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子猫可愛や、可愛や子猫。

いつもありがとうございます♪

キリがいい所までと思っていたら少し長くなりました。

タイトルのせいも多分あります。

思いついたら書きたくなって削れなくなるという。。

 子猫は家に来た翌朝には、弱々しさが嘘のように大きな声で鳴けるようになっていた。

 ユーリと離れると鳴くので、結局はベッドで子猫と一緒に眠った。ユーリの横に猫用ベッドを置いて寝かせていたのに、朝にはユーリの胸元に這い上がり鳴き声で起こす位に元気になった。

 とりあえず、子猫にミルクを飲ませた後に部屋で朝食を食べた。朝食は家族それぞれのペースで食べられるように自室で済ますのが普通だ。姉には子ども部屋で子猫を渡す予定になっていた。


 朝食後に着替えて子ども部屋に向かうと、部屋には体調が快復した姉が既に待機していた。

 姉はユーリに抱っこされた子猫を見ると目を輝かせた。ユーリの事は全く目に入っていない様子に苦笑しつつも、子猫を渡した。

 寝ていた子猫はふみゃふみゃ言いながら大人しく姉に抱っこされたまではよかった。姉は愛しげに見つめて、子猫の頭を指先で優しく撫でた。そこで子猫は目を開けた。金色の綺麗な目が姉を見つめて数秒。

 子猫は勢いよく鳴いて暴れ出した。

 姉はおろおろと宥めようと優しい声をかけたり撫でたりするものの無理だった。子猫は暴れながら辺りを見回し、ユーリを見つけると必死で来ようとする。行けないと分かると真っ直ぐにユーリを見つめて必死に鳴く。

 姉は子猫の必死の鳴き声に半泣きの表情になりながら、ユーリに子猫を手渡した。ユーリの手の中にいると、やっと安心したかのように鳴き止んだ。


 その後は、姉に慣れれば大丈夫ではないかという事で一緒に構っていたのだけど。結局は、ユーリの姿が見えなくなっても鳴いたし少し離されただけでも鳴く。まるで母猫を慕うように、ユーリから離れなくなってしまった。

 子猫を自室に連れ帰るつもりだった姉は目に見えて落ち込んだ。

「……そんな。私が見つけたのに」

「ねぇちゃ……」

 思えば元々は、子猫を貰いに友人宅に行っていたのだ。

 諦めた帰り道で見つけた子猫に運命を感じたのではないだろうか。

 生命を助けたとは言わず、見つけたと出会いの言葉を口にしたのは好意からだろう。ユーリはかける言葉が見つからなかった。

「大丈夫ですわ。愛情はきっと伝わります。一緒に過ごす内に人に慣れて、懐くようになりますわ」

 マーサが落ち込んだ姉に「これから先」があると伝えた。姉は潤んだ目で子猫を見つめると、そっと手を伸ばして子猫を撫でた。子猫はその手を拒否せずに気持ち良さそうな顔をした。ユーリと離されるのを嫌がるだけで、他の人を拒絶したりはしないのだ。

「そうね。これから仲良くなればいいのよね。ユーリから離れないなら、私が側にいればいいのよ!」

 姉は少し考えてから、そう宣言した。

「世話はユーリにまかせるわね。私も手伝うから」

 少し考える間に割り切り過ぎじゃないだろうか。

 世話は親にまかせて、子どもは遊ぶだけになるやつ。

 まぁ、手伝うと言うだけマシなのかな。拗ね続けられるより面倒じゃないかとユーリはぎこちなく頷いた。

 それから、一緒に遊んだ覚えがない姉は本当に側にいるようになった。



 黒い子猫に唇寄せて 黙って見守る姉がいる。子猫は何にも言わないけれど 子猫の気持ちはよく分かる。

 前世の歌の歌詞をこっそり頭の中で替歌にしながら姉を眺める。

 ちなみに元曲は懐メロ特集のテレビで聞いたうろ覚えなのでユーリはサビしか知らない。元は赤いリンゴの歌で、赤いリンゴは女の子の比喩なのらしい。

 姉はユーリの腕の中で眠った子猫に顔を寄せて幸せそうに見つめている。ユーリはソファに座っているので、姉は子猫に顔を寄せる為に床に座っていた。淑女として大丈夫なのだろうか。姉もまだ子どもだから大丈夫なのか。マーサは一応黙認してくれている。マーサの子猫を見つめる目も優しいので、気持ちが分かるのだろう。

 クールだと思っていた姉がメロメロになっている。そんな姿は母がユーリを甘やかしてくれる時とよく似ていた。姉は母とよく似た色合いと顔立ちなので余計なのかもしれない。

 実はずっと猫が飼いたかったらしく、暇さえあればこうして子猫を構いに来るようになった。

 夏休みも後半だけど、友達と出かける事もしない。元々、子猫を育てる為に家にいる予定だったのらしい。

「なんて可愛いのかしら」

「ねぇちゃ、なまえきめた?」

 うっとりと呟く姉にユーリは問うた。可愛すぎて決められない、と連れて来てから3日経つのにまだ名前は決まってないのだ。初めてのペットなので、色々考え過ぎてしまうのらしい。

「⋯⋯無理よ。この子が可愛すぎて、考えれば考えるほど分からなくなるの」

 恋でもしているかのような迷走ぶりにユーリは少し引きながらも頷いた。名前を考えるのは意外と大変なのだ。

「一応、名前の候補は絞ったのよ? 綺麗な金色の目をしているから、月の女神からアルテミスとか。天使様の名前からミカエルとかガブリエルとか。花の名前でも探せば綺麗なものもあるはずだわ。そうね、マーガレットとかカレンデュラとか」

 滔々と語りため息を吐く姉は恋する乙女そのものという感じだった。愛が暴走しているのだろう。庇護する対象を前に張り切る気持ちは分からなくもないユーリだった。

「よんでみるのは?」

 考えた名前に反応してくれるのかが大事ではないだろうか。アヒルはガァちゃんで納得してくれてるみたいだし、むしろ雛達にも名前を強請られるけれども。呼ぶ側と呼ばれる側の感じは実際に呼んでみたら分かるだろう。

 姉は「そうね!」と言って子猫に呼びかけるものの、特に反応はされなかった。

 姉も実際に呼んでみたものの、しっくり来ないようだ。

「ユーリならどんな名前をつける?」

 聞かれて考える。

「クロちゃん?」

「却下」

 子猫はピクリと耳を立てて顔を起こしたけど、適当過ぎたようで姉に即座に却下された。

「じゃあ、ルーナとか?」

「にゃーん!」

 一応は少し考えて言うと、子猫は返事をするように鳴いてくれた。

「ルーナ、月の意味ね」

 黒毛に満月のような金色の瞳なので、ありがちなのだけど合ってはいる気はする。姉の言葉にも反応して鳴く子猫。

「まぁ! お返事出来るなんて何て賢いのかしら!」

 と、姉が感激した事で名前が決まった。ここに兄がいたら揉めていた気がするけど、丁度カイルの家に泊まりがけで遊びに行っていた。

 そして、子猫の名前がやっと決まったのだった。




 






リンゴの唄は本当にサビの部分だけのうろ覚えだったので検索してみました。

検索したら、本当に曲の一部しか知らない上に歌詞を長い間間違えていた事が判明。

「黙って見ている青い空」の所を「黙って見ている物語」だと何故か勘違いしてました。

「物語」ってフレーズが意味通らないけど良いなと思ってたのに、空耳だったらしいです。。

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