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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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293、この任務が終わったら

そんな感じでフェインと話していると、アレク達が執務室へとやってきた。風呂上がりのアレク。髪があまり乾いておらず、顔だって赤らんでいる。かわいいよなぁ。


「アレク、ここに座って。」


「え、ええ。」


背後からアレクの髪を指で梳きながら……『微風(ほのかぜ)


「あ……これ好きぃ……」


ふふ、後ろからでも分かるぜ? アレクの顔がとろけてるのがな。温風ドライヤー兼頭皮マッサージ。アレクはこれが好きなんだよな。だからたまに髪を乾かさずに風呂から上がってくる。かわいい子だぜ。




アレクの髪が乾く頃、四人での話し合いも終わった。まあ、話し合いってよりはただの雑談だけどさ。


「というわけでこの任務が成功したらロキサーヌとの結婚をモーガン様にお願いにあがるつもりなのです」


「えへへへっ! うふふふっ! へへへーー!」


くねくねすんな……


「まあ! よかったわねロキサーヌ! おめでとう!」


「えへへへへ! ありがとうございますぅ!」


高慢な貴族令嬢の顔でそのセリフは面白いな。


「魔王殿の話ですと、モーガン様がお帰りになるのもそう遠くないと思います。任務終了も目前、最後まで油断せずにいきたいと思います」


「それならこれ、ほんの気持ち。結婚祝いってことで。」


金貨を十枚。私が出す祝儀にしては少ないが、そもそもこいつらは今回の件が初対面なんだしこんなもんだろう。モーガンに色々と世話になった分ほど色をつけたんだぞ?


「んまあ! 魔王様こんなに!? ありがとうございますぅ!」


「魔王殿は懐が大きいと聞いていたが、本当だったか……ありがたく頂戴いたします」


「ああ。お幸せにな。」


後はモーガンが帰ってきて、ボルドラの扱いを決めたら終わりか。三女は外交の駒にできそうだけど偽ガストンはもう用なしだから鉱山行きかな? その辺も含めてモーガンが判断するだろう。その結果、ダミアンにとって有利になるか不利になるかは……分からんな。ドストエフ兄貴とアレクサンドル家の二男との関係次第なんだろうか。




その後、四人で夕食。旨い酒、旨い料理。どうやらボルドラも景気がいいらしい。


「だーかーらー! ヒック! 高慢貴族の演技なんて私無理なんですって! ヒック!」


ロキサーヌが酔っちゃったよ。任務成功が目前なんだから気を緩めちゃあだめだろ。でもこれだけ酒が旨いと飲むのが止まらないのは分からんでもない。


「こいつ付きのメイドちゃん達なんか全員ビクビクしてたんですよ!?」


「そのメイド達はどうしてるんだ? 見当たらないが。」


「目障りだから帰れって言ってやりましたよぉ……二日目に! そしたらしぶしぶ従うふりするんですよぉ! 本当は嬉しいくせにぃ!」


「あー……わがままお嬢様の相手は大変なんだろうな。でも帰したのはいい考えだったな。」


大抵の貴族令嬢はわがままってのが相場だもんな。アレクのように誇り高い令嬢が珍しいってもんだ。奴らはプライドとわがままを勘違いしてる節があるんだよな。まあ、私だってそこまで多くの貴族令嬢を知ってるわけじゃないからさ。そんな先入観を持ってるってだけの話なんだけどね。


「でしょお! さすがに長年仕えてきたメイドが相手だとバレるかも知れないじゃないですかぁ! だから早々にわがままっぷりを発揮して先に帰してやったのです! お前達なんか顔も見たくないなんて言って! 心が痛んだんですよぉ!」


あー、分からんでもないなあ。無体な演技は心が痛むよなぁ。もしも私にやむを得ない事情があったとして……アレクに「お前なんか大嫌いだ! 今すぐ消え失せろ!」なんて言わなければならない日が来たなら……


無理。心が壊れてしまう。嘘や演技でもそんなこと言いたくないね。もし、そんなことを言わなければならない事情ができたとしたら……無理を通してでも道理に引っ込んでもらうとしよう。うん、それがいい。


「私の方は真面目に仕事をしてると疑われてしまうので、適度に手抜きをしたり放蕩な真似をしてはいるのですが……それでも驚かれる始末です。偽ガストンの奴はどれだけ酷かったのやら……」


そりゃ盗賊上がりに領主の真似事なんて無理だろ。貴族の仕事は毎日パーティーして遊ぶことだとでも思ってるんだろ。ある意味正解かもね。領民を害して遊ぶより百倍ましな気がする。領内の視察と称して目についた女を片っ端から手篭めにするような腐れ貴族よりよっぽどさ。

たぶん偽ガストンももう数ヶ月も領主代理なんてやってたら無茶するようになったんだろうな。何をやっても許されるって勘違いしてさ。盗賊上がりなんてその程度の下衆に違いない。思い込みだけどさ。たぶん当たってると思うんだよなぁ。


「おまけに帳簿なんてろくに付けてないものですから贋金どころか正規の金の流れすら追えないんですよ! 参りましたよ……」


「それなのにフェインはよくやったんです! 褒めてあげてくださいよぉ!」


「すごいわね。さすがフランティア騎士団の魔法部隊ね。専門外なのにすごいじゃない。お見それしたわ。」


くっ、アレクに褒められてる……まんざらでもない顔しやがって!

私は帳簿の付け方なんて知らないからなぁ……当然金の流れなんて追えない。金貸しなのに……

ここは素直にお見事と心の中で言っておくとしよう。おめでとう。結婚もおめでとう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ごくたまに「そうだった、カースは金貸しだった!」と思い出すことがあります(笑)
[良い点] くねくねロキサーヌ、かわよ♪
[一言] 何かの前振りでしょうか。
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