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忘却の都市  作者: HANA
終焉の扉
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136/152

『忘却の都市』 暗黒と序章

——世界が、沈む。


脳の奥底に、圧倒的な“うねり”が突如として押し寄せた。

神崎は咄嗟に歯を食いしばるが、全身の神経が軋みを上げる。

(……これが、記憶の解放)


足元が崩れていくような感覚。

視界が反転し、耳鳴りが空間を揺らす。

夏希もまた、肩を震わせながら、必死に意識を保とうとしていた。

だが、身体の奥から何かが溢れ出し、思考を飲み込んでいく。

遠ざかる感覚の中で、神崎の脳裏にいくつもの記憶が走馬灯のように駆け抜ける。

過去の光景。 罪の影。 後悔の声——

そして、笑う家族の顔。


意識が崩れ落ちる、その寸前。

ぼやけた視界の中に、城戸の姿が映った。

彼は、静かに立っていた。まるで、何の影響も受けていないかのように。

神崎は、必死でその姿を追い、手を伸ばす。

止めなければ——そう思った。

だが、その手は届かない。

暗転。


世界は、深く、静かに——沈黙した。


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