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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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308、マルテアの片眼鏡

さあ、マルテアちゃん。大ホームラン打ってくれよ?


「なあマルテアさぁ。お前もしかして偽印に何か仕掛けしてないか? 依頼主に分からないようこっそりとさ。」


「し、してる……」


やっぱり! こいつ最低だけど最高じゃん! 後でゆするか何かする気だったんだろ? もしくは保身とかね。用済みになって消されないためにさ。実際こいつ生き残ってるわけだし? 渡りの職人ってたくましいんだねぇ。


「どんなどんな!? どんな仕掛けしてんの!?」


「そ、その、金貨判定と同じで、そいつで押した印は特定の方法で判別できるようになってる……」


おおおお! 大ホームラン! 逆転満塁サヨナラ場外ホームランじゃん! こいつ最高!


「で、その特定の方法ってのは?」


「お、俺の魔道具で見れば色が変わって見える……」


うんうん。何やらすごいことやってんな。


「それは誰が見ても分かるんだな?」


「そ、そうだ……」


「じゃ、その魔道具見せてみな?」


「そ、その前に、さっきの大金貨、本当にくれるんだろうな……?」


そんなにビビり散らかさなくてもいいのに。今となってはお前ってもうビップ中のビップだからね。何なら徹底的にガードしてやるし。


「もちろんだ。それにもしデルヌモンに狙われたりした時にはちゃんと守ってやるぜ? あぁそうそう、お前嫁と子供がいるだろ? そいつらもまとめて遠くに逃してやってもいい。お前のご要望に応えてやるぜ?」


「はぁ? 嫁と子供? そ、そんなの知らないが……」


あらら? ということは……あの姉ちゃん遊ばれて終わりか? あんなクールな美人ちゃんがこんな冴えないまだらハゲオヤジに? 世の中分からんもんだねぇ。


「まあいいや。それは後回し。ほれ、これ取っとけ。じゃ、その魔道具出してみな。」


「おっ、おおおお! これマジモンの大金貨かよ! 嘘だろ!? マジかよ! お、おお! ほ、ほらこれだ!」


急に元気になりやがった。で、これがその魔道具か。片眼鏡(モノクル)タイプか。眼窩に嵌め込むわけじゃなく、片側に木の棒が付いてるやつね。虫眼鏡みたいに使うってわけか。


「親方、悪いけど印章用のインクと適当な紙を用意してもらえない?」


「ああ。ちょっと待っててね。」


私ったらちょうど実験するのにいい物持ってるもんね。




「それでさぁ、アレクサンドリアのギルドの女と遊んだりしなかったか?」


「え? あ、あぁ、半年前だったか。アルケミアル工房から逃げ出すまではちょくちょくうちに来てやがったな」


「そいつ子供がいるって言ってたぞ? でお前と親子三人仲良く暮らしたいみたいでな。お前としてはどうしたい?」


五十代の冴えないオヤジが二十代中盤の美人受付嬢から追っかけられるってのは奇妙なもんだが、まあ人の趣味なんてそれぞれだしなぁ。


「お、俺の子……なのか!?」


「さあ? たぶんそうなんじゃないの? 会って確かめたいってんならその女を連れてきてやってもいいが。」


「で、でも、足が付いたりしねぇか……」


自分の身が大事なタイプか。正直なことで。


「さあ? 気になるならアレクサンドル家の手が届かない所まで連れてってやってもいいぞ? まあ別に王都でも大丈夫なんじゃないのか? 今のアレクサンドル家は凋落甚だしいからさー。」


「あいつらの手の届かない所ってどこだよ……」


「俺の領地。楽園(エデン)って聞いたことないか? ヘルデザ砂漠とノワールフォレストの森の間ぐらいにあるんだけどさ。そこいらの騎士団じゃあ砂漠を越えるなんて無理だろうよ。」


そもそもアレクサンドル領からスタートしたらクタナツやフランティアを経由しちゃうからね。とても無傷じゃ抜けられないだろ。むしろ全滅か?

思い切ってムリーマ山脈を越えてもいいけど、そっちの方がハードだし。というか……


「なっ……北の楽園(らくえん)か! マジであんのかよ!」


『エデン』じゃなく『らくえん』と言うと何やら地獄っぽく聞こえるのは気のせいか? 北の楽園……


「マジだぜ。先王様の領地ともお隣さんだわ。つーかそもそもお前ってアレクサンドル家に名前知られてないみたいだぞ? アルケミアル工房の名簿に載ってなかったとかでさ。別に王都でこのまま暮らしてもいいんじゃないか?」


私としてはどっちでもいいしね。こいつ凄腕っぽいから楽園に欲しい気もするけど。金に汚い奴があそこでどう暮らしていくのかは知らないが。


「わ、分かった……ちっと考えてみるわぁ……」




「魔王さん待たせたね。これでどうだい?」


「いいね。ありがと。」


さあ、では実際に押してみようか。取り出したるは……本物のマイコレイジ商会の商会印。こいつで白紙に印を、押す。


うん。普通に赤いね。


では、こいつを片眼鏡の魔道具で見てみると……うん。変化なし。そりゃそうだ。


「これお前が作った偽印だったらどう見えるんだ?」


(ふち)のほんの一部だけが青く見える。仕掛けは最小限にしておかないとバレるからな」


「ほーう。やるじゃん。信じるぜ?」


まあ嘘はつけないわけだしね。しかし、まだ問題が残ってるんだよなぁ。


「もう一人の奴、スサイエだったか。そいつも何か仕掛けしてそうか?」


「いや、たぶんしてねぇ。あいつは職人バカだからな。いい仕事ができりゃあそれでいいと思う奴だ。だが、出来上がりをチラッと見たが俺のやつと遜色なかったな」


うーん……そこなんだよなぁ。結局マイコレイジ商会の偽証文に押した印章がどっちの奴を使ったかによるんだよなぁ。せっかくの逆転満塁サヨナラ場外ホームランも幻に終わってしまうかもなぁ。二択かぁ……証文は一枚。偽印は二個。どっちを使ったんだろうなぁ……


マイコレイジ商会の身代がかかってるからなぁ。あまり賭けにも出たくないし。


さて、どうしてくれようか……

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― 新着の感想 ―
これは凄い情報ですな。
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