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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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89、コナクライを離れて

コナクライの街を後にした。街道と言えるほどの道はもうない。人間二人がどうにか横になって歩ける程度の幅しかない。獣道かよ……


シュガーバから詳しく話を聞いてみた。道が狭いから喋りにくいけど……

こいつらの組織『ボーイェ』はカラバ領の憲兵的な存在らしい。憲兵的な存在とは言っても表立って兵士を取り締まるわけでなく、必要な時に備えて情報や弱みを集めておくらしい。仕事は多岐にわたるし部署によって違うみたいだし、結局は諜報機関ということになるのかな。


「だから今回みたいに領内を遠く離れる時は期日までに帰るか報告を入れないと失敗や逃亡と見做されて家族が殺されるってわけだ」


「それでも逃亡する奴はいるんだろ?」


「いるわけないだろ! 家族だぞ!? 家族の命がかかってるんだぞ!? そんな人でなしなんているわけないだろ!」


えらくムキになってんな。


「お前らって家族を人質にとったら何でもするのか?」


「当たり前だろう。それがオレたちカラバ族の誇りだからな」


当たり前じゃねーだろ……なんて操りやすい奴らなんだ。


「じゃあお前らの部族で一番偉い奴も家族を人質にとれば言うこと聞いてくれるのか?」


「ばっ! バカな真似はやめろ! そんなことしてみろ! きっとよくないことが起こるぞ!」


「どんな?」


「わ、分からん! 分からないが危険だ……カラバ族の頭領サールーキ様は怒らせてよいお方ではない。下手な真似はしない方がいいぞ……」


「会ったことないのか?」


「あるわけないだろう!」


はっはーん、なるほどね。こいつらの部族ってそんな風にイメージ戦略で下の者を動かしてるわけね。家族は大事にするのが当たり前だし、頭領はすごい存在だから絶対に逆らってはいけないとかさ。だったら人質なんかとる必要ないだろって話になると思うんだけどな。まあいいや。


「それよりお前らの領地までは二十日ぐらいかかるんじゃなかったか? それをあと四日以内に報告しないと家族が殺されるって、どうする気だ?」


砂潜鴉(サバクロウ)に報告させるつもりだったが、お前に殺されてしまったからな……」


さばくろう? 初耳だな。こいつが使ってた鳥のことか。


「もしかして昨日の夕方に仕留めた鳥のことか?」


「そうだ。あんな遠距離から攻撃されるなんて思ってもみなかったからな」


怪しかったからとりあえず撃っておいたんだっけな。


「たかだか五百メイルぐらいだろ。それぐらいお前でも当たるって聞いたぞ?」


「だからだ。今までその距離で当てられる者を自分以外に見たことがなかったからな」


そりゃそうか。分からんでもないね。


「それはまあいいけど、要はあと四日以内に報告しないと家族が殺されるわけだな? でも報告したらアッシリの家族が殺されるんじゃないのか?」


私はどっちでもいいけど。


「そうだ。だからオレはオレの家族を助けたい。アッシリも自分の家族を助けたい。どうしたらいい?」


知るかよ……


「別に両方助けてもいいけどお前は対価は何にするんだ?」


アッシリからはコーヒー豆を貰うからな。


「これ、でどうだ……オレの相棒、最高の武器だ……」


そんな辛そうな顔して差し出されてもなぁ。


「いらん。他には? コーヒー豆とかケイダスコットンとか、食う物か着る物がいいな。」


メタリックサンドスライムから作られた弦だっけ? 私には必要ないもん。


「くっ……なっ、なら気分がよくなる粉はどうだ!? いつ使っても構わないが夜の楽しみに使うと最高の気分になれるぞ! 使いすぎると危険ではあるが……」


「ピュイピュイ」


そうだねコーちゃん。南の大陸産の白いお薬は高級品だったね。今となっては山岳地帯の芥子毒牙虫(ケシドクガモス)の方が効果は高いだろうけど。それでもコーちゃんは色々と楽しみたいタイプだもんね


「いいだろう。ただし、品質によっては他の対価を用意させることもあるからな。あと量もだ。現物を見てから判断するからな。」


「わ、分かった……どうか頼む……」


「で、お前が正直に報告したらアッシリの家族が殺されるんだろ? そこら辺は上手くやってやれよ? コナクライは特に何事もなく平和だったとか、アッシリ達はよくやったとかってさ。」


「あ、ああ。そうしよう」


こいつらって自分のことしか考えてないよな。今だって私が言わなければ普通にアッシリの家族を見殺しにする気だったろ。家族が大事とか言いつつ仲間は無視か。つーかシュガーバから見たらアッシリなんて下っ端も下っ端なんだろうな。アッシリにしたって殺されるのは自分の家族だけじゃないだろうに。他にもう四人ほどいたよな? そいつらの心配はしないのかよ。好きになれない部族だわー。


「家族は助けてやるが、その後のことまでは知らんからな。」


「あ、ああ。それで充分だ」


本当に分かってんのか? 『助ける』がどこまでを想定してるのかは知らないが、私は後先考えてないぞ? あまりやりすぎるとバルバロッサに入る香辛料やケイダスコットンに影響が出るのかも知れないけどさ。


「今日中にお前をカラバ領に連れていくことはできる。できるけどいいのか? 本来なら鳥で報告する予定だったんだろ? それを本人が帰ってもさ。それって大丈夫なのか?」


「あ……そ、その通りだ……お、オレはどうしたらいいんだ……」


やっぱこいつ目先のことしか考えてやがらねぇ……それでよく幹部なんてやってられるな。

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― 新着の感想 ―
[一言] コーちゃんがお薬好きで良かったね。
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