訴訟する人
「じゃぁ裁判は富山でやるんだよな。オレも行かなきゃいかんのか?」
それは、選定当事者、だったかな。
律子は慌てて条文をめくる。
第30条:共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
「被告である4人の中から代表者を決めることもできるわ。長男伯父さん、次男伯父さん、4男伯父さん、お父さんの中から選ぶの。1人じゃなくてもいいのよ」
「そうか。じゃぁ次男伯父さん、4男伯父さんかな。オレは被告でなくなるのか?」
えーっと。
第30条2項:訴訟の係属の後、前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定したときは、他の当事者は、当然に訴訟から脱退する。
訴訟の係属の時期は明文がない。
被告に訴状が送達された時と解されている。
「訴状は届いたの?それによるかな」
届いてたら、選定したときに当事者でなくなる。
届いてなかったら、原告も被告もないだろう。
「不謹慎だけど死んだらどうなるんだ?」
まぁ確かに、それなりの歳だもんねぇ。
30条5項:選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。
124条1項6号:選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失 選定者の全員又は新たな選定当事者
「他の選定当事者がいれば、その人、いなければ選定者の全員か新たに選定者を決めればいいの」
「ふーん。ところで、弁護士に頼めないのか?」
第54条:法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
「頼めるよ。でも、弁護士はあくまで代理人。当事者にはならないわ」




