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お母様の話。

珍しく昨日に続いての投稿です♪

 自分が特別な存在になる事に憧れるのは子どもの特権なのかもしれない。

 でも、前世の記憶があるユーリにとっては「普通」が一番だと思っていた。

 今世は特に波風の立たない「普通」の生き方が出来るのではないかと期待していたし。何としても平穏に生きるつもりだ。

 瞳の色が「珍しい」と言われる位は大した事はないはずだ。ユーリはそう自分を落ち着けて母の話を聞いていた。


「瞳の色は、魔力の量と性質が表れる事が多いの。ユーリもトーリ先生にも教えてもらったでしょう?」

「いろによってせいしつ、のうどでまりょくりょう、ってききました」

 色が魔力の性質、濃度が魔力量、というのが目安らしい。必ずしもそうではないのが面白い所だけど。

「そう。ユーリはちゃんと先生の話を聞いていて偉いわ。ラルフは興味がない話は耳を筒抜けてしまって記憶に残らないですからね。カイル様は同じ年でも優秀なのに。素直で優しい子なのはいいのだけど、先が不安なのよね……」

 母は優しい顔でユーリを褒めた後に、兄ラルフの今後を考えて悩み始めてしまった。

「にいちゃ、やさしいしげんき!」

「ふふ、そうね。健康が一番よね。一人で悩んで変な方向に走る事もなさそうだわ。まぁ、物理的には迷うと自分で何とかしようと頑張りそうではあるけど……」

 先の事を考えると悩ましいのが母心というものだろう。思い込んだら突っ走るタイプの兄が迷走する姿はユーリにも容易に目に浮かぶ。

「……ラルフの事は考えるとキリがないので置いておきましょう。目の色は魔力の性質、濃度は魔力量が表出する事が多いの。ユーリの目は濃い紺色、ね? 色の濃さから、魔力量は多いんじゃないかと思うわ。でね、珍しいのは色の方なの」

 魔力量が多いのはいいのか、と思う。トーリ先生は、魔力量が多いと小さい頃に上手く身体に馴染めなくて病弱になる事もあるという。もしかしたらカイルの弟もそういうタイプなのかもしれない。ユーリがよく寝るのも魔力が多いから身体が馴染ませようとする為の可能性もあるとは聞いた。

「いろ? みずのけいとうのアオなのに?」

「そうね、系統でいけば青の括りに入るわ。ただ、そこまで濃い色は珍しいの。もしかしたら系統から外れる可能性もあるの。前列が無いらしいのよ。

 カイル様が思い付きで言ったみたいだけど、黒の系統でもないと思うわ。黒は他の色が滲まない完全な黒でなければ入らないの」

 確か、濃い色は一見すると黒に見える事があるので入らないらしい。色からすると魔法の系統は闇なのかなと思うけど。黒は系統関係なく魔法が使える事が多いらしい。色が薄いと灰色になると聞いたので、紺色は黒の系統には入らないのだろう。

 黒が魔族の色という事も当然無いようで、優秀な魔法使いになる人に多いようだ。魔族は魔力が多いので、黒のイメージがあるのは確かだろうけど。物語にも魔族は黒のイメージで描かれる事が多いらしい。

「瞳だけでなく、髪色も魔法や魔力が表出するという話は聞いたかしら?」

 ユーリが頷くと、母は戸惑いながら続けた。

「髪色もね、実はユーリは少し変わっているのよ。お父様とローザも白銀なのだけど、ユーリは白に近いのよ。瞳の色が濃過ぎる位に濃いのに、髪色が薄い事もあまり無いし。そこまで白い髪は珍しいの」

 家族以外の人と会う事も少なかったので見る機会もなかったし、人と比べる事をしないのでユーリは気付かなかった。髪も瞳も両方変わっていれば、変だと言われるのも無理はないかもしれない。

 とはいえ、珍しいというだけで何という事もないだろうとユーリは思った。

「珍しいだけで変ではないのよ? 魔力が強過ぎたり、魔力の流れがおかしいという事もないから健康なのだし。ただ、これから他の家の子達と会う時に何か言われる事もあるかもしれない。ないとは思いたいけど、そんな時は変じゃないという事を覚えておいて欲しいの。そして、誰かに何か嫌な事を言われたら一人で悩まないで私達に話すのよ。ちゃんと聞くから」

 優しい笑みを浮かべながらも真剣に伝えてくれる母に、ユーリは不安よりも安心をした。きっと、母ならユーリが変わっていたとしても、何があっても受け入れてくれる気がする。

「……かぁちゃ、だいすき!」

 頷いて応えた後に、母に駆け寄って抱きついたユーリだった。

 隣で見守り役になっていた父が自分を指差しながら「とぉちゃは?」と聞いて来たけどわざと放置した。

「ユーリ、私も守ってあげるから何かあったら言うのよ?」

 話の間、黙々と食事をしていた姉のローザは最後に話に乗って来た。

 驚いたユーリが顔を上げると、悪戯な笑顔を浮かべて父をチラリと見た。

「ねぇちゃ! だいすきっっ!」

 満面の笑みを浮かべて姉に駆け寄ると抱きついた。

「ふふふ、私も何があってもユーリの味方だからね。敵は氷漬けにしてあげるから遠慮なく頼るのよ?」

 満足気に笑いながらも怖い事を言う姉だった。姉とはそこまで話した事はなかったけど、意外と気にされていたらしい。

 姉に抱きつきながらエヘヘと笑うユーリを抱きしめ返す姉のローザ。

 ソワソワと自分の番を何とか作ろうとする父、もう一度抱きついてもらおうとする母、それに気付いて黒い笑顔で笑う姉。

 気付かないユーリが一番幸せなのかもしれなかった。









食事の席なので、実は父と姉もいたという。

父はこの後、何とか頑張ってユーリから「大好き」と言ってもらったのではないかと☆

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