僕のベッドだ!
格好いいとは何か。
それはその時その場で思う魂が震える事。
を僕は指している。
つまり限定的な物ではないのだ。
前世でも勿論、格好いいを求めて常にシュチュエーションを考え、行動していた。
ただ当時は力もなく環境もない。つまり不可能に近かったのだ。
だが今は力がある。環境がある。
僕の理想に何百歩も一気に近づいたのだ。
そんな過去に浸りながら僕は夕日に照らされれた道を歩く。
僕が住んでいるのは学校の敷地内にある寮。
どでかいホテルみたいな感じだ。高さはないが横に長い。
男子寮女子寮と別れていて、上級、下級にも別れている。
当然ながらに僕は下級。
まぁそうだよね。仕方のない事だ。
僕の部屋は4階の421号室。とにかく見つけるのが大変だ。なぜならば広い。とにかく広い。
そのため体力的には問題はゼロだが、とても面倒くさいのである。
もっと楽にしてくれないかな。
ただ楽などできるわけもなく、今日も精神的に疲れながら自分の部屋へ向かう。階段を登りそのまま長い廊下を歩いていく。
そしてようやく自分の部屋の前についたら、カバンから鍵を取り出し、鍵を開けた。
部屋はそこまで広くはない。設備はちゃんとしてるが、最低限だ。ベッドと机と収納程度。
まぁ全然住めるからいいんだけどね。
僕はカバンを下ろし制服を脱ぐ。もう暑い季節になり始めているせいで制服が暑くて暑くてたまらない。魔術でわざわざ冷やしているほどだ。
無駄に風を通さない生地だからな。これだから制服は。見た目と、防御性重視ってか?
とりあえずベッドに寝転がろう。疲れた時はそれが1番だ。
と、そうしたかったのだが、何故かベッドが盛り上がっている。
なんだと思ったが、僕は理解した。
あ〜。またか。
めくってみると、そこには1人の少女がいた。
「なんでここにいるんだ」
そう、僕のベッドで寝ているのは僕が3番目に配下に加えた子だった。ピンクの髪ショートの、だらんとした服を着た美少女だ。
マイペースでいつも眠たそうにしているような子で、最初は人見知りな感じで、接しづらかったが、懐いてからは結構大変だった。
僕は君の親じゃないんだぞってツッコミを入れるレベルにお世話させられたからだ。
本当に大変だった。でももう今はティマ達にそれは任せたから安心していたんだが、たまにこうして不法侵入してくるのだ。
ちなみに名前はニヴィアだ。この子も捨てられて名前もなかったからつけてあげた。さすがは僕のネーミングセンスだろう。
「それは僕のベッドだ。占領するんじゃない」
「やだ」
「やだじゃない」
「主の意地悪」
「僕は意地悪か」
主に向かってその態度とは。
「うん」
「そうかそうか」
僕は目を赤く光らせる。
聞かぬというのなら力ずくよ。
「……ッ待って」
どうやら危険と察知したようだ。
「なら起き上がろうね」
「わかった」
そうしてニヴィアはベッドの上に座った。
いや寝転がらなければいいわけじゃないんだが。
「まぁいいよ」
と、僕もベッドに座る。
「で、どうしたの」
当然くつろぎに来たわけじゃないだろう。
それだけだったら外に放り投げるわ。
「この街に奴らが出た」
「奴らか」
誰だよ。と、言いたいが、奴らと言うのなら奴らなのだ。
「そう。格式の高い貴族を攫って実験をしてるみたい」
ヘぇ〜実験ね。
「そりゃ大変だ。なんの実験なの?」
「多分龍の血の適正実験」
「龍の血か」
昔からずっとやってるな。まだ完成してないのか、すごく慎重なのか効力を高めているのか。わかりはしないが、そこまで重要なことではない。
「被害状況は」
「10人行方不明になってる」
「そうかー」
そりゃ大変だ。
「その主犯はどう?」
「原罪教の幹部の可能性あり」
原罪教か〜。ティマ達曰く悪魔を信仰する宗教みたいな事だそうだ。
なんかティマが、この世の調和をさらにはまずはこの世を知らなければならない、とか言って色々調べてくれたんだ。
うんうん、流石ティマ。優秀だ。
悪魔を信仰する宗教なんて面白そうだ。悪魔信仰って前世でもあったけど、なんかいいよね、あの感じ。
「幹部クラスか」
ティマが結構強いとか言ってた気がする。
「アジトの場所は」
「まだアジトの場所は分かってない」
「そうか」
そう話をしていたのだが、ニヴィアはだんだんと距離を縮めてきた。
ちょっと近い。近づいてくるんじゃない。
「主も気をつけて」
「う、うん。ありがとう」
ニヴィアはさらに近づいて僕を見上げた。
「なに?」
「なんでも」
「そう」
「じゃあ行くね」
「うん、またね」
そうして、窓から飛び降りていった。窓からの退場っていいよね。
しかしよくバレずに入れたものだ。腕を上げたんだな。なんだか感動。
ちなみにリーナを配下に加えてから15歳になるまでに、3人の配下が加わった。
あれから色々あって、僕の配下は5人となったのはいいけど、ただ皆んな自己で色々してるみたいで仲間外れ感がすごい。
僕の知らないところで何してるんだか。
僕もやりたいッ。絶対楽しそうな事をしてるんだ。
主って言うのにその扱いはどうかと僕は思う。仲間外れなんて酷い。
もっと敬われてもいいはずだ。そうだろう?
それにもっとさ秘密結社らしくやりたいよね。僕が玉座に座って配下達が並ぶ図とか最高だ。
ただ配下の人数が少ないのが残念。
こう言うものって何百人レベルせめて何十人といる方が格好いいのよ。まぁ少数でも格好いいっちゃ格好いいけど。
ただ絶対にやりたい。ラノベでもそれは定番だ。だから僕はやってみせる。いや、やらなければいけない。
とりあえずまずは。
「明日着ていく服を決めなきゃか」
そう。それが問題だ。
僕が持っている服は数着。
選ぶのには時間は掛からないが、センスが問われる。
うーん。
結果は黒とグレーと白も無難な色を基調とした目立ちもしない普通の私服って感じになった。
まぁこれなら大丈夫だよね。
と、思ったのだが一つ最大なミスを犯している事に気づいてしまった。
「こんなことが……」
僕が?この僕が?何故。
「うわぁぁぁぁぁあ」
クソッ。なんて事を。
僕が犯してしまったミス。
それは……。
絶世の美少女と休みのデートに誘ってしまった事だ。
なんで気づかなかった。
格好つける事に夢中になりすぎたか?いや楽をしようとした罰か。
これはいけない。美少女とデートなんて、僕のプライドと理想に反する。
今世、最大のミスだ。
だが、もう行くしかない。
腹を括って覚悟を決めて明日を迎えるしかないのだ。
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