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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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301、ラマルクから王都へ

さあ、依頼は何だい? 恥ずかしがらずに言ってみな?


「私らを王都まで運んでください! そして、交渉が終わるまで護衛を頼めないでしょうか!」


全力で頼りにしてきたな。ここまで思い切ったお願いをされるのは嫌いじゃない。護衛を二人連れてるが、恥も外聞もなくって感じだな。


「金貨百枚でいいよ。後払いでいいさ。さっきの話からすると余裕で払えるだろ。」


「そ、そんな……い、いや、払う……払ってみせる!」


「よし、依頼成立だ。では約束しようか。お前達を期日までに王都に運ぶし交渉が終わるまで護衛をする。だから報酬は金貨百枚いただく。もし払えない時は相応のワインを貰う。いいな?」


なんて親切な条件だろうね。ただの護衛なら金貨百枚は多すぎるが、王都まで運ぶことが条件に入ってるからな。全然高くない。こいつもちゃんと分かってるみたいだな。時は金なりってさ。


「あ、ああっおおおっがはっああ……ふぅ……これが……魔王の契約魔法……」


「じゃ、行こうか。日暮れまでには王都に着くだろうさ。」


『氷壁』


「な、なんと……わ、分かったよ……どうかよろしく、頼む……」


頭が追いついてないのだろうが、それでも再び馬車を氷壁上へ移動し始めた。えらいね。実際には日暮れどころかもう一時間もあれば着くよな。ここだって広い意味では王都だし。そう言う意味ではこいつ甘いよな。王都のどこどこまで言わないと依頼が途中で終わっちゃうぜ? あ、だから騙されるわけか。お人好しは商人に向いてないのかねぇ。


それじゃあ行こうか……ん? あれは騎士か? 近寄ってくる。別に無視して出発してもいいけど、一応待っておいてやるか。


「失礼します! 我らはここラマルクの警備を担当する王国騎士団の者です! かの魔王殿とお見受けし一言でもご挨拶させていただきたく馳せ参じました!」


へー、こっち側はラマルクって言うのね。それにしても王都の騎士がよく私の顔を知ってたな。


「そりゃどうもご丁寧に。よく俺のこと知ってたね。」


「王都の動乱のみならず慰霊祭やクレナウッド国王陛下の即位式でもお見かけしましたもので! ぜひ握手をお願いします!」


あー、そりゃそうか。間近で見た者だっているだろうし。嬉しいパターンだな。珍しいこともあるもんだ。


「いいとも。」


「ありがとうございます! ハッシュ・ド・パピリアです!」

「ヒーストリア・ド・エモリエです!」

「フランク・ド・シーナドラです!」

「ヘンリク・ド・ボルボリシアです!」

「ボノ・ド・ユーストフです!」


さすがに覚えきれないぞ……


「警備がんばってね。」


「はい! ありがとうございます!」


本当に握手だけだった。万が一の可能性も考えて密着型自動防御はしっかり張っていたのに。


「じゃ、俺達はこれで。またね。」


「はい! 行ってらっしゃいませ!」


ごつい男達にそう言われてもなぁ。悪い気はしないけど。




王都外縁部。地理的に王都と呼ばれるエリアは東西に二十キロル、南北に十八キロルほどあり高さ三メイル程度の石垣に囲まれているんだったか。ここから中心部に近づくほど城壁は強固かつ高くなっていくんだよな。この外縁部って畑や牧場など、よくある田園風景が広がってていい感じなんだよね。とても国王が住む都市といった風情はないよなぁ。


「も、もう……こんなところまで……」


一時間かかってない。のんびり歩くはずだったのになぁ。別にいいけど。


一般的に王都と呼ばれるエリアは八キロル四方の城壁、第一城壁に囲まれたエリア内を指すんだったよな。だからその前に降りないとね。外縁部の石垣は通行自由、門番もいない。しかしこの第一城壁から内部に入るためには城門での手続きが必要となるもんな。今回東の貴族門から入れるのは商人にとって思わぬ幸運だろうね。待ち時間ほぼなしだもん。門番からしても貴族の馬車に城門でうろうろされたらどんなトラブルが起こるか分かったもんじゃないからな。さっさと行ってくれた方が気楽でいいよね。

例えば、馬車の車輪や外壁を磨いて駄賃をねだろうとする子供とかね。あれって第二城門なんかだと見かけないんだよな。普通に取り締まられるんだろうけどさ。そんな子供たちが恐れ知らずにも貴族の馬車に触れようものなら……運が悪ければ丸焼きにされるんだよなぁ。汚い手で触るなってことでさ。うーん、どっちもどっちなのかな……


改めて思うけど、一番内側を第一城壁と呼ぶクタナツとは逆だねぇ。クタナツだと一番外側は第三城壁なのに。完成した順かな?


「さて、いきなりお目当ての場所に行くのかい?」


「いや、まずは仕入れたワインを納品しないといけないからな……寄り道をさせてもらう。それから昼食にしよう」


「分かったよ。」


ワインを納品……普通に考えればどこかの問屋あたりか。王都の商会ってほとんど知らないんだよなぁ。気になるのは、いきなり行って金貨三百枚もの大金を用意してあるものなんだろうか。それとも、そんなこと問題にならないほどの大商会? そもそも取り引きって現金で行うものなんだろうか?道中の会話がてら聞いていいが、一応は護衛だからな。世間話以外は慎むとしよう。普通逆な気もするけど……


「ここだよ。裏に回るからちょっと待っててくれ」


あらま! ここかよ! そりゃあワインを欲しがってもおかしくないわな。ふーん、意外な人脈を見せてくれるじゃん。

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― 新着の感想 ―
[一言] 納品はするにしても対価は…ですね。
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