通した右肘も、だらりとまっすぐ伸びている。


「なっ、えっ!?」


『風球』


おまけで吹っ飛ばしておく。ナイフがその場に落ちた。人質の太ももとかに刺さらなくてよかったね。


たった十メイル程度じゃあ距離なんてないも同じだからな。体は女の子で隠れてたけど顔と両手は丸見えだったし。私とカムイのコンビネーションも最高だったな。さすがのカムイも一瞬で両肘を壊すのは無理だから私を呼んだんだなぁ。ナイス判断。


さてと……


『風斬』


ロープを切ってと。


「災難だったな。ここに怪我人はいるかい?」


「あっ、ありがとうございます魔王様! も、もうだめかと思って、うあああーーーーん!」

「本当に、本当にありがとうございます! でもスザンナは……ううううぅ……」


あーあー抱きついてきちゃったよ。さぞかし怖かったんだろうなぁ。さすがの私もそれを振り払うほど野暮じゃないぞ。抱きしめてはやらないけど落ち着くまで待つぐらいはしてやる。その間に他のロープを切っておこう。


『風斬』


カムイ、あいつを外まで引きずり出してやりな。


「ガウガウ」


騎士団が来るまでもう五分か十分か。ここにいない怪我人は村長が治すだろうから……私にできることはもうないな。

この子達が落ち着いたら尋問開始かな。騎士団に引き渡すのはその後だ。


足首が失くなった二人と両肘がぶっ壊れたあいつはあまり高く売れないんだろうなー。いや待てよ? 治るもんなら村長に治してもらえばいっか。どうせ売るなら高い方がいいし。村長に小遣いも渡せるしね。

一人だけ女がいたが、あいつ本当は何歳なんだろうなー。見た目だけなら十二、三歳って感じだけど。あれなら男どもよりよっぽど高く売れるね。

あ、小遣いにはできないか……死んだ従業員の遺族に渡してやらないとな……




「落ち着いたかい? 外に出よう。そろそろ騎士団も来るからさ。」


縛られていた六人もようやく頭が動き始めたのか、各々立ち上がってきたので私も女の子に声をかけた。いつまでもこうしてるわけにはいかないからね。


「は、はい……本当にありがとうございます……」

「ありがとうございました……」


「ああ。さ、行こう。もう悪い奴はいないからさ。」


女の子二人が歩き始めると、他の六人もその後を追うように歩き始めた。それでもまだ呆然としているようだ。

一日の終わりに、酷い災難だったもんなぁ……もう少し早く来てれば、と思わないでもないが……


どうせ依頼人はあいつらだろ?

証拠なんかないけど、必ず報いをくれてやる……

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