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忘却の都市  作者: HANA
再起と再会
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140/152

『忘却の都市』 扉の向こうに立つ者たち

扉が開く、その瞬間。

田中と工藤は反射的に動いた。

警戒と覚悟に満ちた動きで、エレベーターの中へと突進しかける。


——だが、そこに立っていたのは。

「……えっ?」

驚愕が、全員の動きを止めた。


中にいたのは——神崎凛と進藤夏希だった。


あまりに予想外の光景に、沈黙が場を包み込む。

一瞬、誰もがその現実をうまく受け入れられず、言葉を失った。

その沈黙を、最初に破ったのは——やはり彼だった。


「お! なんだか久しぶりだな!」

悠人が屈託なく手を振り、笑顔で声をあげる。

「思ったより元気そうで安心したよ! 夏希さんも無事で……よかった!」

その明るさに空気が和らぐ——はずもなく、田中も工藤も、ただ呆然と立ち尽くしていた。

ついていかない思考に、声が追いつかない。

やがて、工藤が何度か深呼吸を繰り返した後、ようやくかすれた声を搾り出す。


「……あなたたちは……どうして……? 城戸は……どうなったの?」

現実感のない問い。 だが、それは当然だった。

——たった今、このふたりが“城戸と共に意識を手放した”と確信していたのだから。

対する夏希は、落ち着いた口調で返す。

「城戸隊長は……まだ、上にいます」

その余白を埋めるように、神崎が言葉を継いだ。

「……もし、何かできることがあれば—— 一緒に来ていただけますか。詳しい説明は、移動しながら話します」


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