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男麗サキュバスのオレ、初対面のボクっ娘冒険者に性癖破壊され尊すぎて脳濡れ〜出会って秒で大吐血したけど大丈夫そ!?〜  作者: 抹茶ラテ


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2/3

初クエスト♡


観光ダンジョン街「シャケケ」の郊外にある、『シャケケの森』


とても天気も良く

鳥のさえずりが響くのどかな森の中で、オレは完全にまだ猛省していた。


(終わった……。初対面のウルトラレアショタ──いや、レンの前で、出会って秒で大吐血デトックス緊急搬送されそうになるとか、王子様系男麗サキュバスとしてのオレのプライドはどこへ行った!?くっ)


ギルドの床を真っ赤に染めた時は終わりかと思ったが、サキュバスの超絶回復力(と、推しと一緒にクエストに行きたいという執念)で、一分で血を凝固させてなんとか復活。

今はこうして、レンと一緒に「初心者向け・薬草採取」のクエストに同行している♡


漆黒チェーンメイルの胸元を軽くはだけさせ、オレはあごに手を当ててクールに歩く。

ピンチの後に涼しい顔で異変を乗り越えてこそ、真のイケメンなのだ。


「あの……ラーマお兄さん、本当に身体、大丈夫なんですか……? ボク、すっごく心配で……。あんなにドバッと、内臓が出ちゃうくらいの血だったから……」


隣を歩くレンが、夕日みたいな琥珀色の瞳を潤ませながらオレの顔を覗き込んできた。

日に焼けた健康的な小麦色の肌が、木漏れ日を浴びてキラキラ輝いている。


(むほー♡ちょ待っ!ちょ待ってって♡無理すぎる、この上目遣いは完全に想定外のオーバースペック! 脳濡れ脳破壊されたわ!! 内臓心配されてんの草。尊すぎてまた鼻血で心のHPがゼロになる5秒前なんですけど!?)


「フッ、心配ないさ。オレ様レベルになれば、体内の余分な魔力をあえて『血』として排出することなど、朝飯前だからな(キリッ)」


「わぁ……っ! よく分かんないけど、体内の余分なものを出すデトックスなんだね……っ! やっぱりラーマお兄さんって、凄腕の魔法戦士さんなんだね……っ!♡」


(信じたの!?ねえ!?一瞬で信じたの!?チョロすぎるわー♡──!! ピュアすぎるわー! 推し活として優勝しすぎてて、クールを装ってられる自信が今、0.0001%くらいしかない!)


純度一〇〇%のオーラでキラキラ目を輝かせるレンを見て、心の中のサキュバス姿のオレは全裸でジャンピング土下座をかましていた。


「ボ、ボクもね! ラーマお兄さんみたいに、強くって、出血もコントロールできちゃうような、立派で逞しい『男の英雄』になるんだから! 見ててね!」


そう言ってレンは、細い腕でグッと力こぶを作って男らしさをアピールしてくる。

……いや、細すぎるだろ!? その腕、本当に男か!? テンパりすぎてまたアヒル口になってるし、可愛さの暴力がすぎる。


よし、ここらでオレの頼れるカッコいいところをガツンと見せて、さっきの失態を完全に上書きしてやる!

オレはサキュバス特有の、生き物の精神エネルギーや植物の『生命力』を察知するレーダーを脳内で最大出力にした。


(オタクの執念を舐めるなよ人間界! 推しの前で無様な姿は二度と晒さん……そこだッ!)


「レン、あそこだ。茂みの奥に、お目当ての『高級ヒーリング草』が群生しているぞ」


「えっ!? すごい、ボクにはただの雑草にしか見えないのに……! ボク、採取頑張ってお兄さんに一人前って認められてみせるよ!」


「あ、おいレン! 焦るな、そこは──」


レンが「おぉ〜!」と歓声をあげて茂みに突っ込んだ、その瞬間──!


シャガガガガッ!!!プリリリーーーンリーン


「ひゃぅあふぃっっ!!?」


茂みの奥から、シャケケ名物の低級魔物『ヌルヌルピンクスライム』が3匹、勢いよく飛び出してきた!


ベチャッ!!!


「うわっ……!? ひゃぅんっ、冷たっ……! や、やだぁ……っ!」


スライムが放った威嚇の粘液が、レンの初心者用レザーアーマーの胸元や服の裾に、ピンポイントでピシャリと激しく飛び散った。

濡れた服が肌に張り付き、レンの細い身体のラインが不自然なほど生々しく浮き彫りになり、その隙間から眩しい日焼けあとの境界線がチラリと覗く。


その光景を見た瞬間。

オレの脳内CPUが、怒りと尊さの過負荷で一瞬でパァンと焼き切れた。


(……は??? なに晒してくれとんじゃいこの生ゴミ液体害虫どもがああ! オレの推しの聖なる肌に何付着させてくれとんじゃいッ!! 濡れ透けの隙間から日焼けあとチラ見えとか脳内推し活ポイントが一瞬でカウントストップしたわ! 理性溶解! だが滅ぼす!!!!!)


