473、再行動
再び遭遇した騎士を制圧し、尋問開始。
「お前の上役は誰だ?」
「き、きさまは……」
「そういうのいいから。いるんだろ? 隊長とか団長とかさ。第何騎士団の誰よ?」
「い、言うと思っ、ぎゃあっがっぐぅぅ……」
「カースが聞いてるのよ。さっさと答えなさい。それとも騎士の誇りを抱いて死ぬ方がいいかしら?」
アレクったら容赦ないな。剥き出しの顔、その頬にナイフざっくりとは。でも話せなくなったら困るぞ? ナイフを抜かずにゆらゆらさせてるし。
「は、はがっ、おごっ、ごごも……」
「喋りたくなったら言いなさい。あと三秒だけ待ってあげる。三、二、い「いっ、言うっごおっぼほっ!」あらそう。なら喋らせてあげるわ。」
おっ、ナイフが抜けてよかったね。危うく口が首まで裂けるところだったよ。
「だっ、第一騎士、団、第五分隊、隊長ハムシン様、だ……」
へー、第一騎士団ってまだ動いてたのね。
「アバグースはどうした? 団長のな。」
「へっ? そ、そんな上の方のこと、なんて……」
あー、そりゃそうか。
「まあいいわ。ならハムシンのところに案内しな。そしたらその傷治してやるよ。それにこいつもな?」
宝貨をチラ見せ。大好きだろ?
「わ、分かった……」
よろよろと立ち上がり、歩きはじめた下っ端騎士。
「他の騎士に出会ったら上手くごまかせよ?」
「あ、ああ……」
たぶん無理とは思うけどね。
着いちゃったよ……他の騎士とも結構すれ違ったのに、あいつら自分のことで精一杯って感じでこっちに目をくれないの。アレクほどの美女が歩いてるってのに。
「こ、この部屋だ……」
「ご苦労。上向いて口開けろ。」
「こ、こうあ……」
「吐くなよ?」
口の中にポーションを数滴。その後『永眠』
徹夜でお疲れだろ? しばらく寝てな。
では、ノックせずもしもし。入室。
「隊長いるかー?」
いない……早まったか。ならば仕方ない。部屋の中を捜索するとしよう。金目の物とか魔道具とかないかなー。まずは机の周辺から。引き出しの中とかね。
「あ、いきなり見つけちゃったよ。これって通信の魔道具だよね。ちょっと使ってみよっと。」
じいちゃんも持ってた黒い立方体。決まった相手とだけ通話できるんだったな。えーっと、どうやったら動くんだろ……おっ、一面だけ押せるようになってるのか。誰に繋がるんだろ……
『どうしたハムシン、あのガキは見つかったのか?』
聞き覚えのない声だな。こいつは誰なんだろう……
『捕まえました。今から連れていきます』
どこに行けばいいんだ?
『ほう? お前にしてはやるではないか。あの女もか?』
あの女? アレクのことか?
『そうです。えーっと、どこに連行しましょうか?』
『……牢獄に決まっているだろう……さっさと連れてこい』
『分かりました!』
クルークってどこだよ……仕方ない。あいつを叩きおこそう。
アレクに『覚醒』で起こしてもらった。現在はクルークとやらに移動中。どうやら牢屋のことらしい。罪人を一時的に閉じ込めたり、拷問をするための場所らしい。商王は私達を殺さないとか言ってたけど拷問はする気なのね。あーやだやだ。
「こ、この先だ……行ってどうする気なんだ……」
「ハムシンの上役がいるんだろ? アバグースじゃない奴で。心当たりは?」
「そ、それならたぶん憲兵隊の隊長様かも……」
ふーん。同じ隊長でも上下があるってことか。憲兵って騎士より上なのか。まあ怖そうなイメージはあるけどさ。
さて、カムイ。暴れてきな。上役っぽい奴はなるべく生かしておいて欲しいけど、まあ死んだら死んだでいいからさ。
「ガウガウ」
カムイは頼りになるね。後は静かになるのを待つだけ。ちょっと座ろう……ふう。
「な、何が目的なんだ……」
「んー、商王と話したいだけなんだけどな。あいつ逃げ隠れしてるじゃん? だから探してんだよ。」
「そんな……商王様に……」
「まあお前は気にしなくていいさ。素直に道案内してくれれば怪我すらしないだろうさ。後でご褒美もあるぜ?」
「あ、ああ……」
あっさり死んだ奴らに比べると破格の扱いだろ? こいつはラッキーだぜ。




