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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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485、手招き

ふう。腹いっぱい。美味かったなぁ。少し眠くなってきちゃったよ。


「さて、ではカースよ。詳しく聞かせてもらおうか。此度の一件、どう転がるか妾も楽しみゆえな。」


「ええ、ローランド王国にとっては美味しいことになると思いますよ? まずですね…………」


人手が足りればの話だけどね。ヒイズルみたいに属国にすることもできなくはないだろうしね。あんまり手を広げすぎるとパンクするってこともあるだろうし。




ふぅ。セティアニア商国と、そこで起こったことについてだいたい説明したぞ。宮廷魔導士は魔力が回復しにくい理由に興味津々だったな。ざっと話しただけで軽く一時間は経ってないか? いつの間にやら目の前にはワインじゃなくてコーヒーが置かれてたし。


「ふぅむ、つまり数多のドワーフ達はローランドやカースの領地に行くやも知れぬのだな?」


気になったのはそこか。


「ええ。まあ商都に残りたいと言う者もいるかも知れませんがね。彼らにはいくつか選択肢を与えてありますから、ローランドで腕を振るう者もいるでしょうね。」


「リキーム! あの者を連れて参れ!」


おっ? どうしたおばさん?


「はっ!」


リキームさんが部屋から出ていった。このタイミングで連れてくるってあいつしかいないじゃん。


「のおカースよ。これまでの話からすればドワーフはかなりの凄腕と見える。ならばそなたの楽園(エデン)や本領だけに行かせるのは惜しい。ぜひこのバルバニアに居留して欲しいのだがの?」


「そのあたりは直接ドワーフと相談すればいいと思いますよ。長年の地下生活のせいで外を怖がってる面もありますし、領主様がいい条件を出せば彼らだって喜んで滞在するんじゃないですかね。」


私に説得させようとしてもだめだぜ? そんな面倒なことするかっての。そりゃあ楽園に来て欲しい気持ちはあるけどさ。結界魔法陣のメンテナンスとかしてくれそうだし公衆トイレとか公衆浴場のメンテナンスまでやってくれそうじゃん? 具体的にどんな技術を持ってるのかいまいち分からないけどさ。それでも何でもやってくれそうだしさ。


「ふむ、それもそうよの。ならばカース、そなたはどのような条件を出したのじゃ?」


条件? 何か出したっけ? 連れてってやるってだけだったと思うが……つーかこのおばさん相当ドワーフを欲しがってんな。


「大した条件は出してませんよ。連れてってやるってぐらいです。結局選ぶのはあいつらなんですから。」


「ほう? ならば奴らがこの地を選んでもよいということじゃの?」


「そりゃあいいですよ。僕が口を挟むことじゃないですから。でも、大事にしてやってくださいよ? ローランド王国民と同じぐらいに。」


「無論だ。得難い存在は宝ゆえな。カースこそ良いのか? そなたの領地にドワーフが欲しいのではないのか?」


「いやぁ、欲しいことは欲しいんですが、そこまででもないですね。うちの楽園って結構過酷な環境ですし。」


「ふっ、相変わらずそなたは欲がないの。間抜けなのか大物なのか、いや魔王だったな。まあよい。だいたいの事情は分かった。セティアニア商国だったか、そのような外道国家にドワーフどもはもったいないわ! ことごとく救出してくれるでの!」


「だいたい百人ぐらいいました。それでしたらお任せしますね。」


「うむ、よかろう。ただしカースよ、そなたがあちらに戻る際には宮廷魔導士を何人か連れていけ。よいな?」


「いいですよ。こちらとしても助かります。」


宮廷魔導士が一緒だと心強いからね。後は丸投げできるってもんだ。


「連れて参りました」


やはりな。リキームさんが連れてきたのはジャンだ。


「ジャンビョルンゲイルだ。ジャンと呼んでくれていい。この度は世話になっている」


「うむ、妾はここの領主エカテリーナである。今は好きに呼べばよい。さてジャンよ。そなたらはこちらのカースに救われたそうじゃの? ならば今後はカースのもとに身を寄せるのか?」


「分からん。少なくともあそこから出たいとは思っている。故郷に戻りたいと言う者もいるしな」


故郷と言っても見たことない者が大半だろうなぁ。それだけに余計帰りたくなるものなんだろうか。


「そうか。一応伝えておくがここはバルバロッサ領と言う。そしてこの街の名はバルバニアじゃ。後ほど案内させるがこの街はそなたらを受け入れる用意がある。選択肢の一つとして考えておくがよい。」


「分かった。ここはあの地下とはずいぶん違う風の香りが漂っている。慣れぬ香りだがある種の優しさを感じる。ここは良い街なのだろう」


海の香りかな? でも商都だって海は近かったが。


「うむ。納得ゆくまで滞在するがよかろう。ゆるりと身の振り方を考えるがよい。リキーム! 案内してやれ。」


「はっ!」


「待て。確認しておきたいことがある。カース、お前は我らを必要としているか?」


おお? いきなりどうした?


「我らドワーフはお前に多大な恩を受けた。一生かかっても返しきれないほどのな。だからお前が我らを必要とするなら、何でもする。これは我一人の意見ではない。他の者もきっと同じことを言うだろう。必要か?」


うーむ……必要かと言われたら、そうでもないんだよな……


「すまんな。気持ちは嬉しいがそこまで必要じゃない。来てくれたら嬉しいって程度だ。してもらいたいことはあるけど絶対必要ってほどじゃない。だからジャンさぁ、好きに決めていいからな? あ、様子を見るだけ見たいっていうのもアリだぞ?」


「その言葉で充分だ。すまんな領主よ。我はおそらくカース領へ行くだろう。この者が治める地がどのようなものか気になるのも理由の一つだが」


あらまぁ。


「ふむ、構わぬぞ。それはそれとして先程の言に変更はない。まずはバルバニアを知ってもらいたいゆえな。ではリキーム、任せたぞ。」


「はっ。ではジャンよ。行こうか」


「ああ。ではカースよ。よろしく頼む」


「おう。」


はて? ジャンに何を頼まれたんだろうか……

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