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丘陵のさき 世界の先  作者: 玲於奈
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31/57

オレンジジュース

なし

有様をみていたさきほどの店主。突然怒ったように地図を持って現れた。

店番をしながら一部始終を見ていたのだろう。

地図の一点を指し示してここでヒッチハイクをしろと言っている。

そこは、大きな通りが二股になっていてわかれている。その名もカウカドネス。地下鉄の駅が近い。

よく地図を見せてもらえばバス通りと違い近郊の団地群を丘陵沿いにすすむ。

セントラルステイションなどがある中心市街。駅の向こうをクライド川が流れているが駅から東側は

山というか、坂というかを越え、さらにバスセンターの向こうは、丘陵地帯がある。

昔、氷河が大地をけずった後のようだ。聞きもしないのにバーでバイキングの末裔を語る者がいるのもうなずける。

バス通りが長方形の周辺とすれば私はこの通りをすすめば対角線で宿舎に向かえる。

一発逆転のチャンス。確かに市場までバスで来るのにバス通りは30分、40分かかった。料金も1£10ペンス。

それなりにかかる。店主にお礼をいうつもりがハウマッチと聞いてしまった。ちょっと怒ったように

手で地図を払いのけられた。金などいらん。もってけという意味か。深く一礼をする。

店主はこちらなど見ずに店に入っていった。

再び新たな目的地に向かい歩き始めた。目標の二股分岐、カウカドネスを目指す。

突然、大声で呼ばれた。振り返れば、ジュースの紙パック。冷たい。そんなにいっぱい

りょう抱え。ありがたいが袋はない。

今度はお礼を言ったが、黙って、後ろ姿で手を振り去っていく。

青のパッケージにオレンジ色が妙に毒々しいが飲んでみたらやはりオレンジジュースだった。

何も飲んでいなかったのですごく喉にしみた。

店主は言ってしまったが、大声でさんきゅうとお礼を言った。

発音はどうだかしらないが、心はこもったと思う。

振り返らずに店主、黙って去っていった。

なし

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