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布教は大事です。

ブックマーク&評価をありがとうございます♪

そして、更新が遅くなって申し訳ないです。

どう書こうかと悩んだり、暑さにバテていたのもあるのですが、一番は読む方に気力がいっていました。

アニメを観たら読み返したくなったりして、ついつい。。

 ハリネズミと束子がよく似ている、というユーリの主張はカイルには理解されなかった。

 イガ栗が似ているのは分かるけど、大きさといい感触といい束子の方が似ているとユーリは思った。

 それなのに、兄も束子をよく見た事がなかったせいか首を傾げている。

 これは教えてあげないといけない、という謎の使命感にユーリは燃えた。


「……これは、たしかに」

「ほんとだ! すんごいにてる!」

 マーサに出してもらった束子とハリネズミ達を見比べてカイルは納得した。

 兄は見たのは初めてではないはずなのに、似ている事に気付いて興奮していた。父が言い出した事が理解出来たらしい。

 顔と手足が出ているハリネズミと比べるとそこまで束子とは似ていないのだけど。丸くなって針を立てている状態は束子と本当によく似ている。


「でも、なんでタワシがすぐにでてくるの?」

「かってるからだよな!」

 言ってすぐにタワシが出て来た事にカイルは不思議そうに首を傾げた。

 それに対して語弊が生じる事を言うのが兄である。「飼う」という言葉にカイルは更に不思議そうな顔をしていた。

「つかうためにもってるの!」

「え? なににつかうの?」

「なでるためだろ?」

 兄に使い方を伝えたのかどうか覚えはないけど、多分言っても覚えていないのだろうとユーリは思った。

「からだをあらうのにつかうの」

「いたくないの!?」

「うそだろ!?」

 ため息を吐きながらユーリが説明すると、凄く驚かれた。

「いたくないよ? きもちいいの!」

 そう話しても兄もカイルもブンブンと顔を横に振って、信じようとはしなかった。ユーリは頬をぷうっと膨らますと、兄に手を差し出した。兄は困惑した顔でユーリの左手に右手を乗せた。犬がお手をするみたいだなと内心で思いながら、にっこり笑うとその手をぎゅうっと握った。

 膝の上に乗せたハリネズミ達を驚かさないように束子を手に取ると兄の腕に静かに乗せた。

 え? という疑問を顔に浮かべる兄の腕を束子で優しく撫でるように擦った。

「う、えっ!? あれ、いたく、ない?」

「ユーリ、うそつかないよ?」

 柔らかくした上に毎日使っているので、束子の毛先も丸まっているのではないかと思う。濡らした後は干しているので腐ったりもしていない。

 兄の腕に虫刺されの痕を見つけて、痒そうなそこも束子で擦ってあげた。

「かゆいところがとくにきもちいいの!」

「あ、ほんとだ!」

「かゆいの、なおるのっ!」

 虫刺されの痕はみるみる内に目立たなくなった。治りかけだったのだとは思う。ただし、血行がよくなるので付近の肌も少し赤くなってはいる。けれど痛くはないはずだ。

「すげえ!」

 兄は喜んで、足の虫刺されもやってくれと言って来た。ユーリがやってあげると足の痒みもとれたようだ。

「オレもやりたいっ! カイル、やってやるよ!」

 そう言うと、ユーリの手から束子を奪ってカイルの手を素早く掴みニヤリと笑った。

「にいちゃ、やさしく!」

 ユーリがそう声をかけたのに、兄はゴシゴシとカイルの腕を擦った。

「いたっ! クリよりマシだけどいたいよ!」

 しっかり赤くなった腕を撫でながらカイルは兄に抗議した。

「あれ? でも、かゆくなくなったかも?」

「だろっ!」

 不思議そうな顔をするカイルに兄は得意気な顔をしながら胸を張った。

「もしかして、アセモにもいい?」

「かゆいの、なおるの!」

 察しの良いカイルにユーリは喜々として頷いた。

「キースがアセモできるんだ。なおるならいいなとおもって」

「あのね、やさしくなでるようにするとぜんぜんいたくないの」

 兄に束子を要求すると仕方ないという様子で渡して来た。束子を手にしたユーリはカイルに左手を差し出した。カイルは戸惑いながら、そっと手を乗せてくれた。兄と違って紳士みたいだなと思う。

 束子で優しく撫でるようにカイルの腕を擦ってあげると、カイルも「あれ?」という顔をした。

「ほんとだ。いたくないね」

「おふろでせっけんをあわだててあらうと、もっときもちいいの!」

 束子をお湯に浸けて、石けんをつけて手の平で擦るとよく泡立つのだ。そのフワフワの泡で洗うのは最高だとユーリは思う。洗う時のコツは、束子は肌に乗せるだけで力を入れない事。そして、円を描くように束子を動かして洗うと、本当に全く痛みは感じない。

 痒い所は前後に線で擦ったり、多少強くしても気持ち良い。

 タオルのように面で擦ると摩擦が生じて、強く洗うと肌に負担がかかる事もあるけど。束子は点であたるので、強く擦るのでなければ肌には意外と優しいと思う。怪我をしている場所は痛いので触らない方がいいけど。汗疹も出来かけで傷になっていなければ束子で洗うと治る位だ。

 夏の代謝が早くて痒くなりやすい肌にも、冬の乾燥肌にも本当に良い。

 前世でユーリが下の子の面倒を見る時も本当に助かった。洗う時間も短く、ササッと洗える上に肌の不快感が無くせるのだ。

 前世でも機会があれば布教として語っていたものの、中々伝わらず変わった人扱いされたものだった。

 でも、良いモノは人に伝える事で誰かが助かるかもしれないし。喜びは共用出来たらそれだけで嬉しいと思うのだ。

 その思いで一生懸命にユーリは説明していた。


 その様子を大人達は微笑ましく見守っていた。

 けれど、カイルは圧倒されながらも意外と真剣に聞いていた。それに気付いたユーリは愛好者を増やす機会だと更に熱心に語るのだった。






 



キース君は今回も出せず、無念です。

束子語りが出来たので満足ですが☆

実際、夏に束子で身体洗いデビューするのはかなりオススメです!

ただ、子ども相手に束子を使った事はないんですよね。

柔らかくなった束子はボディブラシ位なので大丈夫だとは思うんですけど。

私自身は、束子を使うようになって汗疹のなりかけは治るし、蚊に刺された痒みもとれるので重宝してます。

束子がないと生きていけないんじゃないかと思う位です!

身体洗い用の柔らかい束子も世の中にはありますので、気になる方はよかったら探してみてくださいね☆

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