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魔族に育てられた俺、 気づけば光と闇の境界に立っていた  作者: CYABUSAN(ちゃぶさん
第一章:父と子の物語(第1〜10話)

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第九話 自慢の息子に抱かれて

お読みいただきありがとうございます。

今日は 第9話。

父と子の物語の“最初のクライマックス”です。

朝日が昇る前だった。


父さんの呼吸が、浅くなっていることに気づいた。


「父さん……?」


返事はない。


俺は慌てて父さんの肩を揺さぶった。


「父さん!! 父さん!!」


父さんはゆっくり目を開けた。

 その瞳は、もう焦点が合っていない。


「……ハエル……」


「ここにいるよ!!

 父さん、ここにいるから!!」


父さんは弱く笑った。


「……泣くな……そんな顔……するな……」


「だって……父さんが……!」


父さんは震える手で、

 俺の頬に触れた。


 「俺の……

 自慢の父さんだよ!!

 世界で一番……自慢の……父さんだよ……!!」


父さんの目から、

 一筋の涙がこぼれた。


「……そうか……

 俺は……

 お前の……自慢の……父さん……か……」


父さんの表情が、

 ゆっくりとほどけていく。


「……ハエル……

 俺は……ずっと……怖かった……」


「え……?」


「お前が……いつか……

 “本当の父親じゃない”って……

 俺を……恨むんじゃないかって……

 俺は……

 お前に……父親って呼ばれる資格なんて……

 本当は……なかったんじゃないかって……」


「そんなこと……一度も思ったことない!!

 父さんは……俺の父さんだよ!!

 俺の……たった一人の……父さんだよ!!」


父さんは、

 その言葉を胸いっぱいに吸い込むように

 ゆっくり目を閉じた。


「……ああ……

 よかった……

 俺は……なんて……幸せなんだ……」


声が震える。


「“自慢の息子”に……抱かれて……逝けるなんて……」


俺は父さんの手を握りしめた。


「父さん……!」


父さんは最後の力で微笑んだ。


「……愛してる……

 ハエル……

 俺の……息子……

 生まれてきて……くれて……

 ありがとう……強くなれ…よ」


その言葉を最後に、

 アスモスの手は力を失い、

 静かに落ちた。


「父さん……

 父さん……!!

 とうさぁぁぁぁぁぁん!!!!!」


俺の叫びは、

 朝焼けの空に吸い込まれていった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

父と子の物語の第一章が、ここで終わります。


次回からは、

ハエルの“父の遺志を継ぐ旅”が始まります。

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