408、インターミッション
やれやれ。やっと客室に戻ったぞ。やたら広い上に案内もいないもんだから大変だったわ。来た時は十分ぐらいしかかからなかったのに。そんな時に限って誰にも出会わないし。もう夜だからか?
結局『魔力探査』でアレクの魔力を頼りにたどり着いた。はぁ、疲れた。
「おかえりなさい。あら、カースにしては苦戦したの?」
「ただいま。そうなんだよ。魔法なしでやったからさ。いやぁ疲れたよ。」
「さすがカースね。疲れてない?」
「疲れてはないけど実は手首がすごく痛いんだよね。ポーション飲ませてくれない?」
魔力庫から取り出す。しかしポーションですら持ちたくない。
「カースったら甘えん坊さんなんだから。待ってて。」
アレクは手ずからポーションの蓋を開け、口に含み、そして……
「……っふぅ……ありがとね。最高のポーションだよ。あ、手首に少し塗ってくれる?」
「ふふ、よかった。任せておいて。このぐらいかしら。」
アレクはポーションを傾けて左の掌に垂らし、私の手を取る。そして優しく塗り込んでくれた。あぁ……痛気持ちいい。マッサージも兼ねてるね。
「ひょひょ、カース殿でも手傷を負うこともあるのだの。何にしても無事に戻ってきて何よりだの」
「いやぁ心配かけたね。手傷ってほどでもないしね。ちなみにおじさんも先輩も今夜のところはこの部屋で休んだ方がいいよ。一人になると何されるか分かったもんじゃないからね。」
「ひょひょ。アレクサンドリーネ殿が救い出しカース殿が価値を認めてくれたこの命、粗末にはせぬて。まだまだマックレス殿の歌も聞きたりないしの」
「ありがとうございます。カーサ様にそこまで言っていただけるとは。ならば私も、私の全ての曲をカーサ様に聞いていただくまでは死ぬわけにはいきませんな。すまぬがカースよ、今しばらく世話になりますよ」
マックレスはいつまで吟遊詩人モードなんだろうねぇ。寝言までそうだったら尊敬するけど。
「いいよいいよ。商王に用が済むまでは全員一緒の方がいいよね。とりあえずベッドの代わりは……『水壁』これ使って。毛布はこれね。」
シュガーバとアッシリがどこかの村でゲットしたやつがある。本当はベッドもあるけど、さすがにここには出せるほどのスペースが無いからね。
私とアレクは普通に寝室で寝るが、じいちゃんとマックレスが寝る場所にはカムイもいることだし、多分安全だろう。
「ガウガウ」
おう。頼むぜカムイ。
「じゃあ二人とも今夜のところはここで寝てね。カムイがいることだし安心して眠れると思うよ。」
「ひょひょひょ。心強いことだの。よろしくの、カムイ殿」
「ガウガウ」
それはそうとコーちゃんはまだか? 少し心配になってくるじゃないか。ここは広いから分からんでもないが……大丈夫かな?




