静かに昼寝したかっただけ
王立学園。
昼休み後。
眠い。
かなり。
食後だからだろうか。
授業へ戻る気力がなかった。
「……ねむい」
俺は廊下を歩きながら、 静かな場所を探していた。
できれば誰も来ない場所。
最高なのは昼寝できる場所。
すると。
中庭の奥に、 大きな木を見つけた。
人もいない。
静か。
「……ここだ」
完璧だった。
◇
木陰。
風が気持ちいい。
最高。
俺は木にもたれながら、 ゆっくり目を閉じた。
平和だった。
本当に。
――ガサッ。
「……?」
音。
誰か来た。
嫌だなぁ。
すると。
「やっぱりここにいた」
フィアだった。
銀髪。
無表情。
でも少し眠そう。
「……なんで」
「静かだから」
また一致した。
フィアは当然のように、 少し離れた場所へ座る。
そして。
無言。
静か。
かなり快適。
最高かもしれない。
◇
しばらくして。
「……ここ、好き」
フィアがぽつりと言った。
「わかる」
「誰も来ないし」
「重要」
大事である。
するとフィアが少しだけこちらを見る。
「あなたも、 騒がしいの嫌いなんだ」
「かなり」
「……やっぱり変」
なんで。
静かなの好きなだけなのに。
するとフィアが、 少しだけ口元を緩めた。
……笑った?
初めて見た。
◇
その時だった。
「いたぞーー!!」
大声。
最悪。
アルトだった。
なんで毎回来るんだ。
「レイ! 次の授業始まるぞ!」
「……」
「ってフィアもいる!?」
アルトが驚いた顔になる。
フィアは露骨に嫌そうだった。
「うるさい」
「えっ」
「静かだったのに」
その通りである。
かなり。
するとアルトは、 なぜかショックを受けていた。
「す、すまん……」
本当に反省してる。
ちょっと面白い。
するとフィアが、 小さくため息を吐く。
「……あなた来ると騒がしい」
「そんな!?」
アルトがダメージ受けてる。
俺は少しだけ思った。
この二人、 見てるとなんか面白い。
◇
すると次の瞬間。
ザァァァッ!!
「……?」
急に風が吹いた。
強い。
木の葉が舞う。
さらに。
ヒラッ。
一枚の紙が飛んできた。
俺の顔へ直撃。
「……」
取る。
見る。
そこには。
【学園対抗戦 代表候補一覧】
嫌な予感。
かなり。
そして。
【一年代表候補 レイ】
終わった。
なんで。
俺は静かに空を見上げた。
昼寝したかっただけなのに。




