#3 スペースハンマーでたたきつぶして駆除しよう
#3
ダンジョンは小は1Me程度から大は惑星系を飲み込む大きさまで様々なモノがこの宇宙空間には存在している、らしい。
今、カナタの目に止まったのはほんの0.1Me程度、こぶし大サイズのものだ。
Sエクス総合技術大学に入学すると全学生はモニタと呼ばれるブラウジングツールを配布される。このモニタは講義の出欠確認から食堂の支払いまで対応できる万能ツールだ。
一旦腕の内部に移植してしまえば、空間バーチャル型、腕時計型、眼鏡型など様々な端末を経由して情報の受け取りや発信に利用することができる。
スペースバイシクルに装備されているダンジョンレーダー兼ナビゲーションとももちろんリンクすることができる。
ただ、このレーダーで発見できるのは、0.5Me以上のものからなので、それより小さいダンジョンは空間をよくよく見て、周囲と違うゆがみなどから、見つけるしか方法はない。
「へへ、今日は運がいいぞ」
こんなサイズでもダンジョンはダンジョンだ。駆除に成功すれば、エリシア政庁から報酬が与えられる。
報酬額は半年はバイトに励まなくてもいい程度の、学生には非常にうれしいボーナスとなるほどの金額になるはずだ。
小さくてもダンジョンだ。宇宙船が知らずに通過したり、ひっかければ、なんらかの損害を与える可能性がある。
これがデブリであれば、物理的衝撃を受けるだけで済むのであるが、ダンジョンはそうはいかない。時空衝撃により、予想がつかない被害を被ることがあるので、油断がならないやっかいな存在なのだ。
最近では、こういった極小のダンジョンが急増しており、早めに駆除して欲しいと学生であっても依頼されることが増えている。
そのため、ハルトたちのような学生バイトでも、報酬金額が割高になっている。まあカナタにとってはありがたいことである。
「よし、このサイズならスペースハンマーでたたきつぶして駆除しよう」
ハルトはそう考えると、スペースバイシクルのスピードを上げて、そのダンジョンへと突進する。手にはスペースハンマーを握りしめ、プラズマエネルギー解放スイッチをオンにする。よし、態勢は万全だ。
ハルトは、揺らいでいる空間にスペースハンマーを向けたまま、バイシクルのハンドルを固定する。




