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魔族に育てられた俺、 気づけば光と闇の境界に立っていた  作者: CYABUSAN(ちゃぶさん
第一章:父と子の物語(第1〜10話)

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4/11

第四話 騎士ガルド、来訪。父さんの本当の強さ

お読みいただきありがとうございます。


第4話では、

ついに 人間側の騎士・ガルド が登場します。


これまでの穏やかな日常から一転し、

アスモスの“本当の強さ”と、

世界の厳しさがハエルの前に姿を現します。


父子の物語が大きく動き出す回です。

ゆっくりお楽しみください。

墓地から戻り、

 父さんがシチューを作っているときだった。


――コン、コン。


家の扉が、静かに叩かれた。


「ん? 誰だ?」


父さんが眉をひそめる。

 この辺りに来客なんて、まずありえない。


俺は胸がざわついた。


父さんが扉を開けると、

 そこには銀の鎧をまとった男が立っていた。


鋭い目。

 整った顔立ち。

 背筋の伸びた姿勢。


まさに“騎士”という言葉が似合う男だった。


「……魔族、アスモスだな」


男は冷たい声で言った。


父さんの表情が一瞬だけ固まる。


「お前は……ガルドか」


「覚えていたか。

 なら話が早い」


ガルドと呼ばれた男は、

 腰の剣に手を添えた。


「アスモス。

 お前を処分する」


空気が凍りついた。


「処分……?」


俺は思わず声を上げた。


「父さんは何もしてない!

 なんで――」


「黙れ、人間の子供」


ガルドの視線が俺を刺す。

 その目は、まるで“汚れたもの”を見るようだった。


「魔族に育てられた時点で、お前も穢れている」


「……っ!」


怒りが込み上げた。

 でも、父さんが俺の肩に手を置いた。


「ハエル、下がってろ」


父さんの声は静かだった。

 でも、その奥にある“何か”が震えるほど強かった。


「ガルド。

 俺はもう戦う気はない。

 ここで静かに暮らしてるだけだ」


「言い訳は聞かん。

 堕天した天使は、存在そのものが罪だ」


ガルドは剣を抜いた。


その刃は淡く光り、

 まるで“光そのもの”を宿しているようだった。


「……聖剣か」


父さんの声が低くなる。


「そうだ。

 堕天したお前を滅ぼすための剣だ」


ガルドが踏み込む。


速い――

 俺の目では追えないほどの速度。


でも。


父さんは、

 その剣を“指二本”で挟んで止めた。


「……は?」


ガルドの目が見開かれる。


「お前……本気か?」


「本気だよ。

 俺は戦いたくない」


父さんは剣を軽く押し返す。

 ガルドの体が後ろに弾かれた。


「くっ……!」


ガルドはすぐに体勢を立て直し、

 再び斬りかかる。


だが――


父さんは一歩も動かない。


剣を避け、

 受け流し、

 指で弾き、

 時には軽く手の甲で払うだけ。


それだけで、

 ガルドの攻撃はすべて無効化された。


「なんだ……これは……

 魔族の力を超えている……!」


「ガルド。

 俺はお前を殺したくない」


「黙れッ!!」


ガルドは叫び、

 聖剣を大きく振りかぶった。


その刃が光を放つ。


「天罰――!」


父さんの瞳が金色に光った。


「やめろ」


その瞬間、

 ガルドの体が空中で止まった。


まるで“見えない手”に掴まれたように。


「なっ……!?なぜまだその力を….. 動け……!」


「帰れ、ガルド。

 今のお前じゃ、俺には勝てない」


父さんは手を軽く振った。


ガルドの体が地面に叩きつけられる。


「ぐっ……!」


ガルドは血を吐きながら立ち上がる。


「アスモス……

 お前は……いずれ……必ず……」


「分かってるよ」


父さんは静かに言った。


「だから……時間がないんだ」


ガルドは悔しそうに歯を食いしばり、

 森の奥へと消えていった。


静寂が戻る。


俺は震えていた。


「父さん……今の……」


「ハエル」


父さんは俺の肩に手を置いた。


その手は、いつもより少しだけ冷たかった。


「……明日、全部話すよ」


その言葉は、

 まるで“別れの宣告”みたいに聞こえた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


第4話では、

ついに騎士ガルドが登場し、

アスモスの“本当の強さ”が明らかになりました。


聖剣を指で止めるアスモス


ガルドの圧倒的な敵意


「時間がない」というアスモスの言葉


これらはすべて、

次回の“真相告白”へ繋がる伏線です。


次回、第5話は

アスモスの過去と、ハエルの出生の秘密が明かされる回。

物語の核心に触れます。


引き続きよろしくお願いします。

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