501、おねだりカース
あ、そうだ。この際だから商王に頼んでみよ。
「なあ商王様さぁ。ケイダスコットンとスピーマコットンが欲しいんだよね。あとビクーグナの毛皮も。だから紹介状書いてくんない?」
「欲の深いことよの。ワタシが紹介状を書いたからとて手に入るとは限らぬぞ?」
「構わんよ。身分証代わりにはなるだろ。でも一応優先的に売るようにと一言書いておいてくれよ? もちろん吹っかけていいからさ。」
「ふん、まあよかろう。どうなっても知らんがな」
品薄なんだろ? それでも商王の一筆があるとないとじゃ大違いだろうさ。それでも無理なら諦めるさ。ない物はないだろうしね。
「そういやケイダスコットンの生産が調子悪いって聞いたけど何か知ってる?」
「知らんな。こちらも調査中ゆえな」
あらら、それなら仕方ないな。ここ最近の話だろうし。さすがに対処しようとしてんのね。
「あ、ついでで悪いけど俺にも地図見せてくれよ。スピーマコットンの産地とビクーグナがいる所が知りたくてな。」
「アヤツもだがキサマも軽く言ってくれるな……地図を何だと思っておる」
「だから商王様に頼んでんだろ? そこらの団長には頼めない重要なことだからな。」
「ふん、待っておれ」
なんだかんだ言って見せてくれるのね。まあ断れるわけないけどさ。まっ、だいたいの地形と方角さえ分かれば何とかなるよね。地名を聞いた気もするからアレクが覚えててくれるとは思うし。
香辛料はたっぷりゲットしたことだし、そろそろローランドに帰ろうかとも思ったけど、まだまだやり残したことがあるもんだね。
さて、ドワーフ達の交渉を後ろから聞いてみる。
「毎日酒が飲みたい」
「メシは今の三倍欲しい」
「道具の精度が悪い。開発に協力しろ」」
「魔の力がもっと欲しい。あれでは仕事が遅い」
あれ? もしかしてドワーフって結構仕事熱心なの? 酒の味を覚えたのは私が飲ませたからかな。それにしても意外だな。ここに残る前提で話してるじゃん。
「おい、持ってきたぞ」
「おっ、早かったな。ありがとよ。どれどれ……」
テーブルに地図を広げる。大きいな。
ふーん、ヤリマダ半島は載ってないのか。これじゃあ距離感やサイズ感がいまいち分からないなぁ。でもまあ方角さえ分かればいいや。
「えーっと、ビクーグナがいるっていう高原はどこ?」
「アンディスカ高原か。ここだ」
ふむふむ。ここから西北西ってとこかな。セティアン砂漠の反対側か。
「スピーマコットンの産地は?」
「ツァヌカ山脈か。ここだ」
ふむふむ。おっ、こっちは近いな。南西、セティアン砂漠の南端ね。それだけ分かれば後は現地に行けば何とかなるだろ。
アンディスカ高原とツァヌカ山脈ね。
「だいたい分かった。じゃ後は紹介状を二通よろしくな。」
「ふん、待っておれ」
よし。後は現場に行ってからの判断だな。ケイダスコットンの産地に立ち寄るかどうかも含めてさ。




