481、調停
他に気になってたのは陰刃とか唯我神会かな。だけど今となってはどうでもいいことだ。実はガリオウが知ってそうだしね。
「じゃあな商王。精霊の解放しっかりやれよ?」
「あ、ああ……」
「三日以内に終わらなければ商都が壊滅するからな。せいぜい急げよ?」
「わ、分かっておるわ!」
本当に分かってんのか? 今私が適当に言っただけなのに。
「じゃあ俺らは帰るからな。三日後にまた来る。その時に全ての精霊が解放されてなかったら……まあ覚悟しとけ。」
「う、うるさいわ。二度と顔を見せるでない!」
つまり、確実に精霊を解放するってことだな。まあ契約魔法が効いてるから逆らいようがないわけだけどさ。
そりゃあ抜け道はあるよ? あるけどこいつが気付くかっていうと微妙だよな。気付いても実行できるかって問題があるし。
「ところでこの部屋に昇降機はあるだろ? どこと繋がってんだ?」
「ワタシの自室だ……」
「そこだけか?」
「そこだけだ……」
ちっ。さすがに地下には繋がってないのか。素直に来た道を戻るとするか。ドワーフ達に知らせてやらないとな。
「あぁそうだ。俺らに手出し無用だってよく周知しておけよ? こっちはもう遠慮する理由がなくなったからな。」
「くっ……分かった……」
それでだいたい解決かな。あとはノミーデスが目覚めてくれたら終わりなんだけどなぁ。私の魔力がもう少し回復したら何とかなるかな? 明日になればもう二本ぐらい魔力ポーション飲んでもいいし。
「ピュイピュイ」
この近くでドワーフ達が暴れてるって? あぁ、子供達を救出するためにね。あっちだね。
あそこか。地下に戻る途中、騒がしい場所があった。騎士が何人も倒れてるな。
「おーい! ドワーフ達聞こえるか! 終わったぞ! そこまでだ。騎士どもも剣を納めな。」
「きっ、キサマぁ『狙撃』がっ……」
即死だ。ちょっと無駄遣いだけど構わんだろう。見せしめは大事だ。
「商王と話がついた。だから終わりだ。これよりドワーフは賓客として扱えよ?」
「カース殿、無事のようだな」
おっ、ドワーフのリーダーだ。ジャンビョルンゲイルだったか。
「そっちは無事じゃなさそうだな。怪我人を集めてよ。治すからさ。」
まあポーションをかけるか飲ませるだけなんだけどさ。
『狙撃』
「だからもう終わったんだって。無駄に死ぬことはないだろ?」
騎士がしつこい。向かってくる奴は容赦なく殺すぞ?
「くっ……」
「お前らとりあえず戻って上に確認してこい。もう終わったのかってな。」
「くっ……」
騎士どもはしぶしぶ引いていった。魔力を気にしなければお前らなんか敵じゃないってんだ。
「カース殿、我らより先に子供たちを見てもらえないか……」
「分かった。見せてく……マジかよ……」
これは無理だ……指が、切り取られてる……
「やはり、だめか? 指はこちらにあるが……」
「すまん……これは無理だ……」
いくら高級ポーションでも、切れてから時間が経ちすぎてると無理だ。母上やクロミのように凄腕の治癒魔法使いでもないと……




