興味のない事は一秒で忘れるんだ
僕は15歳になり、魔術学校に入学した。正式名称は『グリム魔道星魔術高等学校』と言うらしい。すごく長い名前だが、とてもかっこいい。
そして、この魔術学校は3年間だけでなく、卒業後はさらに2年『魔大学』という魔術を極めし者の学校に進むことになる。まぁ普通に成績が悪ければ三年間だけになるけどね。その場合は卒業後の職に少し悪い影響もあるとかないとか。
そして今日も朝早くから登校していた。
魔術学校の外観は神殿か?と思うほどの歴史的建物感。そして神秘的だ。つまり教会みたいな感じ。
僕が今歩いているのは大道だ。
横は広い庭で、噴水とかまである。
そして学校ときたらのアレが今まさに起こっている。
僕の目の前には3人のチンピラ。2年生の先輩達だ。
そうカツアゲだ。いいね学校って感じ。
治安が悪いのは僕にはメリットでしかないのだよ。
「よぉ、そこの一年坊主。ちょっとお金貸してくれねぇか」
そう言うのはグラス・ハット。金髪オールバックで、この3人のリーダー格だろう。
「すっすみませんッ!僕はお金持ってなくて」
とりあえずこう言う相手には自分を低く見せる。
「嘘はよくないぞぉ。さっき店で朝食を買ってるところを見ちまったんだよなぁ」
ふむ。どうやらただのチンピラではないらしい。そこまで観察をして行なっているとは、もやは尊敬に値する。
「使い切ってしまいまして」
「あぁ?まだ嘘つくのか。さっさとださねぇと痛い目見ることになるぞ」
男は僕を脅した。ありきたりだけど、いざ本物に会ってみると心が震えるものがある。いいよね脅すチンピラ。
「それだけはやめてくださいッ」
「いいから出せ」
そして僕は財布を取り出し、手を震えさせながら差し出した。
「チッ、本当にねぇじゃねぇか」
男は僕の財布を道に投げ捨てた。まぁそれ使ってない財布だしな。ならなんで持ってるかって?たまたまだよ。
「行こうぜお前ら」
そう仲間に声をかけ去っていった。
「やれやれ。財布が汚れてしまったじゃないか。でもこうして先輩で遊ぶのも楽しいな」
ついた土を払い、カバンにしまう。
そして再び僕は歩き出した。
学校の中に入ると、もう超巨大教会プラス美術館って感じの細かい装飾に芸術品が飾られている。
パイプオルガンの音が響く。
やっぱ教会だ。
まぁ前世でも宗教学校あったし、おかしくはない。
それにこの学校は建物からすごいから全然いいんだけどね。
僕の教室は2階にある。
ほぼ迷路のような建物は道を間違えないようによく確認しながら進まないと確実に迷子になる。
実際毎年沢山の迷子者が出て毎年大変なんだそう。
大きい学校は大変だね。
と、教室の扉を開く。
まるで大学みたいに半円に机が段になって並んでいる。
うん、これぞファンタジー学校だ。
ただ僕が入ったところで誰もこっちを向く事はない。
これでいい。これでいいのだ。僕の影が薄いのはごく普通の事。前世からそうだった。ただ今世ではつくってるけどね。
普通にしてれば周りの陽オーラに押しつぶされるから気をつけなくてもいいんだけどさ。
そして僕は窓際の後ろから3番目の席に座る。
窓から見える景色も綺麗だ。中庭は広い芝生に木とベンチ。
奥に見える建物は教室。生徒数が半端ないから教室も多いのだ。
「おはようっす」
そう言うのは僕の隣の席の丸メガネ。
確か名前は……。
誰だっけ。
「初めまして」
「何度目の初めましてっすか」
「知らないな」
今日が初めましてだ。
「アレですか記憶喪失になっちゃったんすか」
「そうだなアレだな」
アレを使うとは相当な手だれだ。つまりアレだ。相当頭が悪い奴か変人だ。ちなみに僕は変人のほう。
「なるほどっす?」
