482、ドワーフの子供達
だが、今ならまだ間に合うかも知れない。オディ兄だって腕が切断されてから半日以上経ったけど無事に繋がったし。まあ、あの時は母上が必死に持たせたってことが大きいけどさ。
「一つ考えがある。指を切られた子供達と、その指を持って集まってくれるか?」
「指ならば、全て我が持っている。子供達もこの通りだ」
異様な光景だよな……ドワーフの子供達は指を切断されてるってのに……誰も泣きわめいてない。我慢してるって感じじゃないな……感情が死んでるって感じ? やっぱ商王の奴は殺しておくべきだったか……
ざっと十人。
「指が繋がる可能性が少しある。一緒に来てくれるか?」
「なっ!? 本当か! もちろん行くとも!」
よし。やるだけやってみよう。
「アレク、子供達を連れてバルバロッサに戻ってくるよ。その間ここの取りまとめをお願いできる?」
バルバロッサならリキームさんだっているだろうし。リキームさんがいなくても宮廷魔導士ならほぼ全員治癒魔法が使えるはずだ。
「もちろんいいわよ。任せておいて。」
「ありがとね。」
カムイはアレクの護衛な。コーちゃんもいざって時はアレクを守ってね。本当はアレクを残していきたくないんだけどさ。こっちも放置できないもんなぁ……
「ガウガウ」
「ピュイピュイ」
「ではジャン、行こうか。いったん外に出るぞ。」
「あ、ああ……」
じいちゃんやマックレスも気になるけど、まあ後回しでいいだろう。なんせ指が繋がるかどうかの瀬戸際だからな。可能性は低いけど。
やや駆け足でどうにか外に出た。すれ違う騎士や侍女などが驚いた顔してたな。地下の奴隷は何となく知っててもドワーフとは知らなかったんだろう。
「じゃあアレク、行ってくるね。」
「ええ、こっちのことは心配しないで。行ってらっしゃい。」
アレクの抱擁、そしてチークキス。嬉しいね。
では、ミスリルボードを出して……全員を乗せたら……
子供達が落ちないように……『風壁』
『浮身』
『風操』
『暗視』
全力でぶっ飛ばす。とっくに日が沈んでしまったが……やってやるよ。
「なっ、こ、これは……」
「魔法さ。魔の力にはこんな使い方もあるってことだな。」
ドワーフにも魔力はあるし、たぶん私達とは違うタイプの魔法を使うんだろうな。詳しくはまた今度教えてもらおう。今は全力でバルバロッサを目指さないとな。商都からだいたい北西だよな。一直線に向かいたいが正確な方向が分からないからな……
やっと着いた……体感で四時間。時間かかりすぎた。直線距離だと何キロルあるんだろ? あちこちさまよってしまったからな。もう完全に真夜中だ。こんな時間に訪問するのは気が引けるが、まあ仕方ないだろう。
いきなり正門内、玄関前に着地した。さて、どうやって開けてもらおうか……
「何奴か! と思えば魔王殿ではないか。驚いたではないか」
おっ、向こうから現れてくれた。イケオジ宮廷魔導士さんじゃん。この人なら話しやすいな。




