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謝ってもらえました。

前話では誤字報告をありがとうございました!

名前がかなり混乱していたと思われます(反省)。

読みにくい中、読んでくれてありがとうございます♪

 謝罪は誰の為、何の為なのかで意味が変わるものだなと思う。

 許される為に謝るのは自分の為でしかない。

 謝るという形だけのものに許す事まで強要される事が前世ではあったなと思い出す。


 特に忘れられないのは、7歳下の妹の弥生が幼稚園の時。

 妹に執拗に嫌がらせをする男児が同じ園にいた。

 妹の髪を引っ張ったり、バカとかブスとかいう悪口を言ったり、遊びの邪魔をしたりしていた。

 何度、先生に注意されても形だけ謝って同じ事を繰り返していた。

 先生や妹から話は聞いていたので知っていた。妹自身も大人しく見えて姉兄弟妹間で揉まれているので、そこまで気にしてはいなかった。眼中にないのが正しいのかもしれない。

 けど、相手にされないのが気にいらなかったのか男児は嫌がらせを止めなかった。

 そしてある日、妹がブランコに乗っている時に乱暴に揺らされて落ちた。転げ落ちて擦り傷と打撲を負った。

 母親に連れられて家に来た男児は頭を下げて謝ったものの、納得がいかないという顔をしていた。

 そして、母親までもが「ヤヨイちゃんが可愛いからぁ、ちょっかいをかけたくなるんだと思いますぅ」という言い訳を口にした。

 怪我までさせておいて、好きな子イジメだから仕方がないのだという口調だった。

 息子の好意を有難いと思え、と言わんばかりの態度が気持ち悪かった。そうやって躾もされずに野放しにされた子どもがそのまま育つと、ルールもマナーも守れず社会性も身に付いていない乱暴者になるのだろうと確信したものだ。

「好きな子イジメなら許される、とか思ってないですよね? 好意なら何でも許されると教えているなら、将来モラハラ男になって誰にも相手にされなくなりますよ」と返した覚えがある。

 幼稚園や学校にはまともな保護者の方が多かったが、たまにバカ親がいた。

 自分の子が一番可愛いという「親馬鹿」は愛情があれば普通の事だと思う。しかしバカ親は社会性が無く、子どもを盾に自分のエゴを通そうとするので厄介だった。



 そんな前世のクソガキに比べたら、目の前で頭を下げる客人は兄とは同じ年だと思えない程しっかりしていた。

「ほんとうにもうしわけなかった。おとうととケンカして、かんけいないキミにおとうとをかさねてしまった。ヘンとかマゾクとか、わざときずつけることをいってしまった」

 朝食の後、部屋で寛いでいた時に母と兄と共に訪ねて来た客人は潔く謝った。

「ゆるしてほしいとはいわない。ほんとうにわるいことをしたとおもっている」

 本気で反省した事が分かる上に、傷付く事も別になかったユーリはどうしようかと困惑した。許すのは構わないけど、何と答えればいいものか。


「ユーリ、許してあげられる?」

 どうしたらいいものかと戸惑うユーリに気付いたらしい母の言葉に、笑顔で頷いた。

「うん!」

 そして、頭を下げたままの客人カイルに近寄ると頭を撫でた。

「ゆるしてくれるの?」

 カイルは不安そうな声で言ったのに対して、笑顔で「あいっ!」と返事をする。

 謝るのは勇気がいる。起きた事は変えられないからだ。でも、悪い事をしたと反省してユーリの不安を払拭する為に頭を下げた相手の誠意に報いたいと思った。

「……ありがとう」

 そう言うとカイルは顔を上げて泣きそうな声で言った。その目には昨日の暗さが払拭されていた。素直によかったなと思う。

「よかったな、カイル! あと、ユーリにおねがいしたいことがあるんだよな?」

 兄の明るい声に、カイルは戸惑いがちに口を開いた。

「……ずうずうしいとはおもうんだけど。オリガミをおしえてほしいんだ。おとうとのキースはよくねこむんだけど、かみをおるあそびならベッドでもできそうだから」

 弟の為に折紙を教えて欲しい、という健気なお願いに思わず頷きそうになったものの引っかかるものがあった。

「にいちゃ、おれるよ?」

 ユーリが教えずとも兄が覚えたはず。なら、わざわざ年下のユーリが教える必要はないはずだ。

「オレ、おしえるのむいてないから。ユーリのほうがいい。それにほかにもあるんじゃないのか?」

 兄は教えるのが面倒だからとユーリに丸投げする気のようだ。しかも他にも作れるモノがあると見抜かれていた。折るのを任せていたマーサに教えるのを任せられないか縋るような目を向けてみたものの、笑顔で首を横に振られた。

「オリガミだったかしら? 面白い遊びを思いついたのはユーリでしょう。それならユーリが教えてあげたらどうかしら」

 母がにっこりと笑い、トドメを刺して来た。恩を売れる内に売れと、そういう事なのだろうか。

 思惑が分からないけど、有無を言わさぬ圧力に頷く事しか出来ないユーリだった。

 そして、カイルが帰るまで毎日3人で遊ぶ時間が設けられるようになった。


 

 





カイル君はまだ帰らないのをユーリは知ってはいたのですが、自分は関係ないと思っていました。

兄は人数で遊んだ方が楽しいと思っていそうです。

カイルが折紙に興味を持ったという話を聞いて援護射撃をしたのもその為かと。

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