「て、ことで君名前は」
「本当に覚えてないんすか」
その謎の男は呆れたように言った。覚えてないものは仕方ない。
「僕は必要な事しか覚えられない脳をしていてね」
「僕はいらないもの扱いって事ですよね。酷いっす」
「ああ。で、名前は」
「さらっと流さないでくださいよ。マル・メーガネっす」
「そうなんだ」
「この会話もう入学式から7回はありましたっすよ」
「そうだっけ」
「そうっす」
「大丈夫。今覚えたから安心しろ」
「それ毎回言ってますからね」
「あれぇ?」
「あれぇ?じゃないっす」
と、朝の初めましてのご挨拶を済ませて、窓の外の景色に浸る。
人の名前を覚えるのは難しいのだ。
「よーし。皆おはよう。今日も神のご加護がありますように。特に俺に」
教室に入ってきた教師が言った。
「なんだ、今笑うとこだぞ」
大体35歳くらいだろうか。猫背で清潔とは言えない見た目をしている。
だ。
「今日から本格的に授業が始まる。その前にポイント制を改めて説明しておく」
クラス中が静まり返った。
「まずポイントとは成績だ。多ければ多いほどいいぞ。そんで卒業に必要なのは大体えーと、なんだっけ、あぁそうだ3万ポイントだ。一年で一万稼げれば行けるなぁ」
これがあのポイント制度ね。珍しい制度だ。
「それを得るには授業に参加する事。これは2ポイントだ。普通に受けてたら当然卒業はできない。また1からやり直しだぞ」
それは面倒くさいな。ちゃんとやらなきゃというわけか。
「あと、得たポイントは使うこともできる。これがこの学校独自のルールだな。お金の役割にもなるぞ。金欠時には便利だなぁ」
これまた面白い。ポイントは使うこともできると。
「魔大学まで続くから頑張れ。テストやイベントで足りないポイントを集めてハッピーな学生生活送りましょぉ」
教師は元気のない声で言った。
「頑張らなきゃっすね」
横の子が言った。
名前なんだっけ……。
特徴がないと困るよな。すぐに忘れてしまう。
確か……マメ・ノーガネ。
「そうだね。マメ・ノーガネ君」
「違うっすね。マメ・ノーガネじゃないっすよ。マル・メーガネです。いい加減覚えてくださいっす」
「あれ?そうだっけ。わかったよマメ君」
「変わってませんよ」
そして学校生活が始まった。
対して面白くもない内容の話を長々と聞かされら授業がほとんどだった。
だが、四限しかないため耐えれば何とかなる。
そしてそのあとは部業がある。部活に近い感じだ。
個人の自由に選べて、その数なんと120もある。選ぶのに少なくて困るはない。そしてメリットは足りないポイントを部業で稼ぐことができることだ。
だから基本生徒は所属しているのだ。今日から一年生も入れるため勧誘がすごいのは言うまでもない。
魔術研究部とか、魔道具開発部とか、魔力筋肉部とか、あと剣術のやつもある。ただ剣術は大まかには一部だけど派閥で違って12に分かれている。
その中でも有名なのが、王都武道ラングリム流だ。
王都で最近有名な流派で、剣神が生み出したという流派だ。
ただ珍しいのは剣術は基本剣だけを学ぶ。だけど、ラングリムは魔術と並行して学ぶと言う今の時代にあった方法をとっているのだ。
と、いうわけで勿論僕はそのラングリム流とか言うやつに入った。勧誘がしつこかったのもあるが。とりあえず。
「乗るしかないでしょこのビッグウェーブに」
それと剣術は段で分かれているらしい。
1〜10段あって、なんと10段になるだけで毎授業5ポイントになるらしい。
うーん実力社会。
と言うことで武道場へ。
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