483、救急救命宮廷魔導士
このイケオジ宮廷魔導士は確かセヒーリさんだったかな。ファーストネームは覚えてないけど。こんな夜中も当直だろうか。
「お久しぶりですねセヒーリさん。夜分に申し訳ないです。ちょっと急ぎの用がありまして。」
「此奴らに関することかの。見知らぬ種族のようだが……まさか、ドワーフか!?」
察しがよすぎる! この暗闇でよく見てんなぁ……
「そうです。詳しくは後ほど説明しますがこの子達の手を見てください。繋いで欲しいんです。セヒーリさんお願いできますか?」
「こ、これは……指はあるのだな?」
「我が持っている。お前からはかなり濃密な魔を感じる……かなりの使い手なのだろう……頼む、どうか、この子達を……」
「魔王殿、こちらもドワーフのようだが……」
「ええ、子供達の引率ってことで連れてきました。ジャンと言います。色々ありまして。で、セヒーリさんどうです?」
「うぅむ……分からん……場所を変えるぞ。こっちだ」
全員で移動した。玄関を入り広く明るい部屋へと。
「この子の指を見せてくれるか」
「これだ」
ジャンもすごいな。どの指が誰のかってすぐ分かるのか。
「これならば、どうにか……」
『繋合結縛』
おっ、指を繋ぐ魔法か?
「すまんな、薬指は繋がったが小指は無理だった。少しばかり遅かったようだな……次だ」
すごいな……それでも一本は間に合ったのか。
「お、おおおお! 繋がったのか!? なんと……ならばこの子を、この指を!」
「うむ、これならば……」
『繋合結縛』
「よし、全て繋がったぞ! 次だ!」
セヒーリさんすげえな……何気なく治癒魔法を使ってるけど一発で繋げてる。今のなんて三本まとめて繋げたよな? 小指と薬指、そして中指と。やっぱ凄腕だわ。
「ここか。魔王殿がいるそうだな」
「カース君いるの?」
おっ、リキームさんとガスパール兄さんじゃないか。さてはセヒーリさんが伝言で呼んでくれたんだな。こんな時間なのに、ありがたいなぁ。
「リキームさん、こんな時間にごめんなさい。兄さんもごめんね。大急ぎでこの子達を見て欲しくてさ。」
「うむ、セヒーリから聞いておる。こっちの三人は私が見よう」
「では僕はこっちの二人を見ますね」
頼りになるじゃないか。そうなると私にできることは……魔力ポーションを飲むしかないな。飛ばしてきたから残り少ないし。
「おっ魔王殿、魔力を提供してくれるのか?」
「ええ、どうぞ吸っちゃってください。」
せめてこのぐらいはしないとね。
「ならば遠慮なくいただくぞ。魔王殿の魔力は濃密だからな。」
「私もいただこう」
「なら僕も貰おうかな」
セヒーリさんだけでなくリキームさんと兄さんも吸いにきた。そういや兄さんってどっかの村の村長的なポジションやってるんじゃなかったっけ? 後で教えてもらうとしようか。
それからわずか十五分。全員の治癒が終わった。全部繋がった子もいれば一本だけ繋がらなかった子もいる。そもそも以前に切断されたために元々指がなかった子もいた。すっきりしないな……でも、宮廷魔導士の皆さんには感謝だな。特急で時間外労働してもらっちゃったし。たっぷりお礼をしないとね。ジャンの奴もかなり感謝してるし。
やれやれ、ひと安心だよ。