「おいエロスライムゥゥォオオ!! オレの推しの聖なる肌に何付着させてくれとんじゃいッ!!!」


ドガシャァアアンッ!!!


クール系王子様のメッキを完全に剥ぎ取ったオレは、愛用の短剣をマッハの速度で引き抜き、目にも留らぬ超高速連続斬りでスライムたちをドロドロの塵へと変えた。まさに一瞬の出来事である。


「フゥ……。怪我は、なかったか?」


前髪をスッと人差し指で払いながら、一瞬でクールな王子様モードに戻って手を差し伸べる。


(うほーーー♡ オレ今めっちゃ強くて格好良くて完全に『頼れる兄貴』じゃね!? 近づいて濡れ透けのレンちゃん見たらなおさらヤバい♡!!!)


しかし、差し出されたオレの手を見つめるレンは、顔を林檎どころかトマトのように真っ赤にして、内股のまま完全にフリーズしていた。


 

(何いまの……っ!? ツヨすぎ♡カッコよすぎる……っ!! やだどうしよ♡)


目の前で短剣をバシッと鞘に収めたラーマお兄さんを見つめながら、ボクの胸はドクン、ドクンという爆音を止められずにいた。


スライムが出た時は心臓が止まるかと思った。だけど、ラーマお兄さんはボクを守るために、ものすごい迫力(「オレの推し」って聞こえた気がするけど、きっとボクのことを『期待の新人』って意味で推してくれてるんだよね!?)で、一瞬でやっつけてくれたんだ!


(ボクのために、あんなに熱くなって怒ってくれるなんて……まるで、物語の騎士様みたい……♡)


パパ以外の男の人にこんなに守られたの、初めてでドキドキが限界突破しそうだぞ♡

だけど、ボクは男のフリをしてるんだから、こういう時は男らしくお礼を言わなきゃ……! 「おう! 助かったぜ兄貴!」って、ガサツっぽく、逞しく言わなきゃいけないのに……っ!


あまりの格好よさに頭が真っ白になって、完全に「恋する女の子」の顔になってしまう。


「あ♡……う、うんとね……ボ、ボクね、すっごく、ときめいちゃった♡タスカッタゼィ……っ!アニキ♡キャッ♡」


「……キャッ♡?」


「あ、あわわわ違うのっ!! 今のは男同士の『熱い友情のソウルに魂が震えた』って意味でっ!! すごいなって思っただけで……っ! ひゃぅんっ」


慌てて首を振ったら、スライムのヌルヌル粘液が服の隙間から染み込んできて、思わず変な声が出てしまった。うぅ、冷たくて気持ち悪いし、なんだか服が透けてる気がして、無意識に自分の服の裾をきゅっと掴んで内股で隠してしまう。さらにテンパってアヒル口になっていた。


(ど、どうしよう……! 男のくせに『ときめいちゃった♡』なんて言っちゃった! 気持ち悪いって思われたらどうしよう、男装失格だよぉ……っ!)


パニックで涙目になるボクの横で、なぜかラーマお兄さんが急に「……っ!?」と目を見開き、ガタガタと震え出した。


「お、お兄さん……? またお鼻から血が……? 顎まで伝ってるよ……!?」


「フッ……気にするな。これしきの出血、オレにとっては日常茶飯事……。それよりレン、その服、かなり濡れてしまっているな?」


ラーマお兄さんは、なぜか目がバッキバキに充血したまま、大人の余裕(?)がある笑顔でボクの肩にそっと手を置いた。その手が、なんだかすごく熱い。


「このままじゃ風邪をひいてしまう。幸い、薬草は目標数を達成した。……今日のところはすぐに街へ戻って、宿屋をとろう。そこで、綺麗に服を脱いで洗い流すといい」


「ふぇっ!? 服を……脱ぐ……っ!? は、はい……っ! ありがとうございます……っ!」


宿屋でお着替え! 優しいラーマお兄さんと一緒なら、すっごく安心だぞ♡

……って、ええええええ!!? 服を脱ぐって、ラーマお兄さんの前で脱ぐの!? いや、別々の部屋だよね!?

自分が女の子だってバレたら大変だけど、お兄さんはボクを「逞しい男の弟分」として扱ってくれてるみたいだし、でも相部屋でも大丈夫!?

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