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魔族に育てられた俺、 気づけば光と闇の境界に立っていた  作者: CYABUSAN(ちゃぶさん
第一章:父と子の物語(第1〜10話)

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第十八話 光と闇、そして怯える影

お読みいただきありがとうございます。


今回は、

セラがハエルの“光と闇”の危険性を説明しつつ、

日常ギャグ、魔物襲撃、光の暴走など

イベント盛りだくさんの回です。

朝の光が差し込む。


目を覚ますと、セラがベッドの端に座り、じっとベッドを睨んでいた。


「……この寝具、罠では?」


「いや、罠じゃないよ」


セラは指でベッドをつつく。ふにっと沈む。


「柔らかすぎます。天界の寝具は岩のように硬いので……沈むと不安になります」


「沈むのが苦手なんだ?」


「沈む=落ちる、という認識です」


リナが苦笑する。


「セラさん……可愛い……」


「聞こえてます」


朝から妙な空気だった。


朝食後、セラは真剣な表情で俺たちの前に座った。


「昨日の続きです。ハエルの光と闇について」


リナが息を呑む。


セラは俺の胸の中心を見つめた。


「まず、闇の反応。これは本来、人間には絶対に存在しません。魔族の核……闇の反応です」


リナの顔が青ざめる。


「じゃ、じゃあ……ハエルさんは……」


「魔族ではありません。ただ……魔族化の兆候があるのは確かです」


胸がざわつく。


「……俺、どうすればいい?」


セラは続けた。


「そして光。これは天使の核とは違います。でも光の反応が出ている以上、天界のセンサーには“異常反応”として扱われます」


リナが不安そうに俺を見る。


「異常って……危険なんですか?」


「危険というより、珍しいという扱いです。ただ、上層部が興味を持つ可能性はあります」


「見つかったら……どうなる?」


「すぐに処理されることはありません。でも調査対象にはなるでしょう」


セラは視線をそらし、小さく付け加えた。


「だから……報告を急ぎたくないんです」


その瞬間だった。


セラが俺の胸に軽く触れ、光魔法で反応を確かめようとした時――

胸の奥が熱くなり、視界が白く染まった。


「……っ」


胸の中心が光り始めた。


リナが叫ぶ。


「ハエルさん!!」


セラがすぐに俺の胸へ手を伸ばし、光を押さえる。


「動かないで。……私の光魔法に反応してる」


光が一瞬だけ強くなり、セラの髪が揺れた。


「……やっぱり。闇が光を押し返してる。

 私の光が触れたことで、反応が表に出たんです」


息が乱れる。


「これ……どうしたらいい?」


「このままだと危険です。光と闇が混ざり合おうとして……衝突している」


「危険って……どれくらい?」


「最悪の場合、体が耐えられません」


リナが震える声で言う。


「そんな……!」


胸の光は、セラがそっと手を添え続けると、ゆっくりと収まっていった。


その時、外から悲鳴が聞こえた。


「きゃああああ!!」


俺たちは外へ飛び出す。


村の入口に、小型の魔物が一匹、唸り声を上げていた。


リナが叫ぶ。


「ま、魔物……!」


魔物は俺に向かって突進してくる。


「リナ、下がってて!」


その瞬間、セラが一歩前に出た。


魔物の体がビクッと震え、その場で硬直する。


リナが驚いた声を上げる。


「えっ……怯えてる……?」


セラは淡々と言った。


「当然です。魔物は“格”を感じ取りますから」


魔物は完全に恐怖で動けなくなっていた。


セラが手をかざすと、光が魔物を包み込む。


魔物は悲鳴を上げ、そのまま気絶した。


だがその瞬間、セラの光が一瞬だけ揺らぎ、俺の胸の奥がまた熱くなる。


(……また反応してる……)


セラの表情がわずかに強張った。


魔物を処理した後、セラは俺の方へ向き直った。


「やはり、このままでは危険です。光も闇も……目立ちすぎる」


「じゃあ……どうすれば?」


セラは胸に手を当て、静かに言った。


「偽装魔法をかけます。あなたの光と闇の反応を、人間の反応に偽装する」


リナが驚く。


「そんなことできるんですか?」


「できます。ただ、長時間は持ちません。定期的に私が調整する必要があります」


セラは俺の胸に手をかざした。


「少しだけ、触れます」


「うん……」


光がふわりと広がり、胸の奥のざわつきが静まっていく。


「これで、しばらくは大丈夫です」


リナが感心したように言う。


「すごい……」


セラは少しだけ視線をそらした。


「あなたを守るためです。天界にも……魔族にも」


セラは続けた。


「偽装が効いているうちに、一度、町へ行きましょう」


「町……?」


「あなたの光と闇が、外でどう反応するか確認したいんです」


リナが手を挙げる。


「じゃ、じゃあ私も行きます!」


「もちろん。あなたの存在は……ハエルの安定に影響しますから」


リナは顔を赤くした。


俺は意味が分からず首をかしげる。


「どういう意味?」


「まだ言えません」


セラはそれだけ言って黙った。


夜。


リナが作ったスープを前に、セラはじっと見つめていた。


「……これは……毒では?」


「毒じゃないよ」


リナが慌てる。


「セラさん!? 失礼ですよ!」


セラはスプーンを口に運び、目を瞬かせた。


「……味が……濃い……」


「嫌だった?」


「……おいしいです」


リナが小声で言う。


「可愛い……」


「聞こえてます」


その夜。


胸の奥で、光と闇がわずかに揺れた。


セラはその気配に気づき、窓の外を見つめる。


(急がないと……この子は……)


風が吹き抜ける。


セラの瞳は、どこか不安を帯びていた。

今回は、

セラの光魔法が“ハエルの光と闇”に触れたことで起きた反応、

そしてその危険性がはっきりした回でした。


偽装魔法がかかったことで、

ようやく外へ出られる状態になった三人。


次はいよいよ――

“初めての町”へ向かいます。


ハエルの光と闇が、

外の世界でどう反応するのか。

そしてセラが何を見極めようとしているのか。

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