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仲良き事は美しきかな。

いつもありがとうございます♪


 ハリネズミは臆病な性格をしているというけど、アヒル達が友好的だったからか意外と仲良くなった。

 突く事もなく、自由に裏庭散策する三匹のハリネズミにアヒル達はピィピィガァガァ言いながら一緒にちょこちょこ歩いている。時に虫を捕まえて一緒に食べているようだ。そういえば、ハリネズミは虫も食べるのだと思い出した。


「……タワシになれてたからか?」

 兄はハリネズミ達を庇おうとした為にアヒルに突かれた後に、憮然とした顔で呟いていた。仲良くなったのはいいとして、突かれ損になったのが解せないのだろう。

 それを聞いた姉は何故か納得顔をした後に頷いていた。

 ユーリが束子を持ち歩いていた時はあるのは確かだ。けれど、そんな事で慣れるものなのかと内心で首を傾げつつも黙っておいた。

 変な所で姉と兄の意見が一致していて納得出来ないものの、珍しく歩み寄っているので良しにした。

 仲良き事は美しきかな、かもしれない。


 キースはすっかりアヒル達に受け入れられたようで、一緒に虫を探して遊んでいる。けれど、暑くなって来たのでユーリは声をかけた。

「きいちゃん、みずあそびしない?」

「するっ!」

 額に汗をかいていたキースは、水遊びの誘いに即答した。男子も水遊び向きのTシャツに短パン姿で、生地も水を吸いにくいものだ。皆が賛同したので早速簡易プールに向かう。陶器で出来た大きいタライのような簡易プールの水がいつも通り綺麗だった。庭師のシンが毎日、水を入れ替えてくれているらしい。

「おみずにいくよ?」

 ユーリがアヒル達に声をかけると、雰囲気で察するのかちゃんと付いて来る。ハリネズミ達は兄とカイルが抱き上げて、カゴに入れて連れて行った。

 アヒル達と兄は競うように水に飛び込んだ。辺りに水が飛び散ったが、後ろから優雅に歩いて来た姉はノーダメージ。すぐ後ろを追いかけていたキースは意外と濡れていたが楽しそうに笑うと、続いて水に飛び込む。カイルはキースの元気な姿をユーリの横で嬉しそうな顔で見守っていたけど、兄に呼ばれて水に入った。

 はしゃぐ男児達を見て、姉は難しい顔をしていた。

「ねぇちゃ、ルーナもはいりたいって!」

 姉だけ引き返すとか面倒なので、ルーナのせいにして誘う。姉は渋々頷いたのだった。


 プールは大人が何人も横になれる位に広いので、露天風呂のように端に陣取れば意外と落ち着く。学校の夏休みも残り僅かとなったから、暑さのピークは過ぎたのだろうけどまだ暑い。水に入ると涼しく、快適だった。ルーナも水に入るのに慣れて来ているからか、姉の腕の中で大人しくしていた。

「ルーナ、およげる?」

「どうかしら? 泳いでみる?」

 落ち着くと今度は暇になって思い付きを口にすると姉も乗って来た。

 姉が身体を支えてルーナを水に浮かすようにしたので、ユーリはその手を持って水を掻くように動かした。ルーナは戸惑ったような顔をしていたけど、その内に自分で浮いて泳げるようになった。

「ルーナ!」

 わざと少し離れて呼ぶと一生懸命にユーリ達の元に泳いで来る。その目は輝いていて楽しそうだ。泳ぎ着くのは必ずユーリの元なので、姉はその度に恨めしい顔をしていた。ユーリはそんな姉に気付かないふりをしつつも、ルーナを渡して笑った。腕の中にいるルーナを見て姉も嬉しそうに笑う。兄相手だと張り合う所があるけど、意外と素直な所が可愛いなとユーリは思う。


 男子達はアヒル達と遊んでいて、時折水飛沫が飛んで来る。ユーリ達は避けるようにしつつ、何気なく見ていると何か小さなものが向かって来るのが見えた。アヒルの雛よりも小さくて、色が白いのでボールかと思ったけど近付くと違うのが分かった。

「ハリー!」

 兄のハリネズミ、ハリーが一生懸命泳いでいた。ユーリを目指して来たので静かに抱き上げた。

「ハリネズミって泳げるのね?」

「すごいの」

 ハリーに続いて、黒いものも近付いて来る。カイルのクリだ。クリを追って来た灰色のはキースのマル。そしてマルを追ってキースもやって来た。

「ゆうちゃん! あそぼ」

「うーん、もうちょっとやすんでからね」

「……ユーリ、お母様みたいな事を言うのね。でも、キース様も少し休んだ方がいいわよ。息切れしてるし」

 姉は実の弟に対するよりも優しい声をかけていた。キースは大人しく頷いた。ハリネズミ三匹に子猫までいる。そこに同年代の子までいるので、動き回らなくても一緒にいるだけでも満足なのだろう。

「なにしてるんだ? オレたちもまぜろよ!」

「……何もしてないから、暴れるなら離れた所でやって」

 ハリネズミ達が泳ぐのを眺めたり、子猫も交えてちょっとした追いかけっこをしたりするユーリ達の所に兄達も来た。姉は少し嫌そうな顔をしたが、声色は穏やかだった。浅いプールに座り、露天風呂状態で寛いでいるのもあるのかもしれない。

「つかれたからオレらもすこしやすむ! な、カイル?」

 兄も姉の言葉を流して、カイルに声をかけると勝手に寛ぎ始めた。カイルも苦笑しながら頷き、兄の隣に座った。水の中で動くのは疲れるからだろう。姉がいたおかげでユーリは助かったのかもしれない。

 アヒル達も集まって来たものの、動き回って満足したのか大人しい。

 いつもこれだけのんびり出来ればいいのに、とユーリは思う。

 穏やかな時間は貴重なのかもしれないとしみじみするのだった。 

 





 



 




 

9月に入って、暑さが随分マシになりましたね。

まだ油断出来ない感じはしますが。


今回もあまり進みませんでしたが、ハリネズミが泳ぐ所を書けてよかったです。

本当に泳げるそうなんですが、一緒に水遊びは難しいので。

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