433、内紛
「アレク! 大丈夫!?」
駆けつけてみると……
「カース! マックレスが! ポーションをお願い!」
嘘だろ……マックレスが倒れてる……顔中血まみれで……
『浄化』……からのポーションぶっかけ!
そして……『水操』で無理やり飲ませる。
「こいつもだ! やっちまえ!」
「クソ人間が! 精霊様の身に何かあったらどうする気だ!」
「ぶっ殺してやる!」
こ、こいつら……
「やめろお前ら! 助けに来てくれた者に対して何をするか!」
「恥を知れ! それでも誇り高きドワーフ族か!」
「心まで奴隷に落ちてどうする!」
あら? 二つに分かれてる? というより人間排斥派は少数か。なのにマックレスはやられた……
「アレク、どう見る?」
「ドワーフ達に罪はないわ。罪があるのはこの八人てとこね。演奏中ってこともあって、さすがのマックレスも反撃できなかったみたいなの。あっという間にあの様よ。私も危なかったもの。」
「ガウガウ」
ほう。ありがとよカムイ。アレクの守りを優先してくれたんだな。いい判断だ。
「分かったよ。でもアレクが無事でよかったよ。」
本当によかった。アレクが無傷でさ。本当に……
「てめぇ! 横から出てきて仕切ってんじゃねえぞ!」
「人間のくせに調子に乗ってんじゃねえ!」
「ぶっ殺してやる!」
「やめろお前ら! 長老が判断することだろうが!」
「ドワーフ族の恥を晒すな!」
「人間以下にまで落ちる気か!」
あらあら、人間排斥派ったら囲まれちゃってるよ。それでも怯む気配はない。まあ無視だな。早くコーちゃんを探しに行きたいんだからさ。ドワーフのことはドワーフの間で解決してくれよな。人質には悪いけど構ってられないもんな。さらりと暴言も混じってるし。
「行こうかアレク。上に行く経路があるらしいんだよね。」
「ええ、ならマックレスは私に任せて。」
『浮身』
マックレスの傷は全て治っている。しかし目を覚まさない。ぎりぎりだったけど死んでないよな?
「ねえ、そこのドワーフさん。運搬場ってとこまで案内してくれない? 精霊は俺達が救うからさ。」
「お、おお、こっちだ」
「待てやおらぁ! 精霊様を救うだ!? できもしねぇこと言うんじゃねえ!」
「人間の分際でよぉ! できるもんならやってみろや!」
「ぶっ殺すぞ!?」
『麻痺』
さすがに相手にしてられないからな。二、三日痺れてろ。
「す、すまない……こんな奴らばかりじゃないんだ……」
「こいつらを止められなかった時点で言い訳のしようもないが……」
「運搬場はこっちだ。案内ぐらいしかできないが……だがいいのか? あそこはそれなりに警戒が厳しいが……」
「ああ。構わんよ。悪いけど案内頼むね。」
よかった。ドワーフを嫌いにならずに済みそうだ。まともな奴の方がだいぶ多い。つまりドワーフは民度が高いってことだろうか? 長老だって話しやすかったしね。
「ひょおぉ……カース殿、大丈夫だったかの?」
じいちゃんがようやく到着した。
「問題ないよ。じゃあ行くよ。おじさん乗って。」
「ひょっ? わ、分かったでの」
ここは広そうだからミスリルボードでもいいだろう。案内のドワーフも乗せて、ぶっ飛ぶぜ!




