#9 そんな貧乏と親友のカナタ君に朗報です!
#9
「ええー、カナタに足りないのは頭の方だと思うけど」
「それは余計なお世話だ」
「まあ、そうなんだけど、肉だけじゃいざってときに、後悔するかもよ」
サラクの口調はまるで姉兄ができの悪い弟に言い聞かせるようだと思う。
このステーションの平均寿命は200才を超える。なので、カナタのような30才以下など子ども扱いされてしまう。
あっ、カナタは当年25才なので、お店によってはやんわりと入店を拒否られることもあるのが本当に悔しい。ちなみにサラクはもうすぐ27才になるらしい。
「いざって、どんなときだよ?」
カナタは、サラクの言葉に反抗する。
「例えば、今日、みたいにスペースハンマーを紛失しちゃうような状況、なんて時?」
「おまっ、なんでそれをもう知ってんだよ!」
サラクが笑顔のまま、忘れたいことをわざわざ言ってくる。今日のサラクは別の場所でバイトをしていたはずだが。
「ほら、またそうやって・・・って聞かれたくないことを隠してなかった君が悪いよ」
「はん、今日は運が悪かっただけだよ、けっこう稼いだんだからな」
「ふーん、そういうことにしておくよ」
カナタはサラクの情報収集能力にいつも驚かされる。まあ実際こいつのおかげでおいしい汁を吸ったことが何度もあるからなあ。
「じゃじゃーん、そんな貧乏と親友のカナタ君に朗報です!」
「なんだよ、もったいつけるなよ」
「明日は、ダンジョン駆除の講義兼アルバイト募集がでるらしいよ」
「ふーん」
「興味なし?」
「だって、おれらはまだダンジョンの中に入るバイトは許可されないだろうが」
「それがだねえ、明日のはちょっとこれが違うんだなあ」
「どう違うんだ?」
「明日のダンジョンバイトは2回生のダンジョンデビューをサポートすることも目的としてる大学公認らしいんだよね」




