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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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106、ヤシ族のツオファーイ

『暗視』


ジジイは右手に革っぽい手袋をしている。何それ?


「伏せろアッシリ!」


「はっ!?」


シュガーバの声でとっさに伏せたアッシリ。へー、頭頂部が少し切れてるじゃん。カッパハゲはどうにか免れたようだ。十円ハゲぐらいで済むか?


「ほっほっほ。シュガーバとか言ったの。さてはカラバのボーイェ幹部か? ワシのストリングエッジを知っておるようだの」


なるほどね。見えないけど分かった。刃鋼線だな。闇ギルド連合の元会長クソ針も使ってたもんな。


「よおく分かったぜ。ジジイ……てめえヤシのツオファーイだな?」


お互い顔は知らなくても名前は知ってる間柄ってわけか。


「いかにも。ヤシ族ボーイェのツオファーイだとも。カラバ族ボーイェの部隊長(キャフィティン)シュガーバよ」


えーっと……ボーイェってシュガーバ達の組織名だったか。バルバロッサで言うところの草番衆みたいなさ。で、キャフィティンってのは隊長的な意味だっけ? 固有名詞で会話されるとさっぱり分からんぞ……


「けっ、こんな時間にぞろぞろ歩きやがって……ヤシ族のボーイェは大胆な真似するじゃねえか」


「大胆なのはお主らの方よ。このような目立つ場所で焚き火などと。見つけてくれと言っておるようなものよの」


「ちっ、おい魔王……どうすんだよ? このジジイはしぶてえぞ?」


ここで私に振るのかよ。いつの間にやらジジイの後ろには隠密っぽいのが二、三十人。これ明らかに私達を攻めるためじゃないだろ。コナクライあたりを目指して進んでたんじゃないの?


「ほっほっほ。マオウと言うのか、そちらの小僧は。なぁに、別にお主らの命が欲しいわけではない。話を聞かせて欲しいだけだとも。色々と、じっくりとのお?」


このジジイ魔王の意味分かってないだろ。


「その辺はお互い様だな。俺も別にお前らの命なんか要らないぞ? ただ正直に話して欲しいだけさ。さっきも言ったよな?」


「ほっほっほ。勘違いするなよ小僧? 質問するのはこちら。答えるのはお主らだ。今すぐ死にたくあるまい? 見ればおぼこい女子(おなご)までおるではないか。我らの慰みものになってもよいと言うのかえ?」


『榴弾』


「がっ!?」

「げっ!?」

「ぎっ!?」

「ぐっ!?」

「ぼあぅ!?」


バカが。せっかく真摯に対話してやってたのに。その発言はアウトだぜ?


「なっ……何をした小僧……」


ジジイ以外はほぼ全滅。下半身を狙うなんて真似はしてない。ジジイとその後ろにいた奴ら以外は全身穴だらけになった。


「こいよジジイ。その何かとかエッジを使ってみろよ。」


「なめるな小僧ぉ!」


『金操』


「なっ!? そん……」

「なぜ……ツオファーイさま……」


「バカな! ケイサ! ラッカ! なぜだぁ!」


ジジイの武器で仲間の腕が飛ぶ。刃鋼線系の武器って私とめちゃくちゃ相性がいいんだよな。目に見えないぐらい細いから操る魔力は極小で済むし。当然ながら細いせいで制御はやや大変だけどさ。


「残りはお前だけだ。大人しく喋るなら命は助けてやるぞ? まだ生きてる奴らも見逃してやってもいい。」


氷弾(ひだん)


おっと、アレクの魔法だ。おおかた瀕死のくせにナイフでも投げようとしたんだろ。甘いな。私達が見逃すわけないだろ。


「一人死んだな。まだ生きてる奴はいるんじゃないか? 今なら助かるかも知れんなぁ?」


『金操』


「なっ!? こ、小僧……!」


「首に巻きつけた。自分の武器で首を飛ばして全員で死ぬか、素直に喋るか。好きな方を選びな。おっと、例外は……」


『氷弾』


「無駄な抵抗をする奴は先に死んでもらうだけだ。」


「ガウガウ」


ほぉう。さすがカムイ。よく分かってんじゃん。行け。後で手洗いとブラッシングしてやるから。


「ガウガウ」

「バウ」


調教(テイム)した動物だけでも逃がそうとしたみたいだが、残念だったな。あいつから逃げるのは無理だ。さて、では時間稼ぎに付き合うのもここまでだ。三つ数える間に返事しな。」


逃すってより助けを呼ぶためか?


「くっ……こ、小僧……」


「三……」



「二……」



「い「まっ、待て! はなっ『狙撃』すっ……」


「お前の返事が遅いから一人死んだぞ? で、話すのか?」


「は、話す……」


「だったら約束だ。お前と致命傷でない奴の命は助けてやる。だから俺に絶対服従しろ。」


「は、それは、約束が違う……」


へぇ。しぶといジジイだなぁ……そもそも契約魔法のことなんか知らないだろうに。それでも警戒してるんだろうなぁ。散々魔法を見せてしまったし。


「だから致命傷じゃない奴の命を助けてやるって言ってんだ。素直に喋るってだけなら助けてやるのはお前一人だぞ?」


「そん、な……」


当たり前だろ。他は見逃してやってもいいとしか言ってないんだから。


「選べ。お前一人か、致命傷でない全員か。」


ローランドの高級ポーションなら致命傷でも治せそうな気がするが、それは言わない。こいつらに使ってやる気がないからね。


「ワシを、助けてくれ……」


マジかこいつ……全員見捨てやがった……

まあいいや。


「では約束だ。俺の質問に正直に答えろ。そしたらお前の命は助けてやる。」


「分かっがぁあああああっああっ!」


よしかかった。絶対服従でない以上は警戒を解けないけどな。やれやれだ……

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― 新着の感想 ―
[一言] 「魔王」を知らなかったんですね。
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