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忘却の都市  作者: HANA
再起と再会
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139/152

『忘却の都市』 黒き再起動

——おかしい。

田中と工藤の脳内に、同時に警鐘が鳴っていた。

他の研究員が下層に降りてくる予定はない。

外部の者が訪れるには、あまりにも早すぎる。

では、一体——誰が。


「二人とも、私たちの後ろに下がって!」

工藤の声が鋭く響き、怜奈と悠人が反射的にその背後に身を寄せる。

——まさか。

田中の脳裏をよぎる“最悪の可能性”。

万が一とは言った。だがそれは、文字通り“万に一つもない”と思われたはずだった。

殺人という最も重い罪を背負った者。

人工AIによって記憶の奥底に封じられていた者。

——その解放は、どれだけ早くても数時間、長ければ数日間の混濁を伴うはず。


だが——

(……あの男なら、やりかねない)

この都市の“例外”として存在し続けた、制御不能な男。

田中と工藤は、一瞬だけ視線を交わす。

無言のまま、同じ行動を取ることを確認した。

扉が開いた瞬間、突入者の動きを封じる。

その隙に、怜奈と悠人を強制的にエレベーターに押し込む—— それが、唯一の選択肢だった。


そして——

ギィィィィ……ガタン。

金属が擦れる音とともに、エレベーターが停止する。

わずかな間のあと、ドアが開き始める。


その先に——

“その人物”が、立っていた。


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