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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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278、メンタ草と蜂酒

『七柱雄一@『七柱記』でネット小説大賞参加中!』さんより35件目のレビューをいただきました!

ありがとうございます!

案内役がやって来て、森へと出発。


「俺らは周囲の警戒だけしとくからよお。復讐刺蜂(ヴェンジェホーネット)の相手は任せていいよなあ?」


「ああ。問題ない。」


まあそういう約束だしね。普通なら金貨二十枚貰っても復讐刺蜂(ヴェンジェホーネット)の相手なんかしたくないよなぁ。割に合わないもん。もっとも、素材まで含めるなら一攫千金だけどさ。


「頼んまさあ旦那がた……あの森に入れねえと村のモン半分は仕事にならねんでさあ……」


「魔王さんに任しときゃあ大丈夫だろ。お前らツイてるぜえ?」

「俺らもだけどなあ!」

「ぎゃははは! 違えねえや!」


こいつらは楽に安全に金貨十六枚だもんな。ツイてるね。


「ここでさあ。ここから入りやす」


うん。普通の森だね。ピクニックにいいかも。魔境と違って強力な魔物がいない分、復讐刺蜂(ヴェンジェホーネット)どもも繁殖しやすいって感じなんだろうな。


「今までこの森に魔物はいなかったのか?」


「へ、へえ。鹿や猪、たまに熊が出るぐれえでして……」


「ふーん。」


やっぱ普通の森じゃん。だからライバルやら天敵やらいないんだろうなぁ。


「おっ、あの鹿うまそうじゃねえ?」

「今の時期は子鹿が狙い目だよなあ。ちいっと親の警戒心が強えけどよ?」

「たまには鹿狩りも悪くねえよなあ」


「ガウガウ」


ピィーと鳴いて鹿が逃げていった。いや、私は見えなかったんだけどね。声からすると遠かったし。こいつらよく見えたな。カムイはカムイで狩ってきてやろうか? なんて言ってるし。行くなよ。あれは村の財産みたいなもんだからな。


「そろそろでさあ……殺された仲間が襲われた場所は。巣の位置までは分かりやせんが……」


「ガウガウ」


「ああ、問題ない。うちの狼ちゃんが分かるってさ。あんたはもう帰っていいぞ。」


いい匂いと危険な匂いの両方するらしい。ではカムイ、先導を頼むぜ。


「分かりやした……後はお願いしやす……そんじゃお先に……」


魔境で蜂の魔物とはそこそこ出会ってるんだよな。五十センチぐらいあるやつとかさ。ヴェンジェホーネットはどのぐらいのサイズなんだろうね。




「ちっ、今日はやけにダニが多いぜ……」

「もうちっと塗っておくかあ?」

「あんま塗りすぎっと気取られるからなあ……」


ダニか……私やアレクには関係ないがカムイには結構こたえるよな。だからしっかり洗ってやらないと。


「ところで何を塗ってんだ?」


こいつらからはミント系のいい匂いがするんだよな。冒険者って各自が防虫や防ダニの手法を持ってるもんだし。私は自動防御とドラゴンブーツだけどさ。何かを塗ったりすることはないなぁ。


「あー、こいつはメンタ草をすり潰して安物のポーションに溶かしてんだよ。森や山ん中を歩く時あ塗っとかねえとよ?」


「へー、そんな草があるのか。初耳だわ。アレクは知ってる?」


「ええ。それなりに役に立つ草だわ。たまに増やそうと持ち帰って家ごと焼き払われる愚者はいるけれどね?」


なんだと? 家ごと?


「え? 何それ?」


「メンタ草って繁殖力がすごいらしいの。だから王都なんかだと原生地から根ごと持ち帰るのは禁止されてるのよ。屋敷の庭なんかに植えてしまったら翌日には庭中がメンタ草で覆われてしまうそうよ?」


こっわ。そんな草をわざわざ持ち帰るやつがいるのか? そりゃあ家ごと焼き払われるわ。植物は怖いねぇ。もしかして魔境が原産なのかな?


「だから俺らは草だけむしってんだぜ? 群生地だと取り放題だからよ」


なるほどね。そんな群生地からは広がらないのか気になるけど……ローランド王国がメンタ草で覆われてない以上、そんなことは気にしなくていいんだろうね。

おっと、そんなことより……


『風斬』


さっそく見えたぜ。体長十五センチ程度の蜂がさ。黄色と黒の縞模様。見るからに危険そうな蜂じゃないの。


「ピュイピュイ」


へー、そうなんだ。さすがコーちゃん。


「ちょっと待とうか。あの周辺に強烈な何かが漂ってるらしい。あれを目印にヴェンジェホーネットは襲ってくるらしいぞ。」


ここからだと全然匂わないのにな。いわゆるフェロモン的なやつだろうか。蜂が死ぬ瞬間に何やら撒き散らすらしい。それを浴びた者が狙われるんだろうな。

だからこうやって離れた場所から仕留めれば関係ないわな。そもそも巣ごと全滅させるつもりだし。復讐なんて赤子に至るまで全滅させれば関係ないって母上も言ってたしね。


『風操』


念のため吹き散らしておこう。これで問題ないだろ。


「ピュイピュイ」


えー? 数匹ほど生け捕りにして欲しいの? もー、コーちゃんたら。楽勝だからいいけどさ。ちなみにどうしてだい?


「ピュイピュイ」


へー、そうなんだ。酒に漬け込むといいんだね。でもセーラムのワインとかじゃなくてエルフの酒やスペチアーレ男爵の酒みたいに強いやつになんだね。ハブ酒的な? コーちゃんは粋人だねぇ。いや、人じゃないから粋精霊?


「ガウガウ」


さっさと付いてこいって? お前が待てよ……


ところで、私の記憶だとスズメバチに二回刺されると危ないんだよな。ヴェンジェホーネットの場合はどうなんだろうな。ローランド王国にアナフィラキシーショックなんて言葉はないが危険は危険だからなぁ……

油断せずにいこうじゃないか。

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― 新着の感想 ―
[一言] こっちの世界ではスズメバチの焼酎漬けは熟成するまで三年かかりますが、作中はもうちょっと早いのでしょうか。
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