↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却の都市  作者: HANA
再起と再会
PR
147/152

『忘却の都市』 それぞれの「始まりへ」

「あー、ゆ、悠人はどうするんだ?」

軽く咳払いをしながら、凛は悠人に尋ねる。

悠人はバイクの上で腕を組み、何か考え込んでいる。

そして、少しだけ空を仰いだあと、ふっと笑って答えた。

「俺もね、最初は故郷に帰るつもりだったんだよ」


——けれど。

「……今、決めた」

その言葉とともに、悠人は都市の方へ向き直る。

ついさっきまでいたはずの都市、その方向へと。

その横顔は、どこまでもまっすぐで、どこまでも本気だった。

「……本気なのか?」

凛の問いに、悠人は静かに頷く。

「凛、俺がこの都市に来た日のこと、覚えてるか? 大家さんから鍵を受け取る時間、間違えて、凜の家に入れてもらったあの日のこと」

あの時の記憶がよみがえる。 最初は迷惑な奴だと思った。

でも——それでも、誰よりも人間らしかった。 あのときの悠人の笑顔。


「……あの時、俺が言った夢を覚えてるか?」

「俺の夢は——」

その声は風に乗って遠くへ響いた。

「この都市で、素敵な奥さんと幸せな家庭を築くことだ!」


青空のもと、悠人は恥じることなく、真っすぐに未来を言い切った。

誰にも笑わせない。 誰にも揺るがせない。


それは、“願い”の声だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。