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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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90、お使いカース ※

まあ折衷案がないこともないが……


「報告書だけ届けてやろうか?」


「いっ、いいのか!?」


「あまり気が進まないけどな。時間稼ぎにはなるだろ。当然だが助けにもなるよな?」


「あ、ああ! 充分だ。助かる! ありがとうありがとう!」


これにてお助けはほぼ終了。後は知らん。報告書の内容次第でアッシリの家族も助かるだろ。この場さえ凌げば後のことなんて知らん。家族を救うだなんて面倒なことをしなくて済むってもんだ。ふふふ。


「じゃあどこかで書け。ここらは狭いし、まだ行く気はないからな。もうしばらく歩くぞ。この先ってどうなってんだ?」


「もう四時間も歩けば山に差しかかる。山越えに二日ってとこだな」


だっる……こんな狭苦しい獣道を四時間だと? 虫だって多いし。山には期待してしまうが……


「その山って頂上からの眺めはどうだ?」


「眺め? 頂上なんて行ったことがないから分からないぞ? 山を越えるとは言ったがわざわざ頂上なんか通るわけないだろう」


そりゃそうか。適当に迂回するわな。だから二日かかるのか。


うーむどうしよう……頂上を通らないのならこんな面倒な道を歩く意味がない。こんな狭苦しい道でもいずれ頂上からの景色を見るためだと思えば楽しく歩けるのに。

よし、予定変更。


風斬(かざきり)


「どうしたのカース?」


「気が変わってさ。ちょっと一人でカラバまで行ってこようかと思ってさ。」


よし。広くなった。魔力庫からテーブルを取り出してと。


「おいシュガーバ、ここで報告書を書け。今日中に届けてやるからさ。」


「あ、ああ、分かった」


これでいい。


「アレク、悪いんだけどコナクライで待っててくれない? こいつを届けたらすぐ帰ってくるからさ。」


「一緒に行きたいところだけど、カースは一人で行きたいのよね?」


「うん。分かってくれると思うけどアレクが一緒だとめちゃくちゃ目立つからさ。」


太陽を隠し切れるものかよ。絶対注目されるに決まってる。そして余計なトラブルが発生するのがお約束だからな。普段ならそれでも全然構わないけど今回は届けて終わりにしたいからね。


「分かったわ。でも早く帰ってきてね?」


「もちろんだよ。今から出れば夕方には戻れると思うんだよね。」


迷わず到着できればの話だけど。とりあえず魔力ポーション飲んどこ。ぐぅ……まっず……




「書けた。これをカラバの街外れにある『ギヤバー』って酒場の店主に渡してくれたらいい」


「渡せば分かるんだな。一応聞いておくが余計な暗号なんか仕込んじゃいないだろうな?」


「当たり前だ。コナクライの状況を報告するだけだ。シュガーバから頼まれたとでも言えばいい」


鳥が届ける距離を期日前に人間が届けたら怪しまれるが、そんな事情が私に分かるはずがないからな。難癖付けられるかも知れないが知ったことじゃない。後でシュガーバの立場が悪くなろうが急場を凌げばいいよな。


「いいだろう。この件に関して隠し事はないな? 呼び名とか符牒とか、俺が知ってたらおかしいこととかさ。」


「ない。シュガーバから白い粉の取引を対価に頼まれたと言えば納得するはずだ。逆にどれだけオレに見込まれたのか試されるかも知れないが、お前なら楽勝だろう?」


なるほどね。シュガーバはこれでも組織の幹部なわけだから、そんな奴の報告書を届けるとなると無駄に一目置かれる可能性もあるわけか。まあ私としては何も知らないと言うだけだがね。


「分かった。いいだろう。じゃ、預かっておくぜ。」


「頼む」


では、次は地図の打ち合わせだな。幸いシュガーバの奴が紙を持ってやがるし描いてもらおうじゃないの。絶対服従だからね。




分かりにくっ……何これ……目印がないじゃん。ぐねぐね曲がった街道と山と砂漠しかない。こいつの脳内地図はこうなってんのか……

逆に街の地図は分かりやすい。お目当ての酒場は城壁の外か。渡しやすくていいじゃん。街まで迷わず行ければやはり夕方までには余裕で帰ってこれるな。


「カラバだけどさ、ここからだとだいたいの方角はどっちなんだ?」


「たぶん南東だ。お前飛ぶんだろ? だいたい南東に飛んで最初に見えた大きな街がカラバだと思えばいい。小さい村はいくつもあるけど城壁があるのはあの辺だとカラバしかないからな」


「もしこれが見えたら行き過ぎとかってないのか? 巨大な岩とか大きな湖とかさ。」


「あー……カラバから南に数百キロルも行けばそこそこ大きい湖はあるが、さすがにそんなに行き過ぎるかあ?」


「念のためだよ。気付かずどこまでも行きたくはないからな。お前らの国にも首都だってあるんだろ?」


部族の集合体って感じだけどさ。


「もちろんあるが……行ったことはない」


ふーん。


「じゃ、アレク。行ってくるね。何かあったらこいつらを盾にしてね。」


こいつらにはアレクに絶対服従するよう言ってあるし。


「ええ。いってらっしゃい。」


そしてほっぺにチュッ。いつされても素敵な感触だなぁ。ふふっ。


カムイ、アレクを頼むぞ。


「ガウガウ」


コーちゃんは一緒に行こうね。コーちゃんと一緒なら例えカラバに着けなくてもカムイがいる所に戻ることはできるからね。


「ピュイピュイ」


『浮身』

『風操』


では、南にかっ飛ぶぜ。私とコーちゃんだけなのにミスリルボードを使うのは贅沢な気もするが、やっぱ長距離を飛ぶ時はこれに乗っておかないと落ち着かないんだよな。スーパーマンスタイルで飛ぶ方が速い気はするけどさ。まあ気にせず行こう。久々の弾丸ドライブだしね。最高速トライアルしちゃうぜ?

挿絵(By みてみん)

カラバ周辺

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― 新着の感想 ―
[一言] 最高速出したら通り過ぎちゃうんじゃないの。
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