425、地底の洞窟
岩盤の厚みはざっと三十メイルってとこか。いつかの地下トンネルではもっと長距離をくり抜いたものだが、たったこれしきの岩盤にえらく時間がかかってしまったな。
降りてみれば、もう夜だというのにしかも地下なのに明るい。アレクが『光源』を使ったからってわけじゃなさそうだな。照明の魔道具も見当たらないのに。
「ただの洞窟にしては明るいね。とりあえず道なりに進んでみようか。」
迷宮と違ってゴツゴツしてて歩きにくいけど。
「ヒカリゴケかしら? ここまで明るいのは珍しいわね。」
「そもそも僕らってあまり普通の洞窟は歩かないしね。」
普通じゃないとこばっかり歩いてるよなぁ。
「ひょお……城の地下はこうなっておったのか……」
「涼しくていいですな。湿気さえなければ快適に過ごせそうです」
湿気は楽器の敵だもんなぁ。マックレスも大変だわ。ちなみに現在楽器は私の魔力庫に入れてあるから傷みを気にすることない。
そんなことより、ここに奴隷の一族がいるんだろうか? 普通の人間ならこんな地下で日にも当たらないで働かされたんじゃすぐ死にそうな気がするが。
どうよカムイ? コーちゃんの気配を感じるか?
「ガウガウ」
さっぱり感じないのか……どこにいるんだよコーちゃん……
とりあえずチェックするだけしてみよう。
『魔力探査』
おおっ!? めっちゃ反応あり! 百人ぐらいいるんじゃない!? けっこう遠いな……それなのによく反応してくれたもんだわ。城の中とこの地下では何が違うんだろうね? 城の中はミスリルだらけってことしか分からんが……
「反応があったよ。このまま進もう。一時間も歩けば例の一族とご対面かな。」
「いよいよね。待遇を改善するなんてできそうにないから全員助け出すしかないわね。よかったですわね? カーサ様。」
「ひょお……まさかこんなことになるとはの……巻き込んですまなんだの……だがカース殿の行いにはいたく感謝しておるでの」
巻き込むっていうかもうがっつり自主的に参加したわけだしね。我ながらお人好しが過ぎるぜ。
「気にしないでよ。好きでやってることだしさ。」
それに二百年の約束を反故にされてるって話だし、さすがに許せんよね。そんな約束を信じて何世代にも渡って耐えてきたわけだろ? 自分らの代では無理だとしても子孫の代になれば奴隷から解放されるってさ。それを無視して働かせ続けてるわけだろ? ちょっと許せんよなぁ。
三十分は歩いただろうか。歩きにくいせいかあまり進んだ気がしないんだよな。幸いなのか追手も邪魔も来ないから呑気に歩けるのはいいんだけど……コーちゃんが心配なんだよなぁ。飛ぶには狭いから歩いてるわけなんだけど、無事だよな? コーちゃんに限って大丈夫だと思いたいが……
「ガウガウ」
この先に誰かいるって? おお、例の一族かな? 少し急ごう。
あれか? よく見えないな。
『遠見』
いた! 小さいぞ。子供か!? やけにごっつい気もするが……




