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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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101、山頂の宴

肉を焼き始めたら、いつの間にやらカムイも現れた。どうやら岩壁を上下にではなく左右に散歩していたらしい。器用な真似を……

どうも山頂に魔物の気配を感じたものの、そんなに強くなさそうだから気を遣って登らなかったとか。カムイにしては珍しい。ワイバーンが美味いことぐらい知ってるだろうに。


あらま、本当だ。ワイバーンが隅っこに寄って身を小さくしつつ食べてるじゃん。カムイのヤバさがちゃんと分かるんだな。私の言うことも分かってたようだし、知能が高いんだろうか。魔力は低いのに。

あ、よく見ればカムイが舎弟にした野良犬も一緒か。こいつもカムイの舎弟になったばっかりに無茶な散歩に付き合わされて大変だよなぁ。まあがんばれ。私を追跡したのが運の尽きだな。恨むなら元の飼い主を恨め。


本当はシュガーバに調教(テイム)させてカラバ領の情報ゲットに使う予定だったのに……


「ブオオオ!」


今度は何だようるせぇなぁ。

ああ、野良犬がお土産を食おうとしたのか。海の幸はどちらにとっても珍しいからな。ワイバーンもカムイには文句言えないのに舎弟には言うんだな。

あらら、野良犬ったらカムイの後ろに回り込んで何やらクゥンクゥン言ってる。カムイに伝わってるかは謎だが。で、カムイはこちらに向かって顎をしゃくった。お前は焼いた肉を食ってろと言ったのだろうか。生の海の幸も旨いが、焼いた山の幸も旨いんだぜ?


「ほら、お前らもさっさと食え。腹へってんだろ?」


「お、おお……」


「食べます……」


肉のお供はワイン。ベゼル領でどっさりゲットしたからね。飲み放題だ。


「これは好きに飲んでいいからな。」


「お、おお……飲むわ」


「飲みます……」


でも飲みたいなら各自で掬って勝手に飲んでね。汲んでやるほどサービスはしないぞ。コーちゃんはいつものように樽にダイブしちゃったよ……肉は食べないのかい? いきなり酒なんて体に良くないのでは……? 今さらか。




「なあ魔王よお……」


「なんだ?」


シュガーバの奴もう酔ったのか?


「なんでオレらなんかにこんなに良くしてくれるんだよ?」


「別に良くはしてねーよ。普通だ普通。」


実際外で寝かせてるしね。シェルターにも風呂にも入れてやってない。風呂ぐらいはそのうち入れてやってもいいかな。


「はあーー!? これが普通だとお!? ローランド王国ってのはどうなってんだよ!?」


「知らねーよ。俺はやりたいようにやるんだよ。心配しなくても用が済んだからって殺したりはしないさ。お前らにはまだまだ働いてもらわないといけないからな。」


ローランド王国でも奴隷の扱いが酷い奴は酷いけどね。そんなのどこの国でも同じだろ。こいつらって自分より下の者は遠慮なく虐げてるんだろうなぁ。


「そういや遊びに来たって言ってたな。つまり金持ちなんだろ? なあ? そうなんだろ!?」


「そうでもないぞ。国を出発した時点で有り金をほぼ全部使い果たしたしな。」


嘘じゃないよ。ギルドの口座にだってほとんど残っちゃいない。金貨も銀貨もきっちり使ったもんな。


「じゃあアレだ! お前の両親が金持ちなんだろ!」


「うぅむ……それは分からん。いや、むしろ金の匂いはしないなぁ。少なくとも金持ちじゃないと思うぞ。」


「本当かよ……」


「お前ごときに嘘つくわけねーだろ。」


金を持ってないのは本当だしね。両親が金持ちでないのもたぶん本当。私が知らないだけかも知れないけどさ。


「そうかよ……金持ちなら魔王のところで雇ってもらいたかったんだけどな、家族でな……」


「雇うねぇ……そりゃあ仕事を用意することぐらいできるけどな。ただし報酬がどうなるかなんて分からないぞ? むしろお前ならバルバロッサに行けば大歓迎してもらえるだろうぜ?」


もちろん本当。でも、やはり給料がどうなるかなんて知らないけどさ。


「本当かよ……その時はマジで頼む。いいよな? な?」


「紹介するだけな。バルバロッサでもローランドでも、お前の好きな方をな。」


「た、頼むからな!」


契約魔法が効いてるだけあってめちゃくちゃ正直だねぇ。部族への忠誠心なんか全然ないのね。自分と家族のことしか考えてない。でも家族が助かるかどうかは分からないけどね。


「ブオオ……」


ん? 遠慮がちな声が聞こえてきたぞ? ワイバーンのくせに何こちらをちらちら見てんだ?


「ガウガウ」


ああ、酒が欲しいのか。ワイバーンのくせに贅沢な。つーかワイバーンならワイバーンらしくストレートに言えってんだ。カムイ経由じゃなくてさ。


『水操』


ワイバーンにワインは贅沢だが、少しだけ飲ませてやるよ。おまけに芥子毒牙虫(ケシドクガモス)の二級品もサービス。これならかなり飛べるだろ。ワイバーンだけに。


「ブワォオオオオオ!」


「ガウガウ」


喜んでるって? カムイお前よくワイバーンの言葉が分かるな。そういうのって大抵コーちゃんの役目なのに。でも、喜んでるなら問題ないな。今夜一晩ここに泊まるわけだからさ。勝手にシェルター置いてさ、寝てる間に落とされでもしたら大変だからな。

いくら私達でも寝てる間にシェルターごと落ちてしまったら、目が回りまくるだろうな。酷く酔ってしまいそうだ。いや違う。最近は寝る時に自動防御を張ってないから普通に死んでしまう。

それにシェルターだって壊れるだろうしなぁ。いくらブルーブラッドオーガの猛攻に二十四時間耐えられる設計とは言え、これほどの高所から落ちたら無傷で済むわけないもんなぁ。


それにしても……シュガーバとの話の切れ目に遠慮がちな声を出すワイバーン……

魔物のくせにえらく空気が読める奴だなぁ。びっくりだよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何だか不思議な集まりですね。
[一言] ワイバーンw犬に見えてきたw
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