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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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469、月に叢雲

呼んできた。寝ぼけまなこのアレクはかわいいなぁ。ドワーフ達も呼んできたぞ。これで宴会スタートできるな。じいちゃんとマックレスも起こしたし。正直こんなことしてる場合じゃないとは思うけど、英気を養うのも大事だしね。頭の痛みが少しは紛れるといいんだけど……


「さあドワーフのみんな、飲んでくれ。そして食べてくれ。外に出るかどうかの判断はそれからでいいだろう?」


「カース殿と言ったな。我はジャンビョルンゲイル、ジャンと呼んでくれ。そちらは土の精霊ノミーデス様なのであろう? 本当に救い出してくれたのだな……心より礼を申し上げたい。本当にありがとう」


寝る前に話したドワーフとは別人か。もしかしてここのリーダー格?


「いいってことよ。とりあえず今は難しい話は後回しにして楽しもうぜ? 酒だってあるんだからさ。この酒だけど、長老は『命の水』だって言ってたからな。ほれ、かなり美味いぜ?」


「長老が? お、おお、ありがとう……こ、これは何という……うまいな……」


「だろ? この酒が飲めるだけでも外に出る価値があると思うぜ?」


まあローランドはアレクサンドル領セーラムに行かないと手に入らないけどさ。私達は来年行くつもりだけどね。アレクが自ら踏み潰した葡萄で仕込んだワインがあるからね。


「そうだな……ここにいては味わえるはずもない、そのぐらいは分かる……」


他のドワーフ達もセーラム産のワイン『ベゼル・ベイヤード』を飲んで黙り込んでしまった。上のドワーフ達とはえらく違うな。


「ん? トーア、お前は飲まないのか?」


「……当たり前だ……殺し屋が仕事中に酔っ払ってどうするんだ……」


ま、まともすぎる……なんというプロ意識! 殺し屋のくせに? 信じられない……


「あれ? 先輩も飲んでないじゃん。おじさんも……どうしたことよ?」


「あまり体調がよくないものですからね。それでも治ったのはカース殿のおかげだそうで。助かりました。ありがとうございます」


マックレスは上のドワーフにぼっこぼこにされたもんなぁ。運の悪い奴……でも意識が戻ってよかったね。依然として吟遊詩人モードは継続なのね。


「ひょひょ、カース殿が飲まぬのにどうしてわしが飲むことができようか。気持ちだけ受け取っておくでの」


じいちゃんは律義すぎるだろ……


「ピュイピュイ」


コーちゃんはもちろん飲むよね。ノミーデスを抱えたまま。あ、口移しで酒を飲ませてる。ノミーデスのサイズだといつもみたいに胃の中に直接飲ませるってわけにはいかないよね。


「ピュイピュイ」


あ、魔力ポーションも欲しいのね。ノミーデスに飲ませてあげるってわけね。偉いねコーちゃん。


「ピュイピュイ」


え……本当は私から魔力を吸った方が効果的なの? でもノミーデスは意識がないからそうもいかないわけね。おお、いつの間にか先ほど解放した他の精霊たちまで集まってるじゃない。


「ダーダー」

「ぎぃぎぃ」

「どーどー」

「ほーほー」

「ナーナー」


赤いトカゲちゃんに白い蜘蛛ちゃん。元気そうで何よりだね。私から魔力吸いやがったからなぁ……

おお、この五人も酒に群がってるよ。やっぱ精霊って酒が好きなんだなぁ。天空の精霊もスペチアーレ男爵の酒が気に入ったみたいだし。


「カース殿よ、なぜだ? なぜ我らを助けてくれるのだ? 貴殿は人間だろう? それがなぜ……」


ジャンか。まだ酔ったようには見えないが……


「こっちのおじさんに頼まれたから、かな。不憫に思ったのも理由の一つだけどさ。」


「オジサン……先ほどはカーサと言ってなかったか? それよりも、そのようなことで命をかけてくれたのか?」


「まあ、ね。外道が許せないって気持ちもあるけどさ。」


「すまぬ、ドワーフの方々よ。わしにはそれしか言えぬでの……」


じいちゃんたら本当にお人好しなんだから。王族がどうやったらこうなるんだ?


「ガウガウ」


えー、マジかよ……今から盛り上がってくるとこなのに。参ったな……


「おーいトーア。騎士団が攻めてきたらしい。お前って騎士団が相手でも戦えるか?」


「……当たり前だ。何人だ?」


「ガウガウ」


「三十人ぐらいだってさ。勝てるか?」


私は気分じゃないんだよな。頭が痛いし。


「……ここのような広場では無理だな……」


「ガウガウ」


「こっちの狼ちゃんが正面を担当するからトーアは後ろから適当に削れってよ。それなら得意だろ?」


「……ほう? 興味深いな……いいだろう。ならばお手並拝見といこうか……」


おっ、トーアが消えた。こいつ一人でも勝てるんじゃない?


「ガウガウ」


おう、頼むぜカムイ。塊肉を焼いて待ってるからな。


「か、カース殿、今のは本当なのか……」


「たぶんね。まあ気にしないでいいよ。ほれ、飲んで飲んで。」


「そ、そうか……」


ドワーフ達は心配そうな顔をしているが、まあカムイが突破されたら私が何とかするさ。それにしても騎士団か……えらく動きが遅い。さては色々と混乱してるんだろうね。あちこち壊してやったもんなぁ。あいつらだって寝てなさそうだしね。

はぁ、牛タン食べよ……

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