↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2181/3372

269、ベゼル家パーリナイ

料理が運ばれてきた。どれもこれも旨そうだね。特に肉! ワイン煮だったかな。いきなりメインディッシュか。いい香りをさせてやがるね。


「よおし! ではお前達! これから先訪れるであろう苦難もろとも! 食い尽くしてやるぞお! 乾杯!」


「乾杯!」

「乾杯!」

「乾杯!」


「乾杯。」

「乾杯。」

「ピュンピュイ」


やはり旨い。スペチアーレ男爵から浮気してしまいそうになるじゃないか。あっちはブランデーっぽい強い酒。こっちは芳醇なワインだ。どっちも旨いんだよなぁ。


「やっぱり魔王の名は伊達じゃないわね?」


「はは、どーも。」


この人はマリークレイルさんだったかな。ジャンポールさんの娘だよな。で、その隣にいるのが夫のワルテールさんだっけ? 数が多すぎるから隣のこの人達ぐらいしか覚えてないんだよな。


「大岩を軽々と撤去するわ聖木に活力を与えるわ。しかも今回はアレクサンドル騎士団を相手に大暴れしたそうじゃない? それも一方的な蹂躙。滾らせてくれるじゃない……どう? 今夜あたり?」


隣に夫が座ってんのに何言ってんだか。旦那が青い顔してるじゃないか。


「マリークレイルお姉様? 私がここにいるのが見えませんか?」


「あらあら、アレックス様ったら。そんなに魔力を撒き散らされては寒いわよ? 魔王様の寵愛が欲しい女はいくらでもいると思うわ。そこらの公侯爵なんか目じゃないほどに」


「それはその通りですわ。カースなら当然ですもの。」


おいおい。女房妬くほど亭主もてもせずって言葉があるんだぞ? でもアレクにそう言ってもらえるのは嬉しいな。


「おう魔王! 飲めやあ!」


おっと、じいちゃんが現れた。席を立ってまでここに来るなんて珍しいな。小さいワイン樽を携えてる。仕方ないなぁ。

グラスの酒を飲み干した。


「いただきます。」


樽を傾けて、グラスに酒が注がれる。


「おうお前らあ! 魔王に乾杯だあ!」


「乾杯!」

「魔王様すごいぞ!」

「魔王様に乾杯!」


あらら。全員で盛り上がってくれるじゃないの。嬉しいね。


そこからは普段と違う夕食となった。全員が席から離れ、立食パーティーと化し……家族親族がことごとく私やアレクのところに群がってきた。


「魔王様魔王様! 今回はどんな魔法で……」

「魔王様の絶大な魔力の秘密は……」

「魔王様あ! どうやってアレクサンドリアを壊滅したんですか……」


おお、各々が口々に話しかけてくる。お前らミーハーかよ。いい歳こいたおじさんおばさんもいるってのに。


「主に風の魔法を使いましたね。あと氷の魔法もちょくちょく。」


燎原の火も使いまくったなぁ。超圧縮業火球とかさ。どっちも街の中で使う魔法じゃないよな。あ、結局降り注ぐ氷塊は使わなかったな。あれを使ったら一撃で半壊ぐらいしてたかなぁ。


「あ、あの、魔王さん……あ、握手を……」

「僕も……」


おお、ジャンポールさんの息子くん達か。名前は……


「ピエールイとピエールシモンだったわね。カースに握手して欲しいのね。いいわよねカース?」


ナイスだぜアレク!


「もちろんいいとも。ピエールイ君もピエールシモン君もセーラム領の未来を担うんだし、頑張ってね!」


「あ、あ、ありがとうございます! 頑張ります!」

「がんばります……」


「があーっはっはっは! 盛り上がってきたじゃねえか! こいつはもう踊るしかねえなあ! よっしゃあマリジョレーヌ! 弾いてくれやあ!」


マリジョレーヌ? あ、ばあちゃんのことか。席をすっと立ち、部屋の隅へと歩いていく。あれは……何かを覆う布を剥ぎ取ると、見えたのは……ピアノだ!

マジかよ! バイオリンもそうだけど、ピアノって豪邸並みの値段がするんだよな!? 木材なんかにこだわったらもう天井知らずに値段が上がるとかさ。それでもここにあるアップライトタイプのピアノは安い方なんだっけ?


ばあちゃんがピアノの前に座り、鍵盤を叩く。うおっ!? マジかこれ! クラシックなメロディが流れるのかと思えば……めっちゃムーディー! ムーディーなブルースだわ。これはチークで踊りたいね! ゆらゆらとさ。行くぜアレク!


あれ? アレクがいない……


あっ、ばあちゃんの後ろに行ってる!? バイオリンを取り出して……弾き始めた。


あーこりゃいいわ。ピアノとバイオリン。高く柔らかく聴かせるピアノに低音を響かせるバイオリン。素晴らしき二重奏。酔うね。酔いしれるね。

酒が旨くなってしまう。まだ食事はほとんどしてないってのに。踊ろう。バイオリンを弾くアレクを見ながら。一人で踊ろう。ムーディーなツイストを。


「よっしゃあ踊れ踊れえ! お前らも仕事なんぞしとらんで踊れえ! サイドウとゲンザの分まで踊ったれやあ!」


じいちゃんは使用人にも声をかけている。じいちゃんが言えばそれはもう命令だ。メイドさん達は次々と踊り始めた。おおー、普通のダンスだ。でも人によって上手さの差が激しいな。いやいやそんなことはどうでもいい。私はアレクを見ながら、アレクのバイオリンに合わせてツイストを踊るのみだ。ふふっ、楽しいなぁ。コーちゃんだって私の隣で首をぴこぴこ動かしている。かわいくて堪らんね。


「厨房のもんも全員呼んでこいやあ! 今夜は踊り明かすからなあ!」


じいちゃんも絶好調だな。両手を大きく動かす見覚えのないダンスを踊っている。まるで大鎌で草でも刈っているかのような不思議な動きだわ。音楽と合ってないけど楽しそうならそれが一番だよな。


むっ? 音楽が変わった。ピアノが激しくなったぞ? どことなくロカビリーな雰囲気だな。ノリノリでめっちゃいいじゃん。これは私のツイスト本領発揮だな。いくぜツイストロケンロー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] じいちゃん、いろんな思いがあるんですかね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。