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丘陵のさき 世界の先  作者: 玲於奈
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46/57

ご注進

なし

ノックして入れば、学長、田村氏共におそろい。ああ、やっぱりと私の予想通り。

田村氏、私が入室するなり、浮かない顔いや心配そうな顔で「どうしたその顔。大丈夫か」

学長へのアピール。しっかり日本語でなくて英語で話しかける。なんとも護摩くさい。

おまえがやったんだろと心の中で思いつつ、学長の方に向かって

「酔っぱらって、階段で転んでしまいました」とけなげに謝る。

「宿舎への道は急ですし、宿舎の入り口も段差があって、夜は暗いですから氣をつけて」

まるで見ていたかのように学長がなぐさめてくれた。それから一呼吸置いて学長、二人の目を見て

「集まってもらったのは他でもない。例のストラス大学の話ですが、

 今日から1週間つまり今週の金曜日まで、あなた方は私の指定する授業に出席してもらいます。

 その様子を判断してどちらがストラス大学に行くか決定します」

わかってはいたが、私たちは両者黙り込む。その沈黙を30秒後に田村氏やぶり

「結果はいつわかりますか」田村氏がこちらをにやりと笑いながら学長に聞く。

「ちょうど、その週から9月がはじまり、新学期です。

 来週の月曜日には二人に結果をお知らせし、その週、新学期を迎えてもらいましょう。二人ともいいですね」

最後は有無を言わさないよう学長が言う。珍しく強氣な態度の学長だが私たちも従う他はない。

それにしても、一つ一つの動作のいやらしい田村氏、特ににやりとした笑いには腹がたつ。

よっぽど「田村氏に殴られました」と学長に言ってやろうかと思ったが殴られたと英語でどう言えばいいのか

わからなず単語も出てこない、英語をしゃべれないという、どうしようもない悲しさがおそう。何も言わない二人を見て。

学長「私の話は以上です。この後すぐに副学長のアイリーンの部屋に行き、指示に従ってください」

すごすごと学長室をでて、無言で副学長の部屋に向かう。私のこの顔をまた人にさらすのかと思ったが、なってしまったものは致し方ない。

それより田村氏より先に副学長に事実を伝える。学長には圧倒されてしまったがなんだか彼女になら言えそうな氣がする。

そう思い副学長室に向かう道が早足になる。何をちょこざいなと田村氏、私より先に副学長室に向かおうとする。

廊下を小競り合いながらすすむが、目の上のたんこぶじゃなかった、目の下のあざで視界がやや不良で一歩でおくれ、そのまま副学長室になだれこむ。

二人ともどうしたの、そんなにあわててといった表情で副学長アイリーン、歩みをこちらに向かいかけて私の顔を見てさらにびっくり

「純、どうしたのそのあざ」そう自分の顔を指さして悲しそうな顔で見つめる。「実は」と本当のことを言おうとした。

すかさず田村氏「こいつばかだからね、酔っぱらってころんじゃったんですよ」素早く早口のクイーンズイングリッシュで学長にご注進。

「あい、きっく、ゆう」殴られたと言いたかった。副学長アイリーン、何を言ってる、どうしたという顔でくびをかしげる。

田村氏、副学長に見られないように口元に笑みを浮かべながら「そうなんですよ、宿舎の段差のある階段で転んで、転んだ拍子に私にキックしてきて

私はなんともなかったでよかったですけど、一歩まちがったら二人ともねんざか骨折してましたよ」

笑いながら田村氏が言う。なんかすごく悪いこと英語で言っているなというのはわかったが細かいニュアンスが英語なので私にはわからなかった。






なし

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