紙飛行機は楽しいようです。
いつもありがとうございます♪
青空に白い翼が舞い、綺麗な円を描いていた。意思を持ち動いているようなそれは、元はただの紙だ。
ユーリが「鳥」と称して教えた紙飛行機は本当の鳥のように自在に空を飛んでいた。
本来の紙飛行機は子どもの遊びだったはずだ。大人も本気で遊べる位だとは知ってはいるものの、実用では役に立たないはずだった。
裏庭まで歩きながら、母とカイルが話していた「魔法との組み合わせ」がそこまで有効だとは思わなかったのだ。
けど、紙飛行機とカイルの風魔法の組み合わせの相性は抜群だった。
カイルは何度か普通に紙飛行機を飛ばした後に、兄と飛ばした距離を競い。一番飛ぶ折り方をしたものを選んで風魔法で飛ばしだした。
真上以外は円を描いて飛ばす事も、真っ直ぐにもジグザグにも自在に飛ばせそうだ。翼が風を受けて飛ぶのを魔法で補助するだけなので魔力も多くは必要ないらしい。ただコントロールする必要があるので魔力の使い方が上手くないと無理なのかもしれない。母はカイルをほめていた。確かに大雑把な兄には無理な気がする。
ユーリも最初は「魔法スゴイ!」と興奮気味に見ていた。けど、自在に飛ぶとはいえそれだけの話なので飽きてしまった。なので、楽しそうに遊ぶ兄と色々試す事に夢中なカイルとそれを見守る母を放置して、アヒル達と遊び出した。
今日は草花を摘んでブーケを作る事に決めた。
花冠にしたり、カゴを編んだり、何か作るにはユーリの手は小さい。まだ細かい作業に慣れていないので、ブーケを作る事を思いついた。
裏庭には意外と良い香りの良いハーブが自然に生えているのを見つけたからだ。図鑑で調べたら、薬草としては扱われてはいないらしいがアヒル達もついばんでいるので毒もないだろうと思う。付き添って来てくれたマーサに見せると「素敵なブーケですね」と誉められた。部屋に吊るして、乾燥させて何かに使おうとユーリは張り切って集めていた。
「なにをやってるの? いっしょにあそばない?」
ハーブのブーケを作るユーリの横で土を突いて虫を探していたアヒル達がカイルの声に顔を上げる。ユーリが一足遅れて顔を上げるとカイルは愛想笑いをしながら両手を振っていた。ユーリは首を傾げてから、アヒル達が警戒しているのに気付いて宥めるように撫でた。アヒルは腰が退けているカイルに溜飲を下げたのか、胸を張りフンッと鼻息で笑うような仕草をした後に土掘りに戻った。本気で用心していたわけでなく牽制しただけらしい。
「ぶーけつくってるの! いいにおいするの」
遊ばない、とは言わない。断るよりも忙しいアピールをした方が楽だからだ。年下、幼児ならではの作戦だ。
カイルはそれに戸惑うような顔をすると、ユーリの隣に腰を下ろした。
「ボクね、おとうとがいるんだ。きみとおなじとしの。からだがよわくて、いっしょにあそぶのがむずかしいんだ」
身体が弱い3歳児と元気な5歳男児が遊ぶのは確かに難しそうだ。だから何が聞きたいのかとカイルを見返すと、迷うように瞳が揺れていた。
「オリガミならあそべるんじゃないかとおもうんだけど。トリはうごきたくなるから。ボールいがいにもなにかあったらおしえてくれないかな」
確かに手遊びとして折紙は優秀だと思う。そう思ったので気軽に頷いたのだけど。それから毎日のように教える羽目になり、後悔する事になるのだった。
少し短いですが、キリがいい所まで☆




