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魔族に育てられた俺、 気づけば光と闇の境界に立っていた  作者: CYABUSAN(ちゃぶさん
第一章:父と子の物語(第1〜10話)

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第十七話 空から降り立った少女

お読みいただきありがとうございます。


今回は、

天界から降り立った調査員セラが、

ハエルの“光と闇の二重反応”を確認し、

調査を開始する回です。

夜の気配が濃くなり、

村の灯りがぽつぽつと灯り始めた頃だった。


「……ん?」


胸の奥がざわついた。


(まただ……)


昼間にも感じた、

“誰かに見られているような感覚”。


でも今回は――

もっと強い。

もっと近い。


「ハエルさん?」


リナが心配そうに覗き込む。


「……外に、何かいる」


「えっ?」


家の扉を開けた瞬間だった。


空が――静かに光った。


「……!」


白い光が、

夜空からゆっくりと降りてくる。


落ちるのではなく、

まるで“舞い降りる”ように。


風が止まり、

空気が張りつめる。


光が草地に触れた瞬間、

輪郭が人の形へと変わった。


金色の髪がふわりと広がる。

背中には、光の羽の残像が淡く揺れていた。


スレンダーな体つきの少女が、

静かに地面へ降り立った。


「……誰?」


リナが震える声で呟く。


少女はゆっくりと顔を上げ、

まっすぐ俺を見つめた。


金色の瞳が、夜の中で光る。


「……あなたが、ハエル」


「……え?」


俺は思わず眉をひそめた。


「どうして……俺の名前を知ってるんだ?」


少女は一瞬だけ目を見開き、

すぐに視線をそらした。


「……調査員ですから。

 対象の名前くらいは……知らされています」


声は落ち着いているのに、

どこかぎこちない。


少女は俺に近づき、

じっと胸元――いや、体の“中心”を見つめた。


「……やっぱり。

 あなた……二つの反応が出てる」


「二つ……?」


リナが不安そうに俺の腕を掴む。


少女は淡々と説明を始めた。


「“闇”と……“光”。

 本来、同時に存在することは絶対にない反応です」


「光……?」


少女は小さく頷いた。


「ええ。

 でも……これは天使のコアとは違う。

 “光の反応”はあるのに……

 核の形が……おかしい」


リナが息を呑む。


「じゃあ……何なんですか?」


少女は少しだけ視線を落とした。


「……分かりません。

 私にも、まだ正体が掴めない」


金色の瞳が揺れる。


「だから……調査が必要なんです。

 あなたが何者なのか。

 この光が……何を意味しているのか」


俺は息を飲んだ。


(父さんの……何か……?

 でも……)


少女は何かを言いかけて――

そこで言葉を飲み込んだ。


(……本来なら、すぐに天界へ報告すべき……

 でも……今の上層部に渡したら……

 “処理”される可能性が高い)


金色の瞳がわずかに揺れる。


(……まずは……見極めなきゃ。

 本当に危険なのか……

 それとも――)


少女は表情を整え、

淡々とした声で言った。


「……私はセラ。

 天界調査局……第三階梯、セラフィム級」


リナが息を呑む。


「セ、セラフィム……!?

 そんな上位の……!」


セラは金髪を揺らしながら、

静かに続けた。


「しばらく、あなたのそばにいます。

 調査が終わるまで」


その言葉の裏にある本音は、

誰にも聞こえなかった。


(……見極める。

 この子が……“何者なのか”)


夜風が吹き抜ける。


その瞬間、

俺の運命が変わった気がした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


ハエルの中には

“闇”と“正体不明の光反応”

という、絶対にありえない二重反応が存在します。


セラはその正体を“見極める”ために、

ハエルのそばに残ることを決めました。


次回は、

セラが光反応の危険性を説明し、

リナとの三人の関係が動き始めます。

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