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オストラシズム・ジャスティス-現代聖魔対策科-  作者: 家奈みつき
バズりと、血溜まりと、色欲のデビル
9/13

堕ちる天使。嗤う悪魔。夜惑なネオン。4

「ハッ、寒い…」


 フロアの重たい香水の香り、酒の匂いで酔いそうな気分が一気に醒める。歌舞伎町の夜は残酷なほどに寒い。


雑居ビルの入り口前、看板の灯りは道ゆく人々の顔面を赤色や紫色へと塗りつぶしていく。


だんだん看板をもつ指先の感覚が寒さでなくなってきたころ、明るい声が響いた。


「お兄さん!どこの店でやってるの!?めっちゃかっこいいんだけど?」

「え?やばいマジ初回から私、絶対にピンドン入れちゃう…」


 いかにもホスト通いの女の子達に囲まれて男が1人歩いてきた。中々顔は見えないが仕立てのいいスーツから男はホストなのだろう。集団はそのままClubSERAPHの前に止まった。


「いかがですか?本日は嶺聖アマネがいますよ〜。」


 とりあえず、仕事はするかと思い声をかけたら。男は店の看板を見てこう言った。


「今夜、私だけの可愛い天使でも見つけに行くとするか。」


(また、耳鳴りだ…)

響くような耳鳴りに顰めつつ顔を上げるとそこには、妖艶な男は微笑みながら俺を見ていた。


「えー?アマネちゃん狙いー?勝てないよぉ…」

男を囲んでいた女達は流石に興味が失せたのか解散していった。


「そこの店員さん?案内してくれるかな?」

 間近でみた、男の瞳はネオンの灯りに反射して赤く染まっていた。



「新規様、ご来店です!」

「「ようこそ!!!!」」


 男を案内するため、店内に入ると中央にはシャンパンタワーが積み上がっていた。


(あの卓は…嶺聖の卓じゃないか!?)


 まずいと思い、目的を忘れ歩き出そうとした時、田村さんがやってきた。


「お客様!本日はご来店ありがとうございます!今空いてる子で気になる子がいたらご案内しますよ?」


「ふーん、じゃああの中央の卓に座ってる藍色の目の子指名できるかな?」


「もちろんです!」


田村さんが中央の卓に歩き出した。


 嶺聖の卓の状況を把握しようと田村さんについて行こうとしたら、田村さんが振り返りこう言った。


「お前は新規様を卓にご案内だ!」


(完全に忘れてた…。くそ!)


 焦る気持ちを抑えつつ、男を卓へと誘導した。


「こちらの席になります!お飲み物は何にされますか?」


「んー?じゃあこのウィング・リッパーって名前のボトル一本開けようかな。あっロックでお願いね」


男はニッコリとヴィンテージの50万だかする酒のボトルを指差した。何者なんだこの男。


「ご新規様よりウィング・リッパー入りました!!!!」


「「ありがとうございます!!!!」」


ペールとボトルを持って、男の卓に戻ると、男は俺を手招きしてこう言った。


「良かったらあの子が来るまで相手してよ。どうやらあそこの卓ちょっとトラブルっぽいよ?」

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