エピローグ
現れた人物は見知らぬ人物だった。
黒髪黒目の人物で制服を着ている。
「誰?」
百菜は聞くと、彼は笑い、
「僕かい? 僕は君の良く知っている人物さ」
「? 何を言っているの?」
「分からないの? そこに君のすぐ隣にいるじゃないか」
そう言われて私は浩斗を見る。
彼は女装した姿のまま、警戒したように目の前の人物を睨みつけた。
「何を言っているんだ?」
「あれ、忘れちゃったのか。ならもうここはいらない? 少しもとの世界に戻る?」
「戻れるなら、戻りたいさ」
「それなら戻してあげるよ。……君だけね」
「……どうして?」
「もともとこの世界は、君が百菜を連れ戻すために作りあげた物だよ? 魔法によってね」
笑う目の前の彼、確かに良く見れば浩斗が言うには、百菜は現在昏睡状態らしい。
現実世界の方で新しく認知された“魔法”という力があるのだけれど、その力を使いすぎて百菜は昏睡状態になってしまったらしい。
なので恋人である浩斗が、百菜を起こすために、以前やっていて爆笑した乙女ゲーム風の世界を作って起こそうとしてくれていたらしい。
「それでそろそろ、百菜は起きる?」
「起きたいわ」
「よかった、これで目的達成だ。僕も彼もいっしょに戻れるよ」
そう言って彼は消えて行くと同時に、百菜達の視界もかすんで行ったのだった。
こうして元の世界に戻ってきた百菜と浩斗は、色々思い出した。
それは良い思い出ばかりではなかったけれど、それでもこうやって戻ってこれてよかったと百菜は思う。
そして恋人だったのも思い出した百菜は、本日もデートをして楽しんでいる。
「私が戻ってきてくれて嬉しい?」
それに頷く浩斗に、百菜は微笑んだのだった。
「おしまい」
中途半端に残しておくのもなんなので完結させました。




