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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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285、メロネ・ラ・ボルドラ

無理矢理覚醒させたせいか意識はあるがふらついてやがる。頭部にかなりのダメージを与えたもんな。下手すると後遺症が残りそうなレベルで。


「さてお前らに約束だ。命だけは助けてやるからセーラム領の役に立て。分かったな?」


「あ、ああっ……っあああ……」

「がっ、わかっ……たあっああっ」

「ちくしょ……おおっおおおっっ……」


よし。バッチリかかった。すっかり心が折れたらしく簡単だったね。拷問の手間が省けたのはよかったな。だってもう腹へってんだもん。コーちゃんとカムイの早く終わらせろ視線もひしひしと感じていたし。


「よし、待たせたな。行こうか。」


「お、おお……あいつらもう終わったな……奴隷に落ちるよかマシだろうけどよお……」


「借金も苦役もないんだ。幸運だと思うぜ?」


もっとも、私が契約魔法を解かない限りセーラムのために働き続けることになるだろうよ。意外と領民に感謝されたりしてね。ゆくゆくは生きがいになったりとか? クソみたいな生き方するよりよっぽど有意義だよな。




さて、隣の酒場にやってきた。


「おー! 魔王さん来たかよ! こっちだあ! 飲まずに待ってたんだぜえ!」


「待たせたかあ? 魔王さん凄かったんだぜえ?」


「おっ? 何だ何だあ? 飲みながら話してもらうとすんぜえ!」


「ピュイピュイ」


コーちゃんが早く飲みたいとせがんでいる。つぶらな瞳を輝かせてさ。


「待たせたな。飲もうぜ。」


こいつらがやたら魔王さん魔王さんと連呼するもんだから店内の人間がこちらに注目してしている。

どうやら魔王という言葉に反応しているらしいが、誰が魔王なのか分からなくて混乱してるってところか。


「よっしゃあ! 注文しといたからよお! じゃんじゃん飲んでくれやあ!」


「ピュイピュイ」


コーちゃんはもう飲んでる。


「これを貰うよ。」


木製のコップになみなみと注がれた赤い酒。香りからしてワインだな。どこのだろう。


「よっしゃあ! そんじゃあ魔王さんに乾杯だあ!」

「乾杯いい!」

「魔王さんにかんぱーい!」


「乾杯。」

「カースに乾杯。」

「ピュンピュイ」


例によってカムイは酒には興味を示さず料理が出てくるのを今か今かと待っている。厨房の方を睨みながら。


「ぷはあ! うめえなあおい!」

「おおよ! こたえられねえぜなあ!」

「おう魔王さん飲んでるかあ!」


早いって。ワインは一気飲みするもんじゃないと思うぞ。旨いけど。


「ああ、飲んでるよ。これ旨いな。」


「だっろおー! ここのワインはちょっと普通のとは違うんだぜえ?」

「なあなあ魔王さんよお? どこが違うと思うう?」

「ヒントは熟成だぜえ?」


そんなこと言われても私に分かるわけないだろ。


「ほどよく熟成されてるわね。よほどいい環境なのかしら? 少なくとも三年以上は寝かせたのかしら。私これ好きだわ。」


困った時はアレクが助けてくれるのさ。ありがたいね。


「うん。いい味わいだよね。」


私に言えることなんてこんなもんだ。


「ぎゃはっはははあ! やったぜえ! 女神さんですら分からなかったぜえ! こいつはなあ! 出来てから三ヶ月と経っちゃいねえんだぜえ?」


「え? そうなの? それにしては味わい深く香りも芳醇だわ。何か理由があるわけね?」


三ヶ月? ワインのことはさっぱり知らないがたった三ヶ月でこんなに旨くなるもんなのか?


「へへへえ! そうともよお! ここの店主はよ? ワインは作れねえくせにワイン好きでよ? なんと魔力庫をいじりまくって高速で熟成できるようにしちまったんだとよ?」

「でも魔力庫内で五年以上はまだできねえらしいぜ。熟成が進むほど魔力庫の制御が大変なんだとよ」


へー。魔力庫を改造してんのか。言われてみればそんな冒険者もいたよなぁ。あっちは肉を熟成させるためだったか。色んな使い方をする者がいるもんだなぁ。鮮度を保つだけが使い方じゃないってわけね。

ん? だったら……スペチアーレ男爵はどうなんだ? あの人ほどの職人が何もしてないはずがない。もしかして私が知らないだけで男爵も魔力庫がすごいことになってたりするのか?


「おう女神さん! こいつは女神さんのために用意してもらったんだぜえ? 極上の前菜だあ。食べてくれやあ!」


おっ? 何だ? あれは……メロンか? 半分に切ったメロンの種部分をくり抜いて……赤い酒が注がれている。


「こいつあメロネ・ラ・ボルドラってんだあ! 最近ボルドラで流行ってん飲み方なんだぜえ! そこのスプーンで実ごとすくって飲むんだってよお」


「あら、メローネじゃない。ベルグで見るとは思わなかったわ。いただくわね。」


甘そうなメロンが前菜なの? でもアレクは違和感ないみたいだな。むしろ喜んでるね。


「これいいわね。メローネの甘さとボルドラワインの甘さがお互いを引き立てあってるわ。素敵な前菜ね。」


へー、そうなんだ。それは気になるね。


「カースもはい。」


「おっ、ありがとね。」


アレクによるはいあーん攻撃だ。嬉しい。いっただっきー。


「おっ、これいいね! 美味しいね!」


メロンに赤ワイン。この組み合わせいいね! 気に入っちゃったよ。こりゃ期待できるね。メロン、いやメローネって言うのか。こんな前菜もたまにはいいもんだね。

さあ、次は何だ?

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― 新着の感想 ―
[良い点] この3人組のノリが好きですね~。読んでて飽きないです。
[一言] 悪酔いしないかなー。
